機械装置向け3次元CAD「Fujitsu Manufacturing Industry Solution iCAD SX」の最新バージョン「iCAD SX V7L3」を2013年10月2日にリリースいたしました。新バージョンの概要と特長をご紹介させていただきます。
機械装置業界では、新興国企業の技術力が向上し、市場競争が非常に厳しい状況となっています。市場競争に打ち勝つために多くの企業では、競合他社よりも優れた製品を短期間に開発し、市場投入しなければいけません。設計者は、高性能な機械を短期間で作り出すことを求められ、今まで以上に設計検討にかける時間を確保する必要があります。
こうした課題に対応するため、本製品ではモデルや図面作成作業を効率化できる機能と新たに機械・電気情報の連携機能を開発しました。これらの技術開発により、設計工数を従来から約80%削減することができます(図1)。設計者は設計検討に専念することができるため、開発期間の短縮と品質向上を実現し、早期に市場へ新製品を投入することができます。
(1)鋼材設計に特化した新機能
構想段階から装置内の部品形状と鋼材レイアウトを同時に検討できるよう、鋼材配置と接合部の処理が素早く行える新機能を開発しました。これにより設計者のアイデアを素早く具現化することが可能となります。この技術と従来からの超軽量化技術を活かすことで、設備全体を確認しながら無駄なスペースを詰めることができるため、設備の小型化を図ることができます。
(2)図面作成機能の強化
大規模な装置になるほど、図面を作成する時間が膨大となり、設計時間を圧迫することになります。従来の寸法表記機能を強化し、溶接構造物にも対応しました。また、モデル形状から製造作業者が見やすい図面の向きに自動で変更する機能を開発しました。これらの機能により、図面化処理後の追記や修正作業が減り、出図納期の短縮を図ることができます。
機械設計と電気設計は検討内容を確認しながら設計を進めています。情報伝達する手段は紙や口頭で行っているため、情報不足により実機不具合が発生するといった課題がありました。この課題を解決するために、3次元モデルと回路シンボルとの連携を実現しました。設計途中の3次元電装モデルから回路シンボルを抽出し、シンボルをそのまま回路設計で活用できます。さらに、回路図内のシンボルから3次元モデルを抽出し、電装部品のレイアウト検討を3次元上で同時に行えます。
機械・電気・制御連携の実現により、情報不足や認識違いを防げるため、設計部門が起因となる不具合を削減することができます。設計全体の効率化を図り、開発期間の短縮と品質向上を実現します。
この他にも多数の新機能開発や機能強化を図り、今まで以上に設計者を支援する道具を実現しております。iCAD V7L3に関するご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
(iCAD株式会社 後藤 裕樹)
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