富士通株式会社とデジタルプロセス株式会社は、製品の組み立て工程を支援するデジタル生産準備ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VPS(以下、VPS)の新バージョン「V15L20」を、7月24日に発表しました。
近年、製造業の現場では、顧客の多様化するニーズに伴い、多品種少量生産への対応が求められています。その中で製品の品質を確保するため、製造用図面や組み立て手順など、製造に関わる情報を設計工程から製造工程まで詳細かつ正確に共有することが重要です。しかし作業指示書や部品一覧表といった、関連ドキュメントの作成や管理などに多くの負荷がかかっています。
デジタル生産準備ツール「VPS」は、CADで作成された製品の3次元デジタルデータを活用して、製造用図面や組み立て手順のほか、使用する工具や組み立て作業に必要な工数、作業における注意点など、様々な製造関連情報を集約・表示します。非熟練者でもアニメーションで視覚的に組み立て手順を理解でき、お客様の生産準備業務の効率化および品質向上を支援してきました。
VPSの新バージョンV15L20では、3次元モデルデータを活用した組み立て作業の手順や工数など、旧バージョンで管理してきた情報に加え、新たに実機作業のビデオ映像や作業実績の検査表など、より多彩な製造情報の集約・表示が可能になりました。これにより、点在する製造情報を利用するためにソフトウェアを切り替えたりファイルを探したりという手間がなくなり、VPSから素早くアクセスできるようになります。
また、組み立て部品の構成ツリーや、製造フローの確認の際に表示するウィンドウのサイズおよび配置などのレイアウトを、それぞれ記憶し、複数パターンを保存することができます。各ウィンドウの結合および切り離しや、マルチディスプレイでの表示にも対応しています。これにより、利用者ごとに使いやすいウィンドウへと容易にカスタマイズすることができます。
その他には、お客様の製品において、日本向けと欧米向けなど販売先による違いや、注文時のカスタマイズによる違いなど、一つの製品でも部分的に構成や仕様が異なる複数のバリエーションデータへの対応も強化しています。これにより、バリエーション毎にそれぞれVPSデータを作成する必要がなくなり、1つのVPSデータに複数のバリエーションデータを作り込み、一括で切り替えて利用できるようになります。
デジタル生産準備ツール「VPS」は、多様化する生産方法や製造情報への対応の幅を広げ、これからもお客様の生産準備業務をデジタル技術で支援していきます。
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