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DIPROニュース

2010

3月号

2010.03.10

VPS(Virtual Product Simulator) ~生産準備業務発、ものづくりのグローバル化を支援!~

VPSは、電機精密製品の組立生産準備業務を中心に、設計から製造現場に至るまで、デジタルデータを徹底活用することにより、ものづくりのQCD向上に貢献するソフトウェアです。お陰様で、これまでに日系大手企業様を中心に300社3000シート以上をご利用いただいており、電機精密業界ではデファクトスタンダードとして認知していただけるまでになってまいりました。

さて、リーマン・ショックを発端とした厳しい経済状況は、改善の傾向が見えてきたとは言え、楽観視するのはまだまだ難しい状況です。こういった時期であるだけに、これらITツールを活用し、プロセスの革新やコスト削減に取り組む必要があり、この時期における取り組みこそが、勝ち残りの鍵になると考えております。

お客様の課題の一例を見てみると、近年は市場拡大・コスト低減・事業拡大などの目的で、否が応でも生産のグローバル化や外転化が加速してきている点があります。具体的にはEMSの台頭や製造企業のファブレス化がこの例です。こういった流れの中では、日本特有の擦り合わせ技術や、製造現場の強さに依存した従来のものづくり手法では、量産垂直立ち上げや製造損益維持といった高度な要求には、対応しきれなくなっているのが現実ですが、この問題の解決策としてもITへの期待度はますます高まっています。

VPSは、生産準備工程を起点に、設計部門と製造現場をデータでつなぐ「衝」の実現手段となることを目指します。3次元のモデルを活用したデータの繋がりの充実によって、物理的な制約を超えて、ものづくりを支え、お客様のビジネス・プロセスの革新を実現してまいります。

業務革新をより強力にサポート

VPSは、グローバル化の進む環境において、生産準備業務へのさらなる貢献とビジネス・プロセス革新をサポートする諸々の機能について、順次機能改善・機能追加をしています。

グローバル化への支援としては、これまで「組立検討・手順書作成の効率化」を実現する機能や、海外展開に向けた「多言語化対応」などをご提供してまいりました。現在は、お客様からご要望の多かった「レスポンス改善」に取り組んでいます。これらの概要をご紹介いたします。

組立検討・手順書作成の効率化

生産準備では設計部門から送られてくる部品やユニットの3次元データや構成情報を、下流の工順・製造手順に組み替えて、アニメーションを含む多言語の製造手順書を作る業務が必要となります。このための支援機能として動画や静止画を容易に出力できる機能を充実させています。

多言語化対応

海外の部門や関連会社とデータ交換を行うため文字コードによる問題が出ないよう、ISO標準の文字UNICODEへの対応版を提供済みです。

レスポンスの改善

現在は、性能改善として2~3万部品の複写機のモデルを例に、ハーネスも含め干渉チェックや組立性の検証を行う場合のレスポンス改善を進めています。移動・回転・総組の表示といった基本的な操作に対し、0.1秒以下でマウス操作に追従する性能を実現することで、様々な利用環境へも対応できるツールとなることを目指しています。本改善は抜本的な機能改造となりますが、今年の夏にご提供することを目標に準備を進めています。

お客様導入事例
富士ゼロックス株式会社 様
ネジ形状を「ネジ+工具」形状に一括置換

プリンタや複合機の開発製造で知られる富士ゼロックス株式会社様では、量産工程は現在中国工場がメインとなっています。一方で、国内のかつての量産工場では、キー部品を内作する生産技術センターと量産立ち上げを担う量産パイロットラインが置かれています。「中国での量産を素早く立ち上げ、量産開始後の手戻りを最小化する」ことを狙い、「生産準備業務の標準化によって、プロセスを1フェーズ前倒す効率化を行い、海外での量産品質を高める」ことを目指しておられます。こうした取り組みの具体化に大きな役割を担っているのが、VPS/Manufacturingです。

例えば、VPSを活用した3次元動画付きの作業指示書を、中国の量産工場のチームに事前に渡すという運用にした結果、日本の試作メンバーが組み立て手順をつきっきりで指導する必要がなくなり、試作工程での省力化が実現されました。

また、富士ゼロックス株式会社様ではITツールをより活かすために、“ITツール+α”の方針をお持ちです。VPSについても現場の業務に合わせた+αを施されています。 例えばモデル上のネジ形状を「ネジ+工具」に一括置換するツールを追加で開発され、工具による干渉の仮想検証を効率化されています。このようにVPSを活用し個別業務のニーズまで100%カバーすることを目標に取り組まれています。

VPS体験セミナーのご案内

毎月2回、下記テーマのセミナーを開催中です。タッチ&トライ形式でVPS操作を体験していただくセミナーとなっております。皆様のご参加、お待ちしています。

  • DMU活用によるフロントローディング開発 (VPS/Digital Mockup & Harness)
  • 生産準備業務への3Dデータ活用 (VPS/Manufacturing)

セミナーのに関する詳細とお申し込みは、VPS 体験セミナー情報 (富士通サイト)をご覧ください。

お客様の様々なご要望への対応を進めながら、グローバル化、プロセス革新の視点でもお客様をご支援し、厳しい経営環境を乗り越えられるお手伝いができるよう、VPSは今後も機能改善に取り組んでまいります。

(VPSビジネス部 次長 根本 昭二、主査 渡辺 俊一)

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