MENU

DIPROニュース

2019

4月号

2019.04.10

最新バージョン DIPRO VridgeR V4.6のご紹介

DIPRO VridgeR(以下VridgeR)は、革新的な3D表現の技術により、超高速・高性能な大規模DMU(デジタルモックアップ)ツールとして、航空機や自動車、建機、造船業界のお客様に先進的な業務スタイルをご提供しています。また、2013年に発表しましたコンセプト「データ衝ビューワ」では、3D図面からものづくり情報を読み解き、可視化することで、3Dデータを活用したお客様による見積りや生産要件の検討・検証業務等を支援してまいりました。

この度、VridgeR新バージョンV4.6を2019年4月より提供開始いたします。今回のバージョンアップでは樹脂成型品メーカーでの見積り ⁄ 製造要件検討で課題となっている検討漏れや手戻りを解決するための機能追加・強化を図りました。これにより、見積期間の短縮、検討精度の向上を目指します。

新機能の概要と特長をご紹介いたします。

  1. 樹脂成型品の製造要件チェック機能強化
    ①アンダーカット検出機能の追加
    ②肉厚チェックの結果出力改善
  2. 抜き方向線などを簡易に準備するための線 ⁄ 円弧作成機能の強化
  3. 分解図機能 回転マニピュレーター表示改善
  4. CADバージョンアップへの対応

1.樹脂成型品の製造要件チェック機能強化

アンダーカット検出機能や肉厚チェック結果出力改善により、樹脂成型品等の見積 ⁄ 製造要件チェック作業の効率化、期間短縮を実現しました。

樹脂成型品等の製造要件チェックでは、型から抜き取れる設計データとなっているか、強度的に問題ない厚みで設計されているかを製品形状から素早く判定し、効率的にチェックすることが検討期間短縮のカギとなります。

V4.6では、従来の肉厚 ⁄ 抜き勾配チェックに加え、選択された抜き方向から簡単にアンダーカット部分を検出、可視化する機能を追加しました。また、部品の肉厚チェック結果を検出箇所ごとに出力する改善を行いました。これらの機能改善により、設計データから短期間で効率的な製造要件チェックを実現します。

アンダーカット

製品形状には、凸や凹形状部分があるため、型から抜き取る離型の際に、抜き方向からそのまま取り出せない場合があります。このため離型で引っかかってしまう凸や凹形状部分に対して、アンダーカット処理が必要となります。その箇所数や大きさが金型の製作費用に大きく影響するため、金型費用の見積りでは正確な箇所数と大きさを求めることが重要なポイントとなっています。VridgeRのアンダーカット検出機能は、抜き方向から見た製品形状のアンダーカット部分を瞬時に検出・色づけして可視化することで、アンダーカット処理の考慮漏れを防ぎます。金型の製作費用の見積り精度が向上し、検討品質の向上および期間短縮が図れます。

抜き方向から見ると返し形状
抜き方向(例えば、矢視方向)を設定して、アンダーカット機能を実行します
アンダーカット部分を赤く色づけ
返し形状などのアンダーカット処理が必要な箇所を赤く表示することで、
アンダーカット部分を抜け漏れなく可視化します

肉厚チェック結果出力改善

従来の肉厚チェックは、部品ごとに結果をカラーマップで表示していました。今回、箇所ごとに肉厚のチェック結果をグルーピング表示することで、部品中の結果を複数に分けて表示することができるようになりました。これにより、グルーピングした単位で肉厚結果を確認することができ、厚肉・薄肉個所やヒケの原因箇所などの確認漏れを防げます。

また、グルーピング毎の確認結果を一覧に記録することも可能になりました。

肉厚の検出個所毎に検討結果を記載
チェックの結果を複数箇所に分割表示 ⁄ リスト化

2.抜き方向線などを簡易に準備するための線 ⁄ 円弧作成機能の強化

V4.6では、点 ⁄ 円弧からの円弧線、矢視線方向への線、2直線からのマトリクス作成が可能となりました。これにより、抜き勾配やアンダーカット機能を実行する際の抜き方向線を簡単に準備でき、VridgeRでの抜き方向検討が容易に行えます。

指定店①指定店②指定店③3点を含む円弧と中心線を作成
3点指定による円弧 ⁄ 中心線作成
指定点から矢視方向へ線が作成されます
矢視方向への線作成
指定線①にz軸指定線②にx軸となるマトリクスを作成
指定線によるマトリクス作成

3.回転マニピュレーター表示改善(分解図機能)

従来、マウスドラッグで部品の回転を行う場合に、回転マニピュレーターが対象部品から離れた場所に表示され、マニピュレーターを探さなければならない場合がありました。今回、対象部品を選択した際のマウスカーソル位置に回転マニピュレーターが表示されるよう改善しました。これにより、回転を伴うアセンブリ分解や動的干渉チェックが、マニピュレーターを探さずに実施いただけます。

対象部品を選択した際のマウスカーソル位置に回転マニピュレーターを表示
回転マニピュレーター表示の改善

今回ご紹介した機能の他にも、CATIA V5 R28やJT10への対応、さらにはお客様からの声を元に28項目の機能を追加・強化いたしました。

新機能の詳細やご不明な点などございましたら弊社までお問い合わせください。

VridgeR製品紹介サイト

(3DTビジネス部 橘川)

TOP