去る平成30年12月5日(木)、刈谷市産業振興センター小ホールにて「第35回経営に貢献するCAEセミナー」を開催いたしました。ご来場いただきました皆様方には厚くお礼申し上げます。
ご講演では、始めに一般社団法人日本自動車工業会 砂山様(スズキ株式会社)より、「京コンピュータを用いた自動車開発のための大規模数値シミュレーション」~日本自動車工業会スパコン実用検証活動の紹介~と題しまして、自動車開発における流体解析を中心としたスパコンによる大規模数値シミュレーションの実用検証活動の結果について、ご紹介いただきました。
続いて、株式会社酉島製作所 三浦様より「製品開発の効率化を実現するCAE活用」と題しまして、主力製品である水力ポンプの開発期間短縮のために、ソフトウェアおよびハードウェアの視点から、CAEの有効活用について、実際のプロジェクト事例を交えながらご紹介いただきました。
事例講演の最後として、ナカシマプロペラ株式会社 蓮池様より「船舶用プロペラ設計へのCFDの適用」と題しまして、国際競争や環境規制の中で、自社の船舶プロペラの製品性能をアピールするためにはCAEは重要かつ不可欠なツールとなってきており、CAE活用のための技術開発や人材育成の重要性について、CFDを使ったプロペラ設計の事例を交えながら、ご紹介いただきました。
休憩後は、富士通グループからの特別講演として、株式会社富士通研究所 穴井より、「経営に貢献するCAEの現状の課題と将来像」と題しまして、近年の人工知能の最新動向、経営・研究開発・CAE技術を組み込んだ設計製造などのプロセスにおける判断や意思決定の高度化・効率化を支援する人工知能技術を、実践事例とともに紹介いたしました。
講演に続いて、「経営に貢献するCAEの現状の課題と将来像」と題して、講演いただいた講師の皆様にご参加いただき、CAE技術・実務適用・人材育成などの観点で、それぞれのお立場から、今後のCAEの実務活用を見据えた意見交換をしていだきました。今回の特別企画として、本セミナーでは初の試みでしたが、講演だけでは知ることのできない、率直なご意見を聞くことができた貴重な時間となりました。
パネルディスカッションの様子
懇親会会場の様子
また、セミナー終了後には、懇親会を開催いたしました。講演者の方々を囲んで、和やかな雰囲気の中で交流を深めていただき、業種を超えた貴重な情報交換の場として、参加者の皆様に役立てていただきました。
なお、アンケートとしてお客様から頂いたご意見の中には、「経営とCAEの話題にフォーカスし語っていただける数少ないセミナーだと思う」、「アプリケーションや技術に特化しない、経営・ものづくりプロセスを主体とした話が聞ける貴重なセミナー」との感想や、今後に向けては「MBD+CAE、AI+CAE、データサイエンス+CAEなど新たなCAEのあり方を知りたい」などの様々なご要望を頂きました。これらご意見は、今後のセミナー運営へと反映し、皆様のご期待に沿える魅力あるセミナーになるよう誠心誠意取り組んで参りますので、引き続きご支援をよろしくお願い致します。
PICK UP