去る7月8日(木)、恒例となっておりますCAESEKI.comソリューションセミナーを東京工業大学(大岡山キャンパス)ディジタル多目的ホールにおいて開催いたしました。おかげさまで本セミナーも6回目を迎え、今回もご多忙の中を自動車、機械、電機など幅広い業種から、100名を超える皆さまにご参加をいただきました。(CAESEKI.comは、富士通、デジタルプロセス、富士通長野システムエンジニアリング、富士通九州システムエンジニアリングの4社の連携によるCAEアウトソース事業です)
今回は、日産自動車株式会社 主管 二俣 達哉 様、株式会社東芝 参事 中島 真一 様、東京大学大学院 教授 吉村 忍 様、日本発条株式会社 主管 小野 隆 様、ヤマハ発動機株式会社 主査 吉村 昇一 様の5名の方にご講演をいただきました。
二俣様には、「自動車車体構造解析の現状と今後」というテーマで、自動車車体構造開発におけるCAE適用の拡大状況、近い将来の姿、将来の展望についてご紹介いただきました。車両開発においては、シミュレーションによる性能予測が全性能・品質評価項目の約40%にも上るなど騒音・振動、衝突安全、歩行者保護、材料、空気力学的改善、操縦性・安定性など幅広い分野にCAEが適用されていることがわかりました。
中島様には、「設計にCAEを生かす秘訣」というテーマで、携帯電話の強度やエアコン室内機の流れ評価などの機械系CAEのみならず、電子デバイスの電磁界特性など電気系CAEの適用についてもご紹介いただきました。また、設計者の意思決定支援環境としての自動最適設計では、多目的問題への取組みなど新しい分野のお話をお聞きすることができました。
吉村 忍 様には、「バーチャル実証試験とものづくりプロセスの革新」というテーマで、ADVENTUREプロジェクトと呼ばれる大規模問題解法への取組みをご紹介いただきました。超並列計算機の性能を充分に活用することにより、数百~1億自由度のモデルを丸ごと解析することが可能になるなど夢のある興味深い内容のご講演でした。
小野様には、「自動車シート開発に於ける試作品の実験評価とデジタルモックアップによるFEAシミュレーション評価に関して」というテーマで、自動車用シートの安全性および快適性に関する様々な解析についてご講演いただきました。ご講演の中では、衝突におけるシートの強度や人体への影響など実際に行われている実験現場を映像でご紹介いただき、臨場感溢れる内容でした。
吉村 昇一 様には、「ヤマハ発動機における二輪車構造解析の現状と今後」というテーマで、設計者へ解析を普及するためのいろいろな工夫や苦労話をお聞かせいただきました。ご講演の中では、解析基準書やローテーション制度など解析普及に向けた具体的なアプローチを実例とともにご紹介いただき、実践ですぐに役立つ内容と好評でした。
デモ会場では、構造解析ソフトのDesignSpace、KSWAD+FEM5、LS-DYNA、3GA、FASTBLANK、DIPRO Nestyや流体解析ソフトのCFdesign、樹脂流動解析のMoldflowなど幅広い解析ソフトをデモでご紹介いたしました。休憩時間を利用した短時間のデモではありましたが、熱心にご覧いただくことができました。
セミナー終了後引き続き懇親会を開催しました。遅い時間にもかかわらず、多数のお客さまに参加いただきました。講演者の方々を中心にご参加頂いた皆様により、打ち解けた雰囲気の中で交流を深めていただき、貴重な情報交換に役立てていただきました。
これからも皆さまからのご要望を反映し、ご期待に沿えるセミナーになるよう誠心誠意取組んで参りますので、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。なお、次回は、11月下旬に名古屋で開催する予定です。ぜひご参加ください。
(詳細は ウエブサイトhttp://www.caeseki.com/ をご参照ください)
デジタルコンテンツサービス部 課長SE 赤堀 克彦
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