MENU

DIPROニュース

2022

11月号

2022.11.10

なぜ今、開発データ管理が求められているのか?

はじめに

開発データとは製品開発時に発生する多種・多様なデータのことです。昨今の電動化や知能化の推進により、システムの複雑化が進行し、管理するソフトウエアの数やバリエーションはますます増大しています。また、MBDなどデジタル開発の導入に伴い、莫大な計算モデルや計算結果を管理する必要が生じます。

企業にとってデータは重要な経営資源です。データ管理を怠ったり、重要なデータを紛失したりしてしまえば、事業の継続、企業経営そのものが破綻する危険性もあります。データを経営資源として活用することで、再利用などの生産性の向上にもつなげることができます。

開発データを管理することは、企業経営においてますます重要になってきています。

開発時に作成されるデータの例

概要

開発データの複雑化、および種類が増え続ける状況の中で、よくある課題と開発品質向上や業務効率向上を実現するためのDIPROの解決事例をご紹介します。

開発業務でのデータ管理課題(このような経験はございませんか?)

データが膨大になり必要なデータを見つけられず、再利用が進まない

最新の速度制御の仕様書はどれ?
※クリックすると拡大します

データの量が膨大になり、必要なデータをすぐに見つけ出すことが難しいと感じた経験はありませんか。製品開発においてはほぼ毎日データを探す時間があるといった統計もあるようで、無駄な時間を費やしている現場も多いと聞きます。例えばソフトウエアでは部品化されている資源があるにもかかわらず、毎回プログラムを書いている。今後ソフトウエアは高度化され、生産性への要求も高まってきますので、ハードウエアのように部品化されたソフトウエアの再利用を行うための環境づくりが重要となります。

設計変更時に製品品質や業務効率に影響がでてしまう

変更管理ができていない。フォルダに同じようなファイルが複数ある。速度制御仕様書_Aの7/4の仕様変更理由は?
※クリックすると拡大します

開発プロジェクトにおいて設計仕様を途中で変更することはよくあります。保守運用に入る段階になって初めて問題が顕在化することも多々あり、製品品質に影響を与えてしまうこともあります。参照したドキュメントが最新ではなく、結果的に間違った対応をしてしまうことも少なくないでしょう。また、ファイルサーバでの管理では、ファイルの内容を容易に変更・削除できてしまいます。ファイルサーバが似たファイルであふれかえってしまい、多人数での作業では上書きしてしまうリスクもあります。

不具合発生時にデータ間の関係性がわからないため、影響範囲探しに工数を費やす

仕様A003に不具合が発生したが他にどのドキュメントやソースに影響がある?仕様書は見つかったがリンクが切れていてダウンロードができない。
※クリックすると拡大します

例えばある機能におけるソースコードに不具合が生じた場合には、他の製品に影響があるかを速やかに特定する必要があります。ソースコードが複雑なバージョン構成であったり、派生や流用といった形で再利用された場合などにおいては、もれなくすべてを抽出することが大変困難となり多大な時間を要するとともに、評価の信頼性が損なわれたり、製品としての品質に影響することもあります。

DIPROのご支援内容

私たちは、お客様にあった最適解を探すために業務分析から始めます。お客様特有の業務プロセスやソフトウエアを始めとする開発成果物の運用状況を把握して、改善すべき課題やご要望をリストアップします。お客様が感じている課題やご要望はもちろん、改善すべき課題に隠れた「潜在的な要望の見落とし」や「使い勝手の考慮不足」などを提案してシステム開発へつなげます。

DIPROでは、モノづくり経験者がユーザーの立場で業務要件やプロセス・仕組みなどを考えるので、ユーザーの手間が増える管理手続きを抑え、利便性を考慮したモノづくりの品質向上 / 効率向上のための提案を行うことができます。お客様のご予算に合わせたシステムのご提案を行います。

課題のシステム化のメリット

データをマスター化して業務効率化を図る

※クリックすると拡大します

ファイルサーバでは難しかったデータの結びつきを明確にすることで、スムーズに必要データを探し出せるため、業務効率を上げることができます。また、データの完全性を担保し、流用などの再利用時にデータの素性を把握することで製品品質の向上にもつなげることができます。

変更履歴を管理して品質向上を図る

※クリックすると拡大します

変更を行う過程では、さまざまな人が関わります。これらの作業をシステム化することで「だれが」「いつ」「どのような変更」を行ったのかを残すことが出来るとともに、変更の内容について周知することや、誤って上書きするリスクも排除した、組織的な業務運用を行うことができます。

トラブル発生時の原因特定、データ変更後の影響把握を容易にする

※クリックすると拡大します

保守を行う際にデータ内容や関係性を特定しやすくなります。加えた変更の影響や影響範囲が特定しやすくなり、作業時間を短縮することができるとともに、製品品質への信頼性の向上にもつながります。また、開発データは常に成長していくものです。開発フェーズごとにベースラインを設定することで設定前後の影響変更を把握しやすくすることができます。影響する範囲を絞ることが可能となり業務効率が向上します。

まとめ

今回ご紹介した内容は私たちが実施している開発データ管理の「電子情報管理システム構築サービス」の一例です。本件を担当するDIPROデベロップメントエンジニアリングサービス部は、自動車メーカーの出身者も多く、自動車業界関連のメーカーやサプライヤのサポート経験も豊富です。これらの自動車関連システム開発の経験を活かして、自動車業界をはじめその他業界についても開発プロセスへ対応した業務改善やシステム提案、お客様の使い方に合わせたカスタマイズを含めた電子情報管理システム構築サービスをご提供します。開発品質向上や、業務効率向上でお悩みの際には、ぜひ一度ご相談ください。

電子情報管理システム構築サービス の詳細はこちら

お問い合わせ先

製品・サービスに関するお問い合わせ
(デベロップメントエンジニアリングサービス部 課長SE 松永)

TOP