富士通とデジタルプロセスは、製造業における生産準備業務のデジタル化支援ツール「FUJITSU Man-ufacturing Industry Solution COLMINA デジタル生産準備 VPS (以下、VPS:ブイピーエス)」シリーズの新バージョンを8月5日から販売開始しました。
製造現場では、顧客企業からの度重なる納期短縮要請や多品種少量生産の拡大により、複雑化する生産方式への対応が求められています。これらの課題に対応するため、生産準備部門では現場・現物を主体として実施していた試作や工程計画などの業務をデジタルデータを中心とした業務にシフトして生産性の向上を図る取り組みが活性化しています。また、新型コロナウイルスの感染拡大および防止策などから生じたニューノーマルにおいて、生産準備業務のデジタル化によるリモートワークの推進など、事業継続性向上の施策としてデジタル生産準備への期待は一層高まっています。
VPSは2000年の販売開始以来、機能強化を重ねてきた国内トップシェア(注1)のデジタルマニュファクチャリングツールです。今回のバージョンアップでは、迅速に精度の高いBOPの作成を可能にする大幅な機能拡張を行いました。
1. 迅速かつ柔軟なBOP作成を支援する「VPS Standard」、「VPS Manufacturing」
「VPS Standard」、「VPS Manufacturing」において、従来は工程順序や工程情報の作成を製品モデル毎に行う必要がありましたが、今回のバージョンアップにより、既に工程を作り込んだ製品モデルから工程順序や工程情報を新たな製品モデルに流用することが可能となりました。新機種モデルや別工場での同製品の工程計画時などに、工程検討を効率的に短時間で実施できます。
また、製品の製造工程における作業品質を管理するために作成されるQC工程図および工程FMEA表に必要な情報を、「VPS」上で表形式にて入力できる機能を新たに追加しました。これにより、工程の管理方法に関する情報を含むBOPを「VPS」上で一元的に作成可能になることで、これまでQC工程図や工程FMEA表を個別に作成・管理していたことで発生していた転記情報の重複や抜け漏れによる修正などを低減でき、工程検討の生産性向上が図れます。
さらに今回、設計の変更情報を反映する設計変更対応機能を強化しました。CADから取り込んだ設計構成ツリーと「VPS」で作成した製造構成ツリーを並べて表示したり、設計変更前後の製品モデルの比較画面において変更された部品を色分け表示したりすることで設計情報の変更内容が把握しやすくなり、より効率的かつ柔軟に最新の設計情報を反映することが可能になりました。
2. 製造ラインの表現力向上により精度の高いBOP作成を実現する「VPS GP4」
「VPS GP4」では、製造ラインのレイアウト検討を行う際に、「VPS Standard」「VPS Manufacturing」の製品モデルに設定したレイアウト情報や設備名をもとに、設備を製造ライン上に自動配置する機能を搭載しました。本機能により、製造ラインのレイアウト作成の前倒しと短期化が図れます。
また、生産性検討を行う際、工程間の中間仕掛品を含む作業手順を検討する機能を強化しました。組み立て途中の製品状態である中間仕掛品を容易に生成することが可能となり、生産ライン改善案の「VPS」上での作成時間が短縮されます。これら機能により、ミスや漏れがなく、より効率的に生産可能なBOPを作り込むことが可能となり、生産の開始直後から歩留まりが高い生産を実現します。
当社は今後も、「VPS」の機能強化を継続的に行うことで、生産準備業務のさらなるデジタル化に貢献し、お客様のDXによる生産性の向上や、ニューノーマルにおけるお客様の事業継続を支援していきます。
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