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DIPROニュース

2021

10月号

2021.10.11

DPC新ビジネスご紹介
~ ETO(個別受注設計生産)向けRuleStream
サポート業務の展開 ~

Rulestreamは、元は米国Rulestream(R)社が開発した個別受注設計製品(Engineering to Order 、以下ETO)に関連したビジネス・業務プロセスを効率化するETOソフトウェアです。2009年に現在のシーメンス・デジタルインダストリーズソフトウエア(以下、シーメンス社)がRulestream(R)社を買収しましたが、現在も引き続きRulestreamのブランド名で販売され進行中のすべての開発とサポートがシーメンス社に引き継がれています。

RuleStream概要の紹介

ETO業界の課題

ETOのビジネス・プロセスは、発電、HVAC(冷暖房空調設備)、流体技術、重機、機械、自動車や航空宇宙の補給基地など、増大する多種多様な製造分野で展開されています。顧客の特別仕様に合わせた製品構成に対する需要が高まるにつれ、こうしたETOメーカーでは共通の課題が生じています。

近年ETOメーカーは、入札件数の増大化に向けて正確な入札額を決定して落札率を高めると同時に、受注設計のリードタイムを短縮し、製造リソースの利用を最適化しなければならないことが大きな課題となっています。(図1)

顧客の特別要求をリアルタイムで対応 カスタマイズ設計の効率が標準製品時と同様を実現 カスタマイズ原価の見積精度が高い 顧客ニーズ個性化、各地域の市場環境と法規違い、業界内の競争も激しくエンジニアリング部門の複雑性が増加:・商談段階でユーザーニーズの評価のため、技術部門のリソースを大量投入・オーダー数が多い時、エンジニアが不足・カスタマイズの原価見積精度が低いため予定利益が減少・製品ノウハウが個人に依存
図1 ETOの課題

対策としてのRuleStream

Rulestreamは、ETOメーカーが直面している、このような課題を受注、設計、製造までのトータルソリューションを提供して解決します。設計ナレッジを取り込み、これを利用して企業全体の重要なビジネス・プロセスを自動化することによって、「引き合い」から「納入」までのプロセスを効率化し、各メーカーがそれぞれの設計・生産能力に合わせて受注できるように支援します。(図2)

図2 RuleStream位置付け

RuleStreamの主要機能

  1. 業務ナレッジのルール化
    ルール作成の画面では、業務に詳しいエキスパートが製品構成やルール(図3)、属性、計算関数&DBリンク、そしてユーザー画面設計、CAD連携などの作業を定義します。
    シーメンスのTeamcenter、NXをはじめ、Pro/E、Solidworksなどの3DCAD、Microsoft社のOffice系のVisio、Wordにも連携できます。
    図3 ルール化画面例
  2. 業務ナレッジ・ルールの実行
    業務ナレッジのルール作成で定義した内容、UIなどを利用して、オーダーベースに実際のルールを実行します。設計エンジニアは、3Dモデル、BOMなどが出力でき、セールスでは、軽量化データ、見積りなどが出力できます。また、セールスの成果物は、Webサーバーを経由して、ブラウザがあれば、いつ、どこでも、ユーザーが自由に製品の3Dデータの確認や原価試算などが実施できます。(図4)
    図4 ルール実行

DPCが取組んでいるRuleStreamのサービス

DPCでは本年からビジネスパートナーでモジュール化を推進しているBERG社と連携し、RuleStreamの導入支援、教育などを実施しています。これまで3社に対してRuleStreamの導入、教育を実施しました。

  1. RuleStreamの導入支援
    RuleStreamの推奨使用環境に合わせて、お客様の環境を構築します。標準RuleStreamのインストール、データベースのSQL Serverの設定などを支援します。
  2. RuleStreamの基礎操作教育
    モジュール作成、属性付与、DB検索、TC&NX連携、結果出力などの初心者の方でも早めに使いこなすための基礎となる操作教育を実施します。

教育サービスの提供内容

教育内容の概要

  • サーバー側設定
  • クライアントのインストールと基本設定
  • 画面概要
  • トップパートと構成
  • 属性
  • 計算関数、SQL、Server連携
  • ユーザーインターフェース設定
  • RS-TC連携、NX連携
  • Word連携
  • オーダー、結果確認
  • データバックアップ、リカバリー

今後の展開・拡大

RuleStream活用範囲の拡大

今まで導入済みのお客様では、モジュール活用のコンフィグレーターツールとして、営業部門、設計部門を中心にRuleStreamを利用されています。RuleStreamはETOオーダーの処理プロセス自動化ツールとして、営業・設計・生技・製造・購買・納入・サービスなど全プロセスを支援しています。

DPCはBERG社と連携し、導入・教育以外のRuleStreamに関する業務コンサルティング、カスタマイズ、アフターサービスプロジェクトへも参加しています。

RuleStreamのマスタデータ管理ツールの開発によるデータ一元化

これまで、RuleStreamに必要なマスタデータ(商品仕様、仕様制約条件、モジュールインタフェース、モジュールバリアント、モジュール適用表など)はEXCELで管理する企業が多く、このためデータの入力ミス、精度低下、最新可否などの問題が生じています。DPCでは、これらを解決するために、モジュールバリアントシステム(MVS:Module Variant Specification)を開発しました。MVSとRuleStreamを連携することでマスタデータの一元管理化を実現し、お客様での利用を促進していきます(図5)。

図5 MVS概要

最後に

ドイツでは第四次産業革命(Industry 4.0)の中核技術の一つが「マス・カスタマイゼーション」です。マス・カスタマイゼーションとは、ETO生産方式規模化のことです。短期間・低コストでETOオーダーに対応するため、市場ニーズによるモジュール化と部品の共通化が必要となります。DPCでは自動車BOMでの実績なども活かしながらETO業界向けにモジュール化コンサルティング、RuleStream適用、MVS連携などのサービスとソリューションを提供して参ります。

お問い合わせ先

製品・サービスに関するお問い合わせ
(迪普勒(北京)信息技術有限公司 技術部 文 章)

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