最近の中国ではGDP成長率の低下や経済の鈍化が懸念されており、これまでの勢いは減速している状況にあります。さらに人件費や物価の上昇、円安などによって日本の対中投資も減少してきています。
このように益々厳しいビジネス環境となってきています迪普勒(北京)信息技术有限公司(以下、DPC)もこの夏で設立3年目を迎えており、これからは真価が問われる時期にもあります。DPCは設立以来、「現地化と自立化」を基調方針として事業を展開していますが、3年目となる今年は企業としての付加価値を具体的に創出していくことが、成長と生き残るために重要と考え、幾つかの活動に取組んでいます。ここでは、その活動の一つでもあり、中国市場の変化に対応していくための新たなビジネスモデルとしての「統合BOMソリューション」の商品化に向けた取組みについてご紹介します。
この統合BOMソリューションはDIPRO/DPCで10年近くにわたり中国のお客様や市場で培ってきたBOMビジネスの経験やノウハウを集大成し中国市場に適したBOMソリューションをシステムとサービスの両面で商品化し、ご提供するものです。また、将来は中国国内だけでなく日本をはじめ世界にも通用するグローバルなソリューションを目指したいと考えています。
尚、本ソリューションは現在、開発、商品化中ですので変更が生じる場合もありますので、ご承知おきのほど、お願いいたします。また、詳しい内容、提供時期、価格などは改めてご報告させていただく予定です。
中国の自動車市場は、WTOに加盟した10年間に年率20%で市場成長を続け、2009年にはアメリカを追い抜き、その後6年間連続で世界最大規模の市場となりました。(図1)
急成長の中で民族系自動車メーカは、設計~生産~サービスまでの管理基盤が十分に完備されないまま急激な生産規模の拡大を図ってきました。2011年から5~10%の成長率で安定期に入る中、各民族系自動車メーカは、管理標準や業務フローの見直し、整理などBPR(ビジネス・プロセス改革)に取組んだことでITによるシステム構築に対して大きなニーズが生まれました。
特に製品データ管理の基盤となるBOMシステムが無かったため人手による管理が多くなり、生産台数や車種の増加に伴い、生産、サービスなどの下流業務で様々な問題が発生しました。このため業務改善要求が高まりBOMシステムの検討、構築が進められるようになりました。
我々DIPRO/DPCもこれらの要求が大きなビジネスチャンスと捉え、日本での構築、経験などを活かし、 現場に密着したビジネスを展開することで微力ながら中国自動車業界の発展に貢献出来ればと考えています。
中国でビジネスを展開する中の重要な要素のひとつとして「実物を見ていただき、事前検証される」ことが必要ですが、最近までは日本での経験や実績だけを頼りにビジネスを進めていたため、なかなか特徴や優位性などを理解していただけなく、検討プロセスに多くの時間を要してきています。また、構築フェーズにおいても当然ながら一からスクラッチで開発、構築するため稼働までの時間とお客様の投資コストが膨らんでしまい競争力も低下します。大手の民族系自動車会社様では開始から稼働まで3年以上の期間を要しました。このやり方では変化の激しい中国では相応しくなく、お客様のみならず、受託する我々も様々なリスクを背負うことにもなります。
これらの課題、リスクへの対応や的確なソリューションをお客様に早くご提供するためのビジネスモデルに変革すべく本年より統合BOMソリューションの開発、商品化を進めることにしました。
など
本ソリューションは自動車を中心とする量産組立メーカを対象にしています。
BOM(部品表)は、自動車の企画/開発/設計から購買、生産準備・調達、生産、販売・物流、アフターサービスまでの全ての業務に欠かせない部品の名称、材質、コスト、サプライヤなどの情報が記載され、各部品の設計仕様やCADデータとも関連付けられています。全ての部品情報を半永久的に維持、管理することから自動車メーカの基幹システムと言えます。(図2)
ご提供する統合BOMソリューションは、商品企画/開発からサービスまでの各業務/業務システムが必要とする部品番号、部品構成、変更情報を管理して業務システムと連携しながら各業務活動を支援します。
ベースとなるBOMシステムは、開発コードをStarLine(星线)と命名して開発しており、お客様の各業務を星座に例え、データ共有、連携することで、光輝いていきたいとの強い思いがあります。
システムの主な特徴としては、以下となります。
など
このBOMシステムをベースとしてお客様ごとの運用や管理体系に併せて必要最低限のカストマイズを行うことでシステム構築期間や投資コストの大幅な短縮が実現できるものと確信しています。
また、本システムを効率的に構築、運用していくための各種サービスも体系化、ドキュメント化を図り併せてご提供できるように準備しています。
本BOMシステムはJ2EEアーキテクチャ、クライアントはAJAXを採用します。IE8+、Chrome、Operaなどの主流ブラウザにも対応します。アプリケーション・サーバはWindows、Linux、Unixサーバに対応し、ミドルウェアはWebLogic、Jboss、Tomcatを採用、データベースはOracleを採用するため会社や利用規模によりインフラについても柔軟な選択が可能となります。
システムの主な機能としては、EBOM(設計)MBOM(生産)/SBOM(販売、サービス)があり、企画、設計、生産技術、生産管理、サービスなど、大半の業務をカバーします。(図3)
DPCでは、BOMシステムのご提供だけでなく次の3つのサービスを準備、ご提供し、効率的なシステム構築と運用を実現出来るようにします。
これは、DIPROの基本方針である「結果責任」を継承するものであり本ソリューションの基本的理念でもあります。また当面、コンサルティングについては、DIPRO日本人専門家の協力も得ながら、DPC現地中方メンバーの要員強化を図り、現地化をより加速させながら「結果責任」を実践していきます。そのためにシステム企画の初期段階でお客様との摺合せの精度向上や稼働後の維持、改善など日本での経験を活かしたV字型のサービスをご提供することでBOM導入効果をより高め、結果としてお客様の満足度向上、経営に寄与出来ればと考えています。
現段階では、大きく2つのステップに分けて段階的にリリースする予定です。
以下のメールアドレスにご連絡をお願いいたします。
また、随時DPCのWEBサイトでも詳細情報を掲載していく予定です。
Mail :markting@dipro.com.cn
WEB :迪普勒(北京)信息技术有限公司(DPC)サイト (中国語)
統合BOMソリューションにつきましては、少しでも早くご評価いただけるように現在、全力で商品化を進めております。さらにBOM以外にも市場、お客様視点で価値の高い商品、サービスを今後も中国から創出し、お客様や各種業界、中国社会の発展に少しでも貢献し、その結果としてDPCの付加価値の向上、DIPROグループ全体の発展に結びつくように取組んで参ります。
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