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DIPROニュース

2008

3月号

2008.03.10

ファナック株式会社様のEMO Hannover 2007 出展に協力

5軸加工機能「切削点指令機能」の展示
5軸加工機能「切削点指令機能」の展示

2007年9月17日から9月22日までドイツ・ハノーバー国際見本市会場にてEMO Hannover 2007(欧州国際工作機械展)が開催されました。

EMOショーはJIMTOF、シカゴショーと並び世界の代表的な工作機械やCAD/CAMが数多く展示される大規模は工作機械展です。弊社が業務協調させていただいているファナック株式会社様も、次世代CNCシリーズ、サーボモータ、産業用知能ロボット、そして工作機械(ロボドリル、ロボカット)などを展示されました。

前回に引き続き、日本でも適用が進んでいる5軸加工において、ファナック様の新機能、「切削点指令」という高度な技術をアピールするため、弊社のCAD/CAM技術を駆使してCADデータ作成からNCプログラム作成までご協力させていただきました。この加工サンプルはファナック様のロボドリルの横に展示され、ご来場の方々に紹介されました。

切削点指令

切削点指令による加工サンプル
切削点指令による加工サンプル

切削点指令

「切削点指令」とは、実切削位置にて作成されたNCプログラムにより工作機械を制御する機能です。工具形状(工具長、工具径、コーナR)を数値にて設定するため、実切削位置にてNCプログラムを作成することにより、容易に同時5軸加工での3次元径補正が実現でき、さらにCAMで設定した工具と全く異なる工具を実際の加工にて使用しても、同一の形状を加工することが可能となります。

この機能を確認するために、単純な同時5軸加工により機能検証を実施するのではなく、お客様にてご使用される実形状に近くかつ一目でその効果が確認可能な形状とすることとしました。この結果、航空機に代表されるブレード形状を極端にひねった形状としました。また、翼部では同時5軸加工用、台座部を同時4軸加工用のNCプログラムをそれぞれ作成し、お客様が実際にご使用される状況を想定し本機能の実用性を確認しています。

NX/CAM同時5軸加工機能

NX/CAMでは「切削点指令」に準拠したCL作成が可能です。さらに工具姿勢の決定方法が多種多様に用意されているため、同時5軸工作機の特性を生かしたNCプログラムが作成できます。本加工サンプルでは翼部位と台座部位について、工具姿勢を次の様に決定しています。

翼部位(同時5軸加工)

翼部位(同時5軸加工)
進行方向の前後方向に対する傾斜角を常時+30度、左右方向に対する傾斜角を+45度に設定

台座部位(同時4軸加工)

台座部位(同時4軸加工)
進行方向の左右方向に対する傾斜角を+60度に設定

なお翼部位について、より工具を滑らかに動作させるため、工具姿勢を決定する補助面を作成しました。この結果、同時5軸加工におけるブレード加工の注視点である「周りこみ」部位について、工具の動作を安定させ、精度の良い仕上げ面を得ることを可能としています。

ポストプロセッサー

NX/CAMではポストプロセッサーの自由度が大きいという特徴があります。この特徴は、お客様毎に異なるポストプロセッサーを提供可能にさせ、お客様独自のマクロやCNCに新しく追加されたG/Mコードにも迅速な対応を可能とします。5軸加工オペレーションにて「接触データ出力機能」が設定された場合、切削点指令に必要となるあらゆる情報をNCプログラムに反映することが可能です。

割出4/5軸加工や同時4/5軸加工はCNC技術、工作機械そしてCAD/CAMの進歩により、昨今ではさらに身近となってきました。既に5軸工作機をご導入されているお客様も数多くいらっしゃることと存じます。5軸工作機械を使い切るために、最新のCNCとCAD/CAMを含めた5軸加工技術をご実感いただければ幸いです。

最後に、写真をご提供いただきましたファナック様に、この場をお借りして御礼申し上げます。

(第一開発部 課長SE 鈴木 貢)

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