~北京開催(8月31日~9月1日)~
2017年8月31日-9月1日の2日間、DPCでは初のお客様向けセミナーを北京市内の故宮近くのホテルで行いましたので、その概要についてご報告します。本セミナーはDPCのビジネスパートナであるBERG社との共同開催でBERG社が強みとする「モジュール化」とDPCのソリューションである「BOM管理」をテーマに2日間に亘って製造業のイノベーションに向けた交流会形式による専門セミナーとして実施しました。
セミナーには中国各地から著名な製造業の幹部やエンジニアの方を中心に定員を大幅に超える40名のお客様に参加していただき、本テーマへの関心の高さをうかがえることができました。
セミナーの冒頭にDPCの川見昭 董事長兼総経理より主催者を代表してご挨拶をしました。
ご挨拶では、近年の中国における製造業の動向に触れ、製造大国から製造強国に向けての中国製造2025など質的発展への変化やIoTやビッグデータ、AIなどの新たなテクノロジー開発においても中国が世界をリードしている現状の説明がなされました。その中で製造業の根幹となる製品開発プロセスと製品情報の密な連携があってこそ、より効率化や品質の向上につながり競争力の強化にもなっていくものと括りました。
本セミナーのテーマである「モジュール化とBOM管理」を通してイノベーションと企業価値を高めていくように深く考察、議論し、これからの製造業のあるべき姿を追求する一助になればとまとめました。
ご挨拶に続き、1日目(8月31日)のテーマである「モジュール化」についてBERG社の李国廷CEOよりモジュール化とプラットフォーム化についての講演と討議が行われました。講師の李CEOは米国ワールプール社、フランスSIDEL社、中国の青島ハイアール社や宇通バス、日本の日野自動車(トラック)などの企業でモジュール化による業務転換に関するコンサルティング実績がありモジュール化とプラットフォーム化に関して豊富な知識と経験を有されています。
モジュール化については、3つの構成でモジュール化とプラットフォーム化について説明されました。
モジュール化とプラットフォーム化のコンセプトと定義、モジュール化とプラットフォーム化の関係や目的、モジュール化とプラットフォーム化における研究開発、生産、販売など各分野での運用、モジュール化とプラットフォーム化の製品開発プロセスとのリンクなど自動車業界や家電業界など業界別に詳細な説明がなされました。
次にモジュール化の方法論について事例を中心に紹介し、モジュール分割のためのモジュール化方法論であるMFD(Modular Function Deployment)を紹介しました。さらにモジュール化の目的、役割と任務、分け方について説明されました。3Dモジュール化設計の進め方、大規模カストマイズの実現、調達と組立を行うモジュール化製造工場など設計開発から生産、購買など各業務でのモジュール化運用について詳しく説明されました。
最後にモジュールライブラリの構築方法、モジュールのスペック、モジュールのKPI指標、モジュール化の効果算定、モジュール化のコスト評価、モジュール化を実施する企業の組織構造など、モジュール化の運用と管理についても詳しく説明されました。
2日目(9月1日)は「BOM管理」についてDPC技術総監の唐勝海が講師を担当しBOM管理の構築経験を中心に講義と討議を行いました。唐技術総監は奇瑞汽車、長安汽車、東風汽車などでBOM関連のコンサルティングやBOMシステム構築などのプロジェクトを担当するなどBOM管理を主な専門として豊富な経験を有しています。
BOM管理については、4つの構成に分けて展開しました。
BOMの必要性および発展経緯、BOMの概念およびBOMで管理すべき内容を説明しました(基本構造、時間と場所の管理、仕様とオプション、マトリクス式BOMと論理式BOMなど)。また、BOMの分類およびBOMの企画、設計、原価、生産、販売など各業務領域での運用について説明しました。
次にBOM管理における主要課題(部品管理、複数サプライヤー管理、色部品管理、EBOMとMBOMの連携、BOMの精度と可視化、BOMとPDMの関係など)について討議し、その解決方法事例についても詳しく説明しました。
午後からは業務イノベーションに向けたBOMの役割と重要性について説明しました。
デジタル化開発におけるBOM、Industry4.0での大規模カストマイズに対応するためのBOM、目標原価管理とBOM、ソフトBOM管理などを解説しました。
最後にBOMシステム構築の方法論について説明とデモを行いました。
BOM業務企画、BOM形式決定、BOMでの標準化などシステム構築に向けた業務準備やBOM標準、BOMデータ作成、BOMサプライヤー制定方法などについて経験を中心に説明しました。
説明後にはDPCのBOM管理製品である「DPlus/BOM」のデモを行い具体的な操作画面やデータモデルなどをシステム化事例として詳しくご紹介しました。
2日間におけるモジュール化とBOM管理のいずれも講義だけでなく、討議や参加者同士の交流を深めるために重点ポイントごとに活発なテーブルディスカッションも行われました。また、他社の参加者と一緒に自社課題への共有検討なども行われ双方向、全員参加型のセミナーとなりました。
セミナー終了後も今回のテーマに関して参加者同士の情報発信や交流を継続していくために中国でのSNSとして多く利用されています微信(WeChat)上にグループチャットを開設し、ほぼ参加者全員が登録されセミナー終了後も活用されています。
セミナーに参加された方からのアンケート結果(回収率70%)では、回答者全員から本セミナーのテーマやセミナー全体に関して高い評価を得ることができました。更に本セミナーの内容を自社の経営者や技術者にも聞かせたく個別セミナーの実施依頼をいただいたお客様もありました。また、改善点や取り上げてほしい次回テーマなど貴重なご意見もいただき、今後のセミナー企画、運営に活かしたいと考えています。川見董事長からは近い将来には、日中交流の場として中国版デジタル・プロセスセミナーを開催したいとも話されており、今後も実施していきます各種セミナーや展示会などを通して中国でもDIPRO/DPCの付加価値や知名度向上に日々取組んで参ります。
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