産業機械・工作機械・生産設備装置などの設計ユーザ様にご好評を戴いております、機械装置系3次元CAD ICAD/SX Mechancial PROの最新バージョンV5をリリース発表いたしました。
2005年5月末より、モデルユーザ様から順次出荷させて戴きます。
主な特長をご紹介させて戴きます。
現在、様々な3次元CADでレスポンスを向上するために、ライト・ウェイト方式などを採用し高速表示化に取組んでいます。ところが、ライト・ウェイト方式だと、編集のできない表示のみのモードと、実データを扱う編集時のモードを切り替えることを余儀なくされ、結局、組み立て設計時には、大量の実データを呼び出すため、レスポンスが遅くなり、実運用に支障が出ていました。
ICAD/SXでは、「フルタイム・アクティブ・アセンブリ」という概念を採用し、表示モード・編集モードを切り替える必要がなく、常に実データを高速表示し、リアルタイムに編集することが可能です。
今回、このV5では、表示速度が前バージョンの5倍、ミッドレンジ3次元CADの80倍以上という速さを誇り、設計者の思考を妨げない圧倒的な表示性能を実現しております。
従来より、欧米型の3次元CADが特長とし、大量部品の機械装置設計には向かないといわれています「フィーチャーベースパラメトリック方式」のモデリング手法と、履歴を持たないためモデリングはしやすいのですが、後からの定型的な変更に不便だった「ノンフィーチャー方式」とを融合し「ノンフィーチャー型後付パラメトリック設計機能」として強化いたしました。これにより、機械装置の3次元設計で、標準部品や、標準ユニットの作成とその取扱いが格段に効率化できますと同時に、ものづくりの現場のノウハウや、ベテラン設計者の設計手法などを“設計メソドロジー”にして、ICAD/SXへ登録が可能となり、いわゆる“3次元ナレッジ設計”を機械・装置設計でより一層押し進めることができます。
旧バージョンより、ICAD/SXは、機械装置設計で特徴的なトップダウン設計の流れ、全体の構想モデルからユニット、部品へとバラして(階層構造化)、詳細設計へと進む設計の流れも3次元CADで支援できるよう、機能強化してきました。今回のバージョンでは、一般的な3次元CADで行っている1ファイル1部品の管理体系を見直し、ICAD/SXでは1ファイル内での階層構造の作成と管理体系の構築を実現し、ファイルの構成と部品の構成を3次元CADで初めて分離しました。これにより、設計者1人が1ファイルのみを管理分担するだけでよく、ファイルの数が増えすぎて管理しにくいという弊害がなくなります。
また、階層の切り替えをなくし、全ての階層を常にアクティブ状態で操作・編集が可能になり、階層化したモデルの分担、並行チーム設計支援機能の実現、排他制御機能の搭載など、「フルアクティブ・トップダウン設計支援機能」として生まれ変わりました。
製造・組立の現場では図面の活用が主流となっています。大量部品の機械装置ではその図面作成において、部品単体のモデルを図面に単純投影したレベルの連動だけでは、設計変更時に寸法確認や寸法・注記の再作成が発生し、多大な工数がかかります。今回のバージョンでは、一つのモデルが変更された時、そのモデルを変更してできる図面と元の図面との比較・照合をCADが自動で行います。
さらに、変更したモデルが含まれるユニットもCADが自動で検索し、変更箇所の影響範囲を設計者に示したり、設計者に判断を仰ぎながら設計反映が可能になります。
ICAD/SXは、今回のバージョンアップを機に、設計現場において、真に役立つCADとして、また、機械・装置設計の分野でデファクトスタンダートになることを目指して、ステップアップしてまいります。どうか今後ともご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
(ICADビジネス部 主査 清水久行)
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