毎回好評をいただいておりますCOLMINA デジタル生産準備 VPS(以下 VPS)の事例セミナー(Webセミナー)を10月28日(木)に開催いたしました。
本セミナーでは、日本光電工業株式会社様、ヤマハ発動機株式会社様、村田機械株式会社様、日本特殊陶業株式会社様の4社様よりご講演いただきました。VPS MFG、VPS GP4のほか、制御プログラム検証を行うVPS IOC、VRで製品や生産現場の検証を行うXphereの事例も含めたVPS製品全体を網羅する多彩な事例となり、500名を超えるお客様にご参加をいただきました。
2020年春、日本光電工業株式会社様は、政府からの緊急要請を受け、海外グループ会社で開発・生産して間もない人工呼吸器を3か月という短期間で国内工場において生産を立ち上げられました。
社会への使命感から、何としても完遂するという覚悟を社員の皆様が持ち、情報を正確にロスなく共有することで、やるべきことを凝縮して実施する、という施策をもってあたられました。この情報共有に3Dデータを利用し、そのツールとしてVPS MFG、VPS GP4を駆使されました。
ご講演ではまず、VPS MFGを利用して、情報の一元管理から国内工場のオリジナル手順書の確立を実現されたお話を伺いました。
VPS MFGで組立手順や注意事項、内部構造を把握しやすくし、これにより製造現場との円滑な生産性レビュー、より生産性の高い組み方、不良の洗い出し、治具改善などにつなげられました。レビュー情報をVPS MFGで管理し、それをベースに国内用オリジナル手順書を確立するとともに、現場の作業動画ファイルをアニメーション内に取り込み、ノウハウの伝承にも取り組まれました。
VPS GP4の活用においては、デジタルデータで検討することで、製造現場と一緒に最適な生産工程を実現した事例をお話いただきました。
ライン、工場を可視化することで必要な生産エリアや確実な工事計画を提案すること、BIツールも駆使して滞留の少ないラインの検討や日程計画検討等に取り組まれました。また、試作ライン検討の際には、必要な設備情報をVPS GP4を活用し現場に提供することで、試作開始を前倒しできたこと、従来1週間かかっていた部品の配膳レイアウト検討を半日に大幅時間短縮した事例をお話いただきました。
関係者の皆様の熱意と覚悟と団結が実を結んだプロジェクトであり、また、デジタルデータをフル活用いただいたことがプロジェクト完遂の要因の一つになったことは、大変印象深いお話でした。
参加されたお客様からは、「大きなプロジェクトを短い時間で完璧にやり遂げるプロフェッショナルな精神に感服しました」「VPS MFG、VPS GP4を使いこなし、生産立上げの際に大きな成果を挙げたいという気持ちが強くなりました」等の感想をいただきました。
ヤマハ発動機株式会社様では、工場や倉庫をはじめとした現場における開発設計工程で作られる3Dデータを活用する方法として、VPS GP4による現場改善を推進しています。ご講演では、生産現場を持たない技術コーポレート部門でのVPS GP4社内推進体制や取り組みをご紹介いただきました。
具体的には、組立ラインでの台車の仕様や試作前の作業成立性の検証にてVPS GP4を適用しサイクルタイム約5%削減、物流倉庫内の作業動作改善検証にてフォークリフト3台削減、工場での生産計画作成にPES機能を活用し従来よりも短時間での計画作成といった事例をご紹介いただいています。
また、今後の展開としてVPS MFGの取り組み事例もお話しいただきました。
聴講されたお客様からは「組立ラインだけではなく物流倉庫の中に関してシミュレーションし、改善を行っていることがとても参考になった」、「組立、倉庫、生産計画への活用と幅広く取り組まれており大変参考になります」といった感想をいただきました。
また、VPS GP4活用の体制に関しても、「現場ではなく技術コーポレート部門での活動には驚きました。」、「デジタル開発部という部門があるのが先進的であると感じた」というお声をいただいております。
村田機械株式会社様では、新規事業創出につながる装置開発や要素技術確立のための試験装置開発等、多岐に渡る装置開発をされております。短期間でスムースな装置立ち上げが求められている中で、2018年後半に自動車業界で取り組まれているMBD(モデルベース開発)を活用したサイマルテニアスエンジニアリングと出会い、その中でMBDのツールの一つとしてVPS IOCを導入いただき、自社で抱えている課題を解決できる手段の一つとして取り組まれています。
ご講演では、研究開発本部 技術開発センターの五由出将嗣様より、VPS IOCを活用しての構想設計段階でのタイミングチャート機能による動作の事前決定、お客様との動作認識合わせなど、MBDを活用した設計者負荷の平準化の取り組みをお話しいただきました。
また、ソフト検証においてIOC仮想メカを実機PLCと接続し、実機の操作パネルから仮想メカの動作を確認しながらソフトデバッグ作業の時間短縮を行うなどの事例をご紹介いただきました。
聴講されたお客様からは、「設計段階から関連部門と3Dデータを使用してレビューを繰り返して手戻りをなくし、時間短縮ができたことが参考になりました」、「ものを壊すことなく、実際の操作盤からVPS上で仮想メカを動かせることに感嘆しました」といった感想をいただきました。
今回、専門性の高いVPS IOCの活用事例をリアルにかみ砕いて紹介いただき、現在、VPS IOCを活用されているお客様、導入検討をしているお客様から、多数の「参考になりました」とのお声をいただいています。
日本特殊陶業株式会社様では、2021年3月にXphereを導入いただき、業務適用後間もない中、VR活用事例についてご講演いただきました。生産技術カンパニー 生技開発部では、設備の設計段階において関連部署の理解を深めることで、設備の完成度の向上と完成後の手戻りを削減する目的でVR活用を推進されています。
ご講演では、①VR(Xphere)の導入背景と活用事例、②VPS MFGおよびVPS GP4との連携活用の2つの具体例をお話しいただきました。
①については、社外取引先が設計した設備をVRにて検証し、その場で取引先とWeb会議を繋ぐことで、即座にCADへ反映し設計変更を行っている事例を紹介いただきました。また、初期設計段階に、関連部署間で作業のしやすさや安全性についてVR空間上で協議する中で、実際に見つかった指摘事項を具体的に挙げていただきました。これらは本来製作後に発生していた問題でしたが、設計段階で抽出することができ、手戻り削減に繋げられました。
これまでの活動を通して、VRを活用することによって、設備の品質向上と、従来に比べ約2か月のリードタイム短縮が見込めるのではないかという効果の想定をお話しいただきました。
②については、VPS MFGやVPS GP4のデータを利用して、Xphereを組付け作業前の設備構造や組付け順を理解する教育に活用していること、設備レイアウトや作業姿勢、部品の配置、内部構造をリアルな感覚で理解できるように活用していることなどをご紹介いただきました。
聴講されたお客様からは「導入8か月で既にこの活用、素晴らしい」、「VR機材をキット化されるなど、使いやすい環境づくりを含めて工夫・努力されている点が大変参考になりました」といった驚きの感想が多くありました。
Xphereを導入しているお客様からも、異なった視点での活用や工夫を参考にされている方も多くいらっしゃいました。
Webセミナーとして第3回目となる本セミナーも、出席者の皆様にチャットやツールの挙手機能を使ってご参加いただき、ご講演者様との間で質疑応答が積極的に交わされ、大変活発で意義深い事例セミナーとなりました。
お忙しい業務の中、講演の準備を行っていただいたご講演者の皆様に改めて御礼を申し上げますと共に、ご参加いただいたお客様にもお礼を申し上げます。
皆様からいただきました、セミナーへのご意見、ご要望を活かしながら、新しい社会様式の中でのセミナーや情報発信を今後も検討、実施して参ります。
配信風景
COLMINA デジタル生産準備 VPS MFG、VPS IOC の詳細はこちら
COLMINA デジタル生産準備 VPS GP4 の詳細はこちら
DIPRO Xphere の詳細はこちら
DIGITAL PROCESS SHOWROOM VPS 閲覧お申し込み(富士通サイト)
PICK UP