NXは常に業界最先端のモデリング機能を提供するために開発を継続しています。
NX1899では特に設計における機能性と効率の改善に焦点があてられ、いくつかの新しいコアモデリングコマンド機能が実装されました。今回はそれらの中で「設計グループ」、「エンベロープと干渉」、「点群からのメッシュ」機能についてご紹介します。
フィーチャ数が多い大規模モデルの編集では、一部を編集すると他のフィーチャも全て更新されてしまい、編集に時間がかかる場合があります。NX1899では、このような問題を無くし、大規模モデルでの作業レスポンスを向上させるために「設計グループ」が追加されました。
「設計グループ」は大規模モデルを局所的に変更し、複雑な変更を簡単に行うことができる機能です。「設計グループ」を使うと、「現在のフィーチャにする」機能はアクティブな設計グループ内のフィーチャのみをロールバックするようになります。後工程の設計グループ内のフィーチャがロールバックされたり更新されたりすることがないため、プロセスが高速化され、パフォーマンスが向上します。
今までのNXでは可動部品の動きの検証をするためには、可動部品がどのような空間を動くか、動く範囲に干渉するものはないかを確認するために試行錯誤をする必要があり、多くの時間を費やしていました。お客様からも製品の可動部分を一塊のボリュームとして可視化したいというご要望を伺っていました。NX1899ではこの問題を解決するために、可動部が占める部分をボリュームにすることによって視覚的に確認できる「エンベロープ」機能が追加されました。
「エンベロープ」コマンドでは、可動部品を動かした際のボリュームを生成できます。このボリュームを表示して、動く範囲を視覚的に把握することができます。このように移動の軌跡が見える化できるので、繰り返し検証せずに、設計プロセスの初期段階から動きの検証を行うことが可能になります。複数のエンベロープを作成したり、干渉チェックに使用したりすることも可能なので、より良いデザインをより早く創造できます。
エンベロープ機能により、今までより少ない時間でより多くのコンセプトをテストすることができるため、設計検討の迅速化を図れます。
従来のNXでも2次元に整列された規則正しい点群から面を作成することはできましたが、3Dスキャナで読込んだような点群からの面の作成には対応していませんでした。NX1899では3Dスキャナで読込んだ不規則な点群から面を作成する機能が追加されました。NXにはリバースエンジニアリング機能やコンバージェントモデリングといった、メッシュ化された後の形状を処理する機能が実装されていますが、点群からのメッシュ化をNXの中で実行したいという要望もいただいていました。
この新しい機能である「点群からのメッシュ」コマンドでは、点群から直接コンバージボディのメッシュを作成できます。これにより不規則な点群データから面にすることができ、モデリング上で容易に活用することが可能になりました。
コンバージボディとは、NXで拡張されているファセットデータ形式であり、この形式でNXに取込むことにより、通常のモデリング、アセンブリ機能を使って直接CADデータに対して和や差等の演算を行うことができます。メッシュデータは通常加工することが難しいのですが、コンバージボディはデータの軽さを生かしつつ、今までのモデリングと同様に扱える特徴を持っています。
点群データを読込む場合、以下のファイル形式をサポートしています。
また、メッシュモードを選択して、コンバージボディを以下の内容で指定することができます。
NX1899はNXの新たなリリース方法「NX Continuous Relase」において弊社からの最新出荷バージョンです。製品の最新情報やよくあるお問い合わせ(FAQ)は昨年リニューアルした弊社サポートWEBページにてご案内しています。詳細については、弊社までお問い合わせください。なお、NX1899は5月に出荷を予定しています。
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