はじめに

昨今、特に産業機械関連のお客様から”原価低減”や”納期短縮”を図るために「業務プロセス間のトレーサビリティを確保したい」というご相談をいただきます。この背景には、EBOMとPDMデータが非同期のため社内資産の適切な共有ができず、非効率な設計業務が数多く発生していることが理由として挙げられます。

今後の市場競争力に貢献するArasベースのEBOM / PDMソリューションとして、iCADコネクターとEBOM / PDM統合管理が実現する”原価低減”と”納期短縮”へのアプローチをご紹介します。

業務適用の全体イメージ

本ソリューションは、以下①②の構成となります。

①iCADコネクター（マスターデータ共用化）

• 作成したiCADファイルは、ArasのPDMに高速アップロードでマスタ管理
• PDMに登録されたiCADファイルは、検索、高速ダウンロード、高速データロードで共用

②EBOM / PDM統合管理

• EBOMデータは、ArasのPDMに登録された構成情報、属性情報からEBOM連携機能で生成

業務適用①：iCADコネクター

マスターデータ共用化 1（アップロード）

作成したiCADファイルは、iCADコネクターのチェックイン画面からArasのPDMに高速アップロードすることができます。

チェックイン対象の直観的な把握から、属性情報の入力ミスや更新データのチェックイン漏れ等の見落とし防止が可能となり、マスターデータの確立（あるべき最新状態）がEBOM / PDMの整合性を保証していきます。

マスターデータ共用化 2（検索）

Arasに登録されているPDMデータは、iCADコネクターの検索画面から検索できます。

PDMデータのステータス情報から各業務シーンに適した検索が可能です。また、特定の担当者のみが更新権を持つ実業務に則したアクセス制御も標準装備としてご利用いただけます。

マスターデータ共用化 3（ダウンロード）

PDMに登録されたiCADファイルは、iCADコネクターのダウンロード画面からダウンロード / データロードができます。構成管理、排他制御などのPDM機能をベースにiCADファイルの適切な共用が可能です。

また、Viewerなしで高速にCAD形状を確認できます。これは、iCAD SXの軽量化技術とDIPRO独自の高速ダウンロード技術の融合から実現しています。

業務適用②：EBOM / PDM統合管理

EBOM、PDM間のトレーサビリティの強化

EBOM / PDM統合管理は、EBOMで最適な流用データの検索からCADの流用設計を行うケースにおいて、大きな効果を発揮します。

下図のとおり、iCADコネクターがPDMマスターデータを確立し、EBOM連携機能がEBOM / PDMデータの繋がりと一貫性を担保することにより、各設計情報を踏まえた流用判断を可能にします。

このように、iCAD構成、CAD属性情報を基点にPDM、EBOMへと繋げていくことが、新化したEBOM / PDMを創り上げていき、既存資産の流用促進による”原価低減”と”納期短縮”を図ることができます。

おわりに

弊社は、下図のEBOMテンプレートと呼んでいる、製品ユニット仕様からEBOMへと繋げるソリューションもご提供しております。今回ご紹介した、iCADコネクター導入からEBOM / PDM統合管理へと繋げるPDMテンプレートとのセット導入も申し受けております。これら2つのソリューションが、更なるトレーサビリティの強化から“原価低減”、”納期短縮”に貢献いたします。

これまでの業務で培ったノウハウとAras、iCADの豊富な製品知識により、DIPROならではの様々な工夫を盛り込んでいます。ご用命の際は、お客様の期待に応えられるよう努めてまいりますので、お困り事などございましたら是非一度ご相談ください。

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