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DIPROニュース

2024

1月号

2024.01.10

新しい年を迎えて

代表取締役社長 柳沼 浩嗣

新年のご挨拶を申し上げます。旧年中はたいへんお世話になり誠にありがとうございました。

最初に、元日に発生しました能登半島地震により被災された方々に、謹んでお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興を心よりお祈りいたします。

昨年は、5月に新型コロナウイルスが季節性インフルエンザと同じ5類移行となり、コロナ禍で得た様々な教訓を生かしながら、各地で各種イベントが再開され、ようやく平時に戻りました。また、侍ジャパンのWBC制覇、ラグビーW杯フランス大会での代表チームの活躍など、元気をもらえる明るい話題がありました。一方で、対立が激しさを増し悪化する国際情勢、増え続ける地球温暖化や異常気象が原因とみられる自然災害など暗いニュースも多く、不安定で大変な一年であったと思います。今年は、安全・安心な生活と社会の実現に向かう明るい話題の多い一年になってほしいと願っています。

世界経済においては、地政学的な対立が激しくなり、供給網の効率化へ突き進んだグローバル化の時代は転機を迎えたと言われています。不安定な国際情勢によるエネルギーコストの上昇などに直面し、インフレになりやすい世界になっているようです。また、高齢化が進む先進国では、労働力不足の問題も増しています。更に、自然災害も増え続けており、経済回復にも影響を及ぼす恐れがあります。日本経済も、こうした不安定な状況にある世界経済に、長期的な日本経済の低迷への懸念も加わり、先行きが不透明な状況が続きそうです。そして、ものづくり業界においては、年々カーボンニュートラル実現などの社会的な要請が強まり、世界的な開発競争が更に激化しいくと思われます。

製造業のお客様は、電動化、自動化、ネットワーク化などで、製品が急速に高度化・複雑化していく中での品質向上・コスト削減・リードタイム短縮、あるいは労働力不足に対応した生産革新など、様々な取り組みにチャレンジされていると存じます。そして、弊社にも数多くのご相談やお問い合わせ、ソリューション・サービス活用のご要望をいただいております。

その一つは、従来以上にデータ主導で開発から生産までのプロセス全体を一気通貫に改革していきたいとのお話です。その基盤となるBOM、PDM、BOPなどの基幹システムの構築、モダナイゼーションやシステムバージョンアップ、企業間連携を契機としたシステム刷新に関するご相談を数多くいただいております。当社は、データを要に部門間・企業間連携を促進するエンジニアリング環境の実現を目指す「データ衝(しょう)」と、ものづくりの上流から下流までデジタル技術をフル活用し業務プロセスの変革を目指す「デジタルプロセスエンジニアリング」という2つのコンセプトの実践に集中し、引き続きお客様のプロセス革新や改善をご支援して参ります。

もう一つは、新たなデジタル技術や開発手法を適用した開発・生産プロセス革新の取り組みに関するお話です。当社は、メカ・エレキ・ソフトを融合した高度かつ複雑な製品開発で適用が進むMBD、解析・シミュレーションやデータサイエンス、ソフトウェア管理などに注力して参ります。さらに、現実とデジタルの融合を追求し、仮想・拡張現実を活用した現場の変革を目指すソリューション開発にも取り組んでいます。

一貫して製品開発プロセスの革新をご支援させていただいている私共としては、このような動きに積極的に関わり、新たなプロセスの実現に向けて精一杯貢献していきたいと考えています。そのためには、次世代技術開発や生産革新に必要となるPLMやエンジニアリングIT分野のソリューションとサービスをスピーディにご提供できるように当社の取り組みを加速していく必要があります。一方、変革のスピードが強く求められる中で結果を出すことを急ぎ、最初からシステム構築やデジタル技術・開発手法の適用ありきで進めるのではなく、まずはお客様の目的をしっかり理解し、明確な目標を共有させていただく私共の姿勢は堅持していきたいと思います。当社は、お客様と一緒に「何の為の革新なのか」、「現場をどうしていくべきか」を考え、突き詰めつつ取り組んで行きたいと考えています。

昨今、製造業のお客様から、従来にも増して生産技術分野を始めとした技術や技能の伝承に関する危機感や課題についてお聞きする機会が増えました。エンジニアリング分野の発展は、技術蓄積と経験の積み重ねによるところが多いと改めて感じております。革新・変革といった攻めの言葉が脚光を浴びがちですが、伝承・継承といったことの重要性にも目を向け、新しいものを創造していくことの大切さを感じています。新年を迎えるにあたって、先の見通せない不確実な時代であるからこそ、基本、根本に立ち返り、原理原則に基き考えながら、着実に歩んで行きたいと思っています。当社の特徴である「ものづくりとITの融合」を支える専門技術に、より一層の磨きをかけるとともに、「ものづくりの現場に根差したソリューションとサービスのご提供」というスタンスを堅持し、お客様をご支援して参ります。このような現場志向のものづくりプロセス革新の取り組みが、弊社の原動力であり、特長と考えています。そして、私たちの活動が、お客様の新たな価値創出の一助となり、ものづくりの持続的な発展の一端を担っていければと考えております。

本年も従来同様お引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。

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