Solid Edge は電気・機械業界のお客様を中心に基幹CAD としてご利用いただいている機械設計用ミッドレンジCAD です。本年2月末より最新バージョンST3の出荷を開始いたしましたので、ご紹介させていただきます。

1996年に販売を開始して以来、積極的なバージョンアップにより機能の拡大を行ってきました。2008年に従来のフィーチャ履歴操作の機能（ヒストリ）に加え、形状を直接操作する機能（ノンヒストリ）を統合した技術であるシンクロナステクノロジを導入し、大幅な機能拡張を行いました。

このシンクロナステクノロジ採用から3バージョン目となる最新バージョンST3は、機能や操作性向上を期待されている既存のお客様だけでなく、データ交換や解析などを手軽に低コストで実現したいと思われているお客様にとってもより最適なソリューションとなっています。以下にST3の特長をご紹介いたします。

CAD操作性の向上

最新のミッドレンジCADの動向として、操作性向上のためマイクロソフトオフィス2007のユーザインターフェースを採用しています。しかし、オフィス製品と操作互換性を保持するあまり、CAD独自の操作性に物足りなさを感じることがある、といったご意見をうかがいます。

ST3ではオフィス2007ユーザインターフェースに、従来ご好評をいただいている、状況に応じて必要な操作を表示し操作を支援するリボンバーという機能を統合し、CAD独自の操作性の改善を図っています。

また、マウス右クリックのメニューを階層的に分類登録できるラディアルメニューやメニューの完全カスタマイズに対応し、お客様の用途に応じた効率的なご利用が可能になっています。

データ交換への活用

シンクロナステクノロジは従来のノンヒストリ機能やダイレクト編集機能を大幅に向上させたもので、外部から取り込んだデータをそのCADで作成したのと同様、直感的かつ効率的に編集できる機能です。

また、Solid EdgeにはパラソリッドやSTEP、IGESなどの中間フォーマットの入出力だけでなく、最近注目されているJTの入出力、SolidWorks、Pro/Eなど他CADデータの直接読み込みに対応し、幅広いデータ形式を標準で取り扱う機能が備わっています。そのため、お客様がやりとりされる様々なデータを閲覧したり、修正したり、あるいは必要な中間形式に変更して出力したりと各種操作を効率的に行うことができます。

Solid Edgeのデータの流通に関しても、専用ビューワが無償で準備されているだけでなく、2次元の図面機能も無償ソフトとして提供されています。まだまだ2次元図面を利用されているお客様は多くいらっしゃると思いますが、コストをかけずにデータ流通が図れる環境を揃えております。

シンクロナスによるデータの修正

解析への活用

前バージョンST2から解析オプションSolid Edge Simulationのご提供を開始しました。この製品は技術的には開発元シーメンスのNX NastranとFEMAPの技術を取り入れたもので、高い信頼性と実績を持っています。操作的にはSolid Edgeに完全統合されています。

今回のST3で解析としては2バージョン目となり、拘束条件の種類や解析結果の表示方法も増加し機能的にも充実しました。Solid Edgeを既にお持ちのお客様にはもちろん、解析というと本格的なものは高価で操作も難しい、かと言って安価な製品では信頼性に不安が、と今まで解析の導入についてお悩みのお客様にも手軽に使えるという点でお勧めできるものです。

さて、ST3の出荷開始にあたり1月から2月にかけて東京・大阪・名古屋で新機能のご紹介セミナーを実施させていただきました。
今回のセミナーではお客様ご自身に端末で操作を行っていただき新機能を体験いただけるような形式として取り組ませていただきました。

参加いただきましたお客様からは、操作性の向上など新機能に関して高い評価をいただき、ST3へのバージョンアップを決定いただいたお客様もいらっしゃいました。また、少人数で実施させていただいた事から、多くのお客様の声をお伺いする大変貴重な機会となりました。参加いただきましたお客様にはこの場をお借りしてお礼申し上げます。

今回ご参加いただけなかったお客様にも引き続きSolid Edgeを体験できる機会をご提供してまいります。ぜひ最新バージョンをお試しの上、新機能のメリットをご確認ください。

（第一エンジニアリングサービス部 課長SE 宮沢 勇人）