「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA デジタル生産準備 VPS(以下、VPS:ブイピーエス)」の生産ライン検討業務にフォーカスしたVPS GP4の新バージョンを1月にリリース予定です。
今回は、VPS GP4の最新機能についてご紹介します。
近年、製品の市場への投入を迅速化し、生産効率を向上させ、品質を維持・向上させることが強く求められています。これに対応するために、製品の試作や工程計画策定といった生産準備業務のデジタル化が進められ、物理的な現場や現物に依存しない業務遂行が必要になってきています。特に、生産ラインの検討業務では、検討内容を迅速かつ的確に、そして誰もが理解しやすい形で表現することが重要となっています。
これにより、国内外の工場へ出張することなく生産ラインの立ち上げをスムーズに進めることが可能となり、効率的な生産体制の構築が期待されています。
VPS GP4の新バージョンであるV11L27では、現実に近いシミュレーションを可能にするため、バーチャルな生産ラインの表現力を向上させる形状の取り込みや、作業者の干渉状態を素早く確認する機能を充実させています。以下、個々の機能強化について詳しくご紹介します。
LiDARやレーザーによるスキャン(センシング)技術の進歩により、現実世界の物体をデータ化することが容易になりました。これらは、デジタルツインの実現には不可欠なものであり、デジタル空間上で現実に近いシミュレーションを可能にしています。
近年、VPS GP4のデジタル空間上でも、現実に近いシミュレーションを行いたいと、多くのご要望をいただいております。
そこで今回、スキャンした点群データをご自身のツールでFBX(∗.fbx)、OBJ(∗.obj)やVRML(∗.wrl)などのテクスチャ画像付きのファイル形式に変換することで、VPS GP4にエレメントとして取り込むことができるようになりました。これにより、レイアウトの表現力が増し、モデル作成の工数も削減できるだけでなく、現実に近いシミュレーションを行うことも可能になります。(図1)
VPS GP4から出力したデータをXphereに取り込むことで、Virtual Reality空間で作業性を詳細に検討することが可能になります。今回、VPS GP4からデータを出力する際に、設備データが持つテクスチャ情報やラベルの画像情報も一緒に出力できるように改善しました。
これまでのシステムでは、コンテナなどの識別をラベルの銘板で行っていた場合、画像情報がないために識別が難しいという問題がありました。今回の改善により、画像情報を含むラベルが出力できるようになったことで、容易に識別できるようになります。
表現力が向上したVirtual Reality空間での作業性検討をぜひお試しください。なお、画像を取り込むことができるXphereは、今冬リリース予定のXphere V1.8以降のバージョンからとなります。(図2)
生産ライン上で作業者間の衝突を防ぐために、干渉チェック機能を強化しています。手順実行編集機能で、手順のアニメーションを実行しながら干渉チェックが可能になります。これにより、現実に近いリアルタイムのシミュレーションで、干渉を確認できるようになりました。
作業者間で干渉が発生した場合、干渉チェックマーカーが表示されるため、問題の箇所を直ちに確認できます。さらに、干渉が発生したタイミングで手順のアニメーションを一時停止することも可能です。これにより、迅速に干渉回避の検討を行うことができます。(図3)
また、干渉チェックダイアログには、干渉が発生している時間帯を表示する機能を追加しました。これにより、干渉を回避するためのルートや時間の調整がより容易になります。
これらの機能強化により、生産ライン上での作業者の安全性と効率性の向上が図れます。(図4)
以上、VPS GP4の新バージョンV11L27の代表的な機能強化内容をご紹介しました。ここでご紹介した以外にも、現実に近いシミュレーションを行うための様々な機能追加・操作性改善を行っております。VPS GP4は、ビジュアルでわかりやすい工程シミュレーションを実現することで、生産ライン検討のDX推進に貢献して参ります。VPS GP4をお使いいただくことで、製品の迅速な市場投入および生産性と品質の向上に寄与し、お客様の更なる企業価値創出に貢献していきたいと考えております。今後ともご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。
詳しいご紹介はDIGITAL PROCESS SHOWROOM VPSよりご覧ください。
PICK UP