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DIPROニュース

2018

11月号

2018.11.12

電子情報管理システム構築サービスのご紹介

1. DIPROの電子情報管理システム構築サービス

DIPROの電子情報管理システム構築サービスは、21世紀に通用する車載電子制御システム開発を実現するために、ソフトウエアなどの開発成果物や各種データ類の管理要件整備、情報管理のプロセスや仕組み作りをご支援するものです。

現在の車載電子制御システムにおいて、車1台分の組込みソフトウエアは1億ステップを超える時代になっており、電子制御システム開発におけるソフトウエアの比重が非常に大きくなってきています。経済産業省の調査によると、このような開発においては「品質管理」や「仕様/計画の変更の多さ」がトップ課題となっており、度重なる仕様変更や不具合対策織り込みによるバージョンの増加、そして車種違いやグレード違い、仕向地違いが追加となることによるバリアントの増加、これらの掛け算で種類が急増してきていることが原因と推測することができます。

このようにソフトウエアの種類が増え続ける状況の中で、開発品質向上や業務効率向上を実現するため、開発成果物や各種データ類の管理要件の整備、情報管理のプロセスや仕組み作りをDIPROがご支援いたします。

2. DIPROのご支援内容

システムによる開発成果物や各種データ類の管理というと、情報管理だけを目的としたシステムとなりがちですが、情報管理だけのシステムは、ユーザーメリットがなく利用の手間がかかるため、使われなくなる傾向があります。DIPROの強みは、「モノづくりの知識・経験」と「情報技術=IT」の融合です。ユーザーごとに違うプロセスや開発ドキュメント、データ類の構成を考慮して、ユーザーオリエンテッドで使い勝手の良いソリューションを提案します。

私達は、最初にお客様の業務分析から始めます。お客様特有の業務プロセスや使われているソフトウエアを始めとする開発成果物、データ構成類の運用状況を把握して、改善すべき課題や要望をリストアップします。お客様が感じている課題や要望はもちろん、DIPROの有するモノづくり経験やISOなどのモノづくりに関する基準との比較も含め、広範囲の視点で課題をリストアップしていきます。

次に、リストアップした課題の解決方策案を作り上げていきます。あるべき姿を元にシステムで管理すべき項目を明らかにした上で、実際のお客様の業務プロセスに合わせて、システム開発のための業務要件を作成、更に業務プロセスの改善や仕組みなどの課題解決の具体的方策を提案します。ここであるべき姿とは、DIPROの有するモノづくり経験とISO26262(機能安全)やJASPARなどの標準/基準を考慮した、ソフトウエア管理の最適解となります。これらを元に、お客様の実態に合わせた実現項目を相談させていただき、現実的な管理システムの要件定義を作成、システム開発へつなげます。

DIPROでは、モノづくり経験者がユーザーの立場で業務要件やプロセス、仕組みなどを考えるので、ユーザーの手間が増える管理手続きを抑え、利便性を考慮した、モノづくりの品質向上/効率向上のための提案を行ないます。

3.ソフトウエア管理システム構築具体例のご紹介

ソフトウエアの管理は、サーバー上でフォルダに分けて「管理」しているケースが多いと思います。しかしフォルダでの管理だと

  • 欲しいソフトが見つからない(検索に時間がかかる)
  • ソフト変更時の影響分析ができない(抜け漏れ発生)
  • どのソフトがどの仕様かわからない(再利用できない)

といった問題が発生してしまいます。DIPROが提案するソフトウエア管理システムについて、以下に具体的な織り込み内容事例をご紹介します。

例1)バージョン/バリアントの変更管理と仕様差異情報のマトリクス表作成サポートによる業務効率化

ソフトウエア仕様を機能ごとに分けてシステムで管理を行ない、同じく機能ごとのソフトウエアモジュールの組み合わせで車載機ソフトウエアをビルドする仕組みを構築することにより、ソフトウエアの再利用を促進させることができます。

また、管理システムの持つ変更履歴機能を活かしてソフトウエアや仕様書類のバージョン管理をすると共に、バリアント管理は仕様差異情報マトリクスを作成して、仕様違いがわかりやすいシステムを構築します。新たなバリアント作成時にはモジュール構成情報に基づき仕様差異情報を自動生成し、ユーザーは内容の確認と新規項目を追加するだけでバリアント管理に必要な仕様差異情報を簡単に作成することができます。

※)用語説明
 バージョン:仕様変更や不具合対策織り込みなどで、時系列で増加するもの
 バリアント:採用車種違いやグレード違い、仕向地違い、機能追加などにより仕様違いで増加するもの

例2)変更項目数が多いデータのMicrosoft Office連携による業務効率化

モデルベースの開発においては、テキスト形式で変数定義のパラメータリストを作成しますが、表形式に変換してシステムで管理することにより、パラメータリスト間での比較確認が簡単にできるようになります。

しかし、パラメータの項目数が多い場合には、システムでのデータ入力や修正は手間がかかるもの。工数がかかるだけでなく、手入力によるミスを誘発する可能性もあります。システムのデータを一時的にEXCELなどにエクスポートして、Microsoft Officeならではの軽い動作やコピー&ペースト機能を活用してデータを変更/編集し、再びシステムにインポートすることにより、システム管理データのアップデートをできるようにしました。

4.最後に

「電子情報管理システム構築サービス」を担当するAEビジネス部は、自動車OEMの出身者が多く、自動車業界関連のOEMやサプライヤのサポートの経験も豊富です。これらの自動車関連のシステム開発の経験を活かして、業界特有の開発プロセスへ対応した業務改善やシステム提案、お客様の使い方に合わせたカスタマイズを含めた電子情報管理システム構築サービスをご提供します。開発品質向上や、業務効率向上でお悩みの際には、ぜひ一度ご相談ください。

(AEビジネス部 課長SE 宮崎)

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