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DIPROニュース

2010

2月号

2010.02.10

新春デジタルプロセスセミナー in Nagoya 2010 開催報告
IT・ものづくりが創造するイノベーション ~変化の時代を生き抜く~

会場の様子

去る1月22日(金)にヒルトン名古屋にて、「新春デジタルプロセスセミナー in Nagoya」を開催いたしました。8回目を迎えた本セミナーですが、今回も多くのお客様にご参加をいただき、大変活気のあるセミナーとなりました。ご多忙の中ご来場いただきました皆様方に厚くお礼申し上げます。

今回は、「IT・ものづくりが創造するイノベーション ~変化の時代を生き抜く~」をテーマとし、経済・環境・エネルギーなど様々なものが激しく変化する中で、積極的にIT・デジタル技術を導入・活用されている造船・航空機・自動車・家電業界の企業様から、貴重な事例をご紹介いただきました。

基調講演:「これからのモノ作り、製造業が生きる道」~生き残りの道はここにある~

神戸国際大学
経済学部 教授 中村 智彦 様

中村 智彦 様

基調講演には、日本テレビ放送「世界一受けたい授業」の中で「工場見学」のコーナーを持たれるなど、幅広いフィールドでご活躍されている、中村智彦先生にご講演をいただきました。

ITとグローバリゼーションの結合によりフラット化していく世界の中、今や日本のモノ作りはプロセスイノベーションからプロダクトイノベーションへ転換することが必要であり、さらには製品の特長を強みにした「より良いものは、より高く売る」という気持ちこそが大切である、ということをお話しくださいました。

先生のお話を伺い、ICAD/SXやDIPRO VridgeRといった当社のオリジナル製品を始め各種サービスが、お客様に費用以上の満足感を得ていただけるものであるよう努力しなければ、と強く感じさせられました。

事例講演Ⅰ:「ヤマハ発動機における大型自由曲面造形事業のご紹介」

ヤマハ発動機株式会社 マリン事業本部 ボート事業部 舟艇製造部 型・生産技術グループ
グループリーダー 蒲郡事業所長 主査 北川 欽哉 様、中野 功一 様

北川 欽哉 様、中野 功一 様

北川様と中野様には、ボートの外観や船底をモデリングするためにNXを導入した経緯からご説明いただきました。また新たに導入されたガントリー型5軸NC加工機で使用するための加工パスをNX-CAMで作成されるなど、NXを活用されている具体的な事例をご紹介いただきました。

さらに、それらの技術を生かし、様々な分野から委託されたガラス曲面型ボートや複雑な自由曲面形状のオブジェなどの大物製品についても、デザインの自由度や精度向上などに大きな効果を発揮されていることをご紹介いただきました。

事例講演Ⅱ:「川崎重工におけるデジタルモックアップ設計技術について」

川崎重工業株式会社 航空宇宙カンパニー 技術本部 技術企画管理部
技術情報課 課長 水嶋 源司 様

水嶋 源司 様

川崎重工業株式会社様は、最も困難な設計を要求される製品の一つである航空機を新しい設計技術で開発されています。分散設計のためのデータ変換や干渉チェックのシステムにおいて、DIPRO VridgeRを用いたデジタルモックアップ設計技術を適用されています。

そこで水嶋様には、航空機という他の製品とは、部品点数はもちろんデータサイズもはるかに巨大なデータを使用した大規模干渉チェックやデータ管理、データ変換についてご紹介いただきました。

事例講演Ⅲ:「駆動系ユニット開発におけるIT活用」

株式会社ユニバンス 設計推進部 設計推進グループ
課長 前川 雅俊 様

前川 雅俊 様

前川様からは、まずCATIAによる3次元プロセス構築を推進される中、構想設計段階で思うようにCATIAが活用されない経験をお話しいただきました。ICAD/SXを導入されてから設計はもちろん後工程での実験や生産準備に至るまで、3次元データをどのように活用されているかをご紹介いただき、その有用性をご説明いただきました。

「基幹CADをICAD/SXにしては?」という質問に対し、「可能であれば、ぜひそうしたい」とのご回答は、大変光栄に感じると共に、今後もよりよい機能を提供しなければ、という責任をひしひしと感じました。

事例講演Ⅳ:「ウェルネス商品における開発プロセス革新」~グローバル開発と高速データ転送(TC/ADオプション)について~

パナソニック電工株式会社 電器事業本部 電器ものづくり・調達革新センター 開発プロセス革新グループ
課長 中谷 光男 様

中谷 光男 様

パナソニック電工株式会社様は、お客様に密着したウェルネス家電商品(注1)を創出するにあたり、開発リードタイム短縮などの課題に対し、NXとTeamcenterによる3次元設計をされています。その設計データから作られたCGを取り入れ、販促用ビデオを自社で制作されているという3次元データの徹底的な活用法には、ご提案する側の私たちでさえも驚かされました。

また、グローバル開発における海外拠点との高速なデータ転送の仕組みについてご紹介いただきました。そのデータ転送システムTC/AD-DANGUNを、早口で話す大阪のおばちゃんに例えたご説明は、わかりやすく、会場に和やかな笑いが起こりました。

(注1) 健康な体と健全な心で生活するための美容機器や健康機具などの商品群

全体を通して

講演会場に隣接する会場では、ソリューションの展示やデモンストレーションを行いました。DIPROオリジナル製品やソリューション、SIEMENS製品など、限られた時間内でしたが多くのお客様に熱心にご覧いただきました。

また、本セミナーにご出席いただきましたお客様から、貴重なご感想・ご意見をいただきました。ご協力ありがとうございました。次に一部をご紹介させていただきます。

  • 「改善のヒントをもらった気がする。」
  • 「実際にその業務に携わっていたので興味深く拝聴しました。」
  • 「本音を聞くことができて参考になった。」

またセミナーに対するご要望もいただきました。

  • 「今回は構想検討~詳細設計までの講演でしたが、次回には生産技術~型造ラインまでの内容をお願いしたいと思いました。」
  • 「開発プロセス改革と部品表の近況、各社の取り組み状況などをとりあげてほしい。」

今回は、厳しい状況下にもかかわらず、多数のお客様にご来場いただき、大変盛況なセミナーとなりました。社員一同、心より厚く御礼申し上げます。

(名古屋事業所 所長 川見 昭)

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