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DIPROニュース

2018

9月号

2018.09.10

NX12リリースのご案内

弊社より7月にリリースしたNXの最新バージョン「NX12」のCAD機能についてご紹介いたします。

NX12では製品開発の柔軟性をより高めるための新機能や効率向上に繋がる機能が数多く搭載されていますが、特に設計効率向上のための機能が追加されています。今回は「複数パートの同時表示」と「ファセット編集機能のさらなる拡張」、「デジタルモックアップ アプリケーション」をご紹介します。

複数パートの同時表示

CADデータを編集しながら周辺部品とのクリアランスやレイアウトを確認したいというご要望を長年お聞きしておりました。ご要望にお応えする機能としてNX11からアセンブリデータとパートデータの2画面表示が可能になりましたが、NX12では同時表示できるパートファイル数およびデータ種類が増えました。

例えば図面とアセンブリ、モデルデータを同時表示できますので、モデルデータを編集した後にウィンドウを切り替えずに図面状態およびアセンブリのレイアウトを直接確認できます。

複数ウィンドウ表示する画面レイアウトの種類は「グループレイアウト表示」の他、メインフレームの外に別ウィンドウとして表示させる「フローティングフレーム表示」が可能です。「フローティングフレーム表示」では、例えば2つのNXグラフィックウィンドウをデュアルモニター上でそれぞれ全画面表示させることで、画面の領域を最大限利用するといった使い方ができます。

また、ウィンドウ間でのコンポーネントのドラッグ&ドロップによるコピーが可能になりました。標準部品を配置する際の再使用ライブラリから対象部品の検索→サイズ選択→配置といった一連の操作を省略することができるため、手数の削減につながります。

ファセットモデル編集機能のさらなる拡張

競合分析や型設計などのために計測データを元に3Dデータ化および性能解析をしたいというニーズがますます高まっています。このために、NXではファセットデータの編集機能が充実してきており、NX11でファセットデータのコンバージェント(集約型)モデリング機能群が追加され、ファセットジオメトリとプリサイスジオメトリに対するブーリアン演算を直接行うことが可能になりました。これによりスキャンした測定データ(STL)やNX以外のCADデータが混在するデータをプリサイスジオメトリへ変換する作業が不要になり、最適な形状へ修正する作業を迅速に行えます。

NX12ではさらにコンバージェントモデリングにおける作業効率を高める「ポリゴンモデリングタスク環境」とファセット点を利用した形状加工のための「ローカルオフセット」やブレンド機能が追加されました。

「ポリゴンモデリングタスク環境」では、ファセットデータをNXで編集可能なデータ(コンバージボディ)に自動で変換され、即座にコンバージェントモデリングのモデリング機能が利用可能になるため、ファセットボディの多いデータを効率的に扱うことができます。

ファセット点を利用した形状加工は、ファセットデータの形状を直接オフセットやブレンド、面取りといった加工を行いたいというご要望に応える機能で、プリサイスジオメトリを再作成することなく加工ができます。

デジタルモックアップ アプリケーション

大規模なアセンブリデータを簡単かつ迅速にレイアウト保存が可能な、「デジタルモックアップ アプリケーション」が新たに搭載されました。これまでは一時的な検討を行う場合でもマスターアセンブリを直接編集してレイアウト状態を保存していましたが、デジタルモックアップ専用の環境でアセンブリデータに対して、下記のような情報を定義したスナップショット状態の保存と切換えを行うことができます。

  • 表示設定(シェーディング、方向、ズーム等)
  • コンポーネントの表示/非表示状態
  • コンポーネントの位置
  • 断面表示

また、複数の表示や位置状態を保存でき、瞬時にスナップショットの切替えや断面検討を行えます。そのため、部品間のクリアランスや製品の組み立て性の確認といったデザインレビューを効率的に実施できます。

製品の最新情報は弊社ホームページにて順次ご案内いたします。詳細については、弊社までぜひお問い合わせください。

NX の詳細はこちら

NXの新しいリリース方法について

去る2018年7月18日にSiemens社主催の「Siemens PLM Connection 2018 Japan」において、NXの新たなリリース方法として「NX Continuous Release」が発表されました。

「NX Continuous Release」では、2019年1月より、Siemens社から継続的なリリース方法を使用したNXソフトウェア製品の提供が開始されます。詳細な情報は未発表ですが、従来のようなメンテナンスリリースやメンテナンスパックでのリリースから、機能改善や不具合修正を行うアップグレードが継続的にリリースされます。Siemensはこのような方法で製品を提供する最初の主要なCAD / CAM / CAEベンダーになります。

なお、2019年1月以降もNX12は従来通りご利用いただけます。弊社からは最新バージョンNX12.0.2を2018年下期に出荷予定しています。

(第一エンジニアリングサービス部 藤原)

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