2007年9月5日(水)ホテル阪神において富士通PLM実践フォーラム2007が開催されました。
その中で、IHIメタルテック株式会社 機械設計部 百々 泰 様より、弊社のICAD/SX Mechanical PROを導入し、産業機械(プレス機械・圧延機)に3次元設計を適用した取り組みについてご講演をして戴きしました。
以下に、ご講演内容をご紹介いたします。
IHIの産業システム事業部門では、ICAD/SX Mechanical PROを活用した設計負荷の軽減と部門間連携の連携を強化による業務改革をめざしています。ワーキンググループによるトライを経て当初目標である、設計業務量の30%削減の目処が立ってきました。
同社は日本を代表する総合エンジニアリンググループメーカーですが、圧延機や自動車用プレス機などの産業機械分野も重要な事業の一つです。
同社の産業機械は、巨大で複雑な機構を持ち図面の数も膨大で、一品生産であり、毎回製図するに等しい状況です。
まず、導入検討時に、産業システム事業部内に圧延機とプレス機の設計者を中心とするワーキンググループが発足(圧延機部門は、その後IHIメタルテックとして分社独立)しました。
目標は3次元CADによる設計の構造改革でありそのためのツールとしてICAD/SX Mechanical PROを選び、設計の負荷を減らしながらフロントローディングを実現することを追及することにしました。
まず業務分析し、「設計本来の業務とは何か」を突き詰めました。そこから見えてきたのが製図の時間が意外と少ないことです。
「図面を描くことが、設計の仕事のように思われがちですが、ワーキンググループの分析により、製図は設計の一部に過ぎず、設計本来の仕事は、情報収集したうえでアイデアを練り、設計者自身の考えを伝える」ことが最も大切だということを認識しました。
設計本来の仕事である設計者自身の考えを伝えるには、早い段階で3次元CADによるモデルを活用することが重要です。
ICAD/SXはノンフィーチャーベースCADであり、産業機械の設計に必要な部品やユニットを早くアセンブリして、設計者の考えを的確に伝えることができます。それは、アセンブリした時の表示性能が極めて高速なため、全体を見ながら3次元編集できるという優れた特徴によります。
導入後、社内やお客様先でプロジェクターを使用して、3次元モデルで見てもらうと、大変好評でした。
これで、図面を起こす前にモデルによって意見を集約し、完全に固まったあとに、一気に製造図面を作成するという新しい形態ができました。
ICAD/SXの導入と活用は大きな成果を上げていますが、構造改革という大きな目標からみてもいよいよ本番を迎えます。
運用面の不統一による混乱を避けるため、ルールが定まるまでは、ICAD/SXの適用はワーキンググループ内に留めてきましたが、本年4月から、圧延機とプレス機に関係する設計者全員に開放しました。
以前、設計業務を分析した際に、当社ではICAD/SXの活用により、トータルで設計業務の30%が削減できる見通しを立てていましたが、その目標達成が見えてきました。
(ICADビジネス部 課長 清水 久行)
PICK UP