2019年3月にVERICUTの最新バージョンVERICUT8.2がリリースされました。VERICUT8.2ではシミュレーション機能の実行速度が全体的に向上された他、ユーザインターフェースや最適化機能の強化が行われ、NCデータに対する品質確認の作業効率がより向上いたします。
ここではForce Turning機能、ユーザインターフェースの機能強化、ヘッドアップディスプレイ機能についてご紹介します。
送り速度最適化モジュールForce機能にForce Turningが追加されました。Force機能は、切削に使用するワーク材質・工具材質・工具形状・切削条件等から工具にかかる切削抵抗値を計算し、加工パス全体において工具抵抗値が均一になるようにNCの送り速度を最適化します。(図1)
指定された切削抵抗値・切屑厚さ等に基づいた送り速度を適用できるため、これまでは加工経験の蓄積が必要とされていた高硬度材や難削材の加工において特に有効にご活用いただけます。
Force Turningにより旋盤加工における切削条件の最適化だけでなく、Force Millingとの組み合わせによって複合旋盤用NCを最適化することも可能となりました。
リボンメニューに機能検索コマンドが追加されました。検索欄に文字列を入力することで、その語句に関連する機能一覧が表示されます。表示された機能一覧上にマウスカーソルを当てると機能の場所が表示され、クリックすると該当の機能に移行します(図2)。これまでは目的のコマンドが見つからない場合にはヘルプで確認する必要がありましたが、機能検索コマンドを使用することで機能の検索および起動を素早く行うことが可能になります。
そのほか、キーボードショートカットの登録が可能になりました。任意の機能を実行するショートカットキーの組み合わせを設定できます(図3)。使用頻度が高い機能をショートカットに設定していただくことで、メニュー選択の操作時間を劇的に短縮し、効率的にオペレーションを起動することができます。
ヘッドアップディスプレイ機能は、VERICUTのグラフィックビューの中にNCプログラムやステータスボックスの情報を表示します。HUDにて表示する項目はカスタマイズが可能となり、表示する項目(情報)の種類・テキストサイズ・文字色・透明度などを選択することができます。(図4)
これまではNCプログラムやステータスボックス情報の参照は、別ウィンドウを開いて表示する必要がありました。本機能によりシミュレーション動作とNCプログラムやステータスボックスの情報を同一ウィンドウで確認することができるため、アニメーション表示領域を広く確保でき、検証作業を効率的に行うことができます。
VERICUTはこの他にも充実した機能により、皆様の加工検証業務の効率化・NCデータの品質向上に貢献いたします。
DIPROはVERICUT操作教育、工作機械シミュレーションモデル作成などのサービスでVERICUTの導入・使いこなしをご支援いたします。
新規に工作機械を導入される際は、NCデータ検証用に是非VERICUTのご導入をご検討ください。
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