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DIPROニュース

2021

11月号

2021.11.10

ソフトウエア管理サービスのご紹介

はじめに

新型コロナウイルス感染症の世界的な広がりから、従来の常識が著しい速度で変化しています。テレワークの推進、電子決済、物流ハンドリング自動化など、ソフトウエアがビジネスの中心となり、インターネットを基盤とするソフトウエアを利用したビジネスが様々な分野に浸透されつつある今、社会全体がまさに大きな転換期を迎えています。

こうした世の中の変化への対応は、ソフトウエアの進化なくしてはあり得ません。今後も加速度的にソフトウエアの大規模化、複雑化への要求は高まり、それに伴い高度化していくソフトウエアをどのように管理していくかは益々重要になります。お客様の中にも、今までは意識していなかったソフトウエアの管理を早急に検討したいとお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか?

概要

ソフトウエアの管理といっても色々な管理があります。ソフトウエア・ライフサイクルを通じて、ソフトウエア構成や成果物の変化を記録する仕組みを設けて、いかなる時にも過去の状態の再現や、トレースが取れる状態にあることが必要となります。度重なる仕様変更、不具合対策やセキュリティ対応の織り込みによるバージョンの増加、そして自動車なら車種違いやグレード違い、仕向地違いが追加となることによるバリアントの増加、これらの掛け算でソフトウエアの種類が膨れ上がります。

このようにソフトウエアの大規模化、複雑化、および種類が増え続ける状況の中で、開発品質向上や業務効率向上を実現するための各種データ類の管理要件の整備、情報管理のプロセスや仕組み作りをDIPROがご支援します。

ソフトウエアアップデート国際基準

自動車業界でも、その動きは国際的に高まってきており、昨年6月に国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)にて、自動車のサイバーセキュリティとソフトウエアアップデートに関する国際基準(UN規則)が成立しました。サプライチェーンや製造後の自動車の使用期間の全体像を見た対応が求められており、自動車メーカーだけでなく、サプライヤの参加も不可欠となるものです。自動運行装置を備えた自動車やOTA対応車については2022年7月以降に発売される新型車が対象となります。

自動車メーカーがプロセス認証を取得するにあたって、サプライヤとDIA(開発インタフェース協定)を締結する必要があり、サプライヤもソフトウエア管理やサイバーセキュリティ対策を講じる必要があります。

具体的には、サプライヤではECUソフトウエアの変更情報と完全性検証データを管理し、それらを自動車メーカーにセキュアに提供するプロセスを構築する必要があります。また、自動車メーカーと連携して自部品ECUの脆弱性に対するリスク評価、リスク軽減策の実装とテストの結果を文書として取りまとめ、自部品の脆弱性情報や自部品の連携システム情報を管理して自動車メーカーにセキュアに提供することが求められるようになります。このような対応を行うためには、ソフトウエアのライフサイクルを通じた成果物管理の変化を記録し影響分析のためにトレースできる状態になっていることが必要となります。さらには改ざん防止や不正アクセス、情報漏洩を防止するためのサイバーセキュリティに関する対策も必要となってきます。

対応連携システムの一例

対応連携システムの一例 サプライヤ管理システム OEM管理システム
OTA(Over The Air):無線通信を経由してデータを送受信する技術。ソフトウエアの更新などに使用

DIPROのご支援内容

ソフトウエアの管理では設計仕様書、ソースコード、ビルド環境、実行ファイル、テスト仕様書、テスト結果報告書といった開発プロセスで生成される成果物、および運用フェーズで変更された成果物を系統的に整理整頓して情報を共有できる仕掛けや仕組みを構築する必要があります。ここで重要なのはこのような大量データを共有する場合、そのプロジェクトに携わる人に分かりやすくかつ簡単に利用できることです。ユーザーごとに違うプロセスや開発データ類の構成について運用実態を考慮して、開発業務の効率化や品質向上を目指した、“使える“システムの構築をご支援します。

私たちは、最初にお客様の業務分析から始めます。お客様特有の業務プロセスやソフトウエアを始めとする開発成果物の運用状況を把握して、改善すべき課題やご要望をリストアップします。お客様が感じている課題やご要望はもちろん、DIPROの有するモノづくり経験やISOなどのモノづくりに関する基準との比較も含め、広範囲の視点で課題をリストアップしていきます。

電子製品情報管理システム

電子情報管理システム構築サービス

電子情報管理システム構築サービス

次に、リストアップした課題の解決方策案を作り上げていきます。あるべき姿を元にシステムで管理すべき項目を明らかにした上で、実際のお客様の業務プロセスに合わせて、システム開発のための業務要件を作成、更に業務プロセスの改善や仕組みなどの課題解決の具体的方策を提案します。ここであるべき姿とは、DIPROの有するモノづくり経験とISO26262(機能安全)やJASPARなどの標準 / 規準を考慮した、ソフトウエア管理の最適解です。これらを元に、お客様の実態に合わせた実現項目を提案し、現実的な管理システムの要件定義を作成、システム開発へつなげます。

DIPROでは、モノづくり経験者がユーザーの立場で業務要件やプロセス・仕組みなどを考えるので、ユーザーの手間が増える管理手続きを抑え、利便性を考慮した、モノづくりの品質向上 / 効率向上のための提案を行います。

まとめ

今回ご紹介したのは私たちが実施しているソフトウエア管理の「電子情報管理システム構築サービス」の一例です。本件を担当しているDIPROデベロップメントエンジニアリングサービス部は、自動車メーカーの出身者も多く、自動車業界関連のメーカーやサプライヤのサポート経験も豊富です。これらの自動車関連システム開発の経験を活かして、自動車業界をはじめその他業界についても開発プロセスへ対応した業務改善やシステム提案、お客様の使い方に合わせたカスタマイズを含めた電子情報管理システム構築サービスをご提供します。ソフトウエア開発品質向上や、業務効率向上でお悩みの際には、ぜひ一度ご相談ください。

電子情報管理システム構築サービス の詳細はこちら

お問い合わせ先

製品・サービスに関するお問い合わせ
(デベロップメントエンジニアリングサービス部 課長SE 松永)

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