弊社より1月末にリリースいたしましたNXの最新バージョン「NX10」のCAE機能についてご紹介いたします。
NX10 CAEでは、更なる解析モデリング効率の向上と、シミュレーションプロセスの時間短縮および製品品質向上に有効な機能を追加しております。今回は、数多くの追加機能の中から「サーフェスラップ」、「音響構造連成」、「熱構造連成」、「境界レイヤーメッシュ」を、代表的な新機能としてご紹介いたします。
従来は流体解析機能のみで使用可能でしたが、NX10からは全てのソリューションで使用可能となりました。また、3Dモデルに対してだけでなく、インポートしたFEメッシュに対してもサーフェスラップを使うことができます。なお、サーフェスラップの対象は、2Dシェルメッシュまたは、3Dメッシュのフリーフェース、およびメッシュと多角形ジオメトリ混在でも作成が可能となりました。今回の機能拡張によって、サーフェスラップにより抽出した領域を、流体解析だけでなく、構造解析、音響解析など、他の解析評価等に活用することができ、解析モデリング効率の向上に貢献します。
NX10では、音響構造連成(音響解析と振動解析の相互作用)の評価機能を強化しています。従来は、音響構造連成評価を実施する場合、解析モデル作成、条件設定、解析実施、結果評価に多くの準備作業および計算時間が必要でした。今回の機能強化で、解析モデル作成の効率化と解析時間の短縮が可能となります。例えば、音響解析モデル作成をGUIから容易に設定することが可能となり作業時間の短縮を可能としています。また音響解析の計算時間も、アルゴリズムの変更により数十倍の時間短縮を実現しています。
NX10のCAE機能に新しく追加されたソリューション(SOL401)により、熱構造連成(伝熱解析と構造解析の相互作用)の評価機能を強化しています。従来の機能でも、伝熱解析と構造解析の相互作用は評価可能でしたが、伝熱解析の解析結果(温度分布)を構造解析にマッピングする一方通行の評価のみでした。NX10からはSOL401を使用することで、伝熱解析の温度と構造解析の変形状態の相互の影響を考慮した評価が可能になり、より高品質の製品開発に貢献します。
NX10 CAEの解析モデリング機能として、境界レイヤーメッシュ機能が追加されています。この新機能では、指定したフェース境界に沿ってメッシュ制御を適用することで、容易に境界レイヤメッシュと呼ばれる、3次元形状境界に層状沿ったメッシュを効率的に作成することが可能になりました。なお、NX10から境界レイヤーメッシュは、構造解析、流体解析に関わらず作成することが可能になりました。
今回ご紹介いたしました機能の他にも、NX10ではお客様のご意見を反映した多くの機能が強化、拡張されています。NX10に関する詳細、またはご不明点などございましたら弊社までお問い合わせください。
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