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DIPROニュース

2006

4月号

2006.04.10

I-deas to NX - Teamcenter Engineeringへの移行

昨年度は多くのお客様のPDM,BOMシステム構築のご支援をさせていただくことができました。今年度はDIPRO MASTER (I-deas)からNXへの移行へ向けたサービスのご提供を開始することが、弊社の重要な取り組みであると考えています。

第二開発部では、I-deasを導入されているお客様のNXへの移行に際し、鍵となるTeamcenter EngineeringをベースとしたCADデータ管理、PDMシステム構築に関して質の高いサービスができるよう取り組んでおります。

今回より数回にわたり、このTeamcenter Engineeringに関する情報を掲載させていただきたいと考えています。お客様の今後のシステム構築検討において、お役に立てれば幸いです。

第一回 TDM to Teamcenter Engineering

図1.データベース概念図

TDMからTeamcenter Engineeringへデータ管理を移行するにあたり、最初に認識しなければならないことは、各々は、まったく生い立ちも異なり、データ管理の考えかたも異なるということです。幾つかの例を挙げてみます。

I-deasをお使いのお客様には馴染みの深いことですが、TDMはプロジェクト、ライブラリという管理単位を持ち、I-deasのParts、Assembly、Drawingは、ライブラリ単位でユニークな名前であれば登録することができます。またTDMではバージョン、リビジョンにより履歴管理を実現しています。システム的な変更履歴はバージョンで表され、リビジョンは人が判断するための版数となっています。リビジョンはシステム的には任意な補足情報になっています。

図2.管理区分概念図

Teamcenter Engineeringでは部品番号, リビジョンがシステムでユニークに一元管理されています。その他にも最大文字数の制限の違い(80文字→32文字)や、TDMでは任意であった部品番号はTeamcenter Engineeringでは必須項目であるといったことがあります。

一方、TDMの管理区分はプロジェクトとライブラリの「2階層の制約」がありましたが、Teamcenter Engineeringでは階層数の制約がなくなるというメリットがあります。

TDMのデータ管理は個々のCADのユーザーにとっては制限が少なく、ある意味自由にデータ登録が可能ですが、その反面、部署間の情報共有の観点、あるいは全社の開発情報を管理する立場から見ると、同一時期に形状の異なる部品の同一名称での登録が許され、そのことから「第三者が参照すべき正しいCADデータの所在が不明確」になり易く、全社的な部品の共用化などを推進する上で問題となることも少なくありませんでした。

具体的なTeamcenter Engineeringへの移行にあたっては、その事前準備として、TDM内でネーミングの問題を解決する必要があります。システム的に変換するツールやサービスのご提供はもとより、お客様の部品番号体系、図面番号体系と「CADデータ管理」の関係を改めて整理し、「多階層のメリット」を最大限に生かした新たな管理体系を創って行くことを含め、お手伝いさせて戴きたいと考えています。

図3.データ管理概念図
データ管理概念図

お客様の製品開発において、部品番号とそれに関連するCADデータは部門間(営業-購買-設計-生産-サービス)で会話するためのキーになっています。これから本格化するNXへの移行が、お客様の製品開発の変革への大きなチャンスとなりますよう全力でご支援させていただく所存ですので、今年度も宜しくお願いいたします。

(第二開発部 課長SE 毛利 敬二)

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