MENU

DIPROニュース

2006

5月号

2006.05.10

I-deas to NX - Teamcenter Engineeringへの移行 (2)

第二回 Teamcenter EngineeringによるマルチCADデータ管理

CATIA画面

多くのお客様では、複数のOEMメーカー様との取引の関係で、複数種類のCADが利用されています。また、部門毎の仕事に適したCADが必要であること、その利用頻度や操作の習熟度合、ハード的な制約やバージョンアップなどにより、複数CADの混在環境が一般的になっています。これは、近年ニーズが高まっているデジタルモックアップを行ううえで、障害となる面をもっています。例えば、一部のCADデータが揃わない、どのCADにどの部品が管理されているのか分からない、データ変換によるオーバーヘッドがかかるといったことに直面されているお客様も多いのではないでしょうか?

今回は、マルチCADデータ管理の観点からTeamcenter Engineeringをご紹介させていただきます。

Teamcenter Engineeringは、Teamcenter製品群の中でも、CADデータ管理に特化したツールと言われており、製造業の設計部署における日々の設計データ管理をはじめ、承認ワークフローや製品群管理などの、多彩なPDM機能を備えています。

I-deas、NXに加え、CATIA V4/V5、Solid Edge、Pro/E、 Solid Worksなどの主要なCADをカバーし、それぞれのCADの操作性を損なわない形で、インタフェースがつくられています。

また、製品構成エディタ(アセンブリ構成管理機能)を備えており、異機種のCADデータの混在からなるアセンブリ構成の作成・編集を行うことができます。これは、それぞれのCADのアセンブリ管理と親和性の高いインタフェースとなっており、複数のCADを束ねる仮想シングルシステムを実現するものとして期待されます。

Integration for CATIA

CATIAに目を向けますと、現在はファイル単位での管理が実情ではないでしょうか。Teamcenter Engineeringを導入することにより、部品番号単位で履歴、アセンブリ構成(V4/V5混在を含む)、関連図面などを管理することができます。CATIA特有のデザインテーデザインテーブルのようなリンク構造も、現実的なレスポンスで登録時にTeamcenter Engineeringで管理されます。CATIA V4/V5共にCATIA画面からデータの取り出しや登録を行うことができ、ユーザの設計作業を中断させることなくTeamcenter Engineeringとの連携が可能です。現在はCAT Part/Product/Drawingの管理がサポートされていますが、今後はCAT Process/Analysis/Catalogもサポートされる予定です。

NX Manager I-deas

I-deas画面

次にI-deasの場合には、NX Manager I-deasと呼ばれるモジュールをTeamcenter Engineeringに組み込んでデータ管理を行います。これは現在、使用していただいているTDMと、同じオペレーションでI-deasのBinとTeamcenter Engineering間のデータのやり取りができるもので、今まで通りに、設計業務を進めることが可能です。

また、従来は、拠点間(チーム間)でのデータ連携を行う際は、PKGファイルによる授受が必要で、その出力などに手間がかかっていました。共用頻度の高い標準部品や顧客データなどのデータを利用するためには、複数のTDMにコピーしたり環境を切り替えたりすることが必要でした。

しかし、Teamcenter Engineeringでは一元管理が可能となり、必要なバージョンのデータを、直ぐに、どこからでも取り出すことができるようになります。標準部品や顧客データについても、その入手時間を大幅に短縮することができます。

一方、Teamcenter Engineeringを使用いただくにあたっては、既存のTDMデータの移行が重要なポイントになります。現在のTDM上には様々な素性のデータがあり、部品番号やGUIDが重複することも少なくありませんので、そのまま単純に移行することは困難です。

また、ユーザ属性の移行やTDMとの併用運用、さらには、一元管理に適した管理体系やアクセス権の見直しなど、移行時には様々な業務的背景を考慮する必要があります。

弊社は、今までのお客様の現場での実情に沿ったTDMの運用サポートの実績に加えOEMメーカー様や部品メーカー様での各種コンサルティング、PDM/BOMの設計、開発、実務サポートの実績、およびTeamcenter EngineeringでのCADデータ管理の実績を総合的に生かし、マルチCADデータ管理についてお客様にとってのベストソリューションをご提供いたします。

(第二開発部 SE 岡田 桃子)

TOP