2014年4月より出荷開始予定のIOC Express(以下IOC) R12の機能をご紹介します。
IOCはFA業界などにおける実機レス制御検証環境を提供するソフトウェアです。今回のバージョンアップは「設定の効率化」「ワークモデルの機能強化」が中心となっています。
IOCでは標準通信規格ORiNに対応するなど適用可能な機器を拡大しており、大規模なモデルへの適用も増えています。大規模になったことで、制御検証を始めるために必要なモデルの設定工数が課題になっており、設定の効率化が求められていました。今回、モータなどのパラメータをライブラリとして管理し、別のモデルへ適用することで設定の再利用性を高めるIOC要素ライブラリ機能が追加されました。ワークモデルでは、動的干渉チェックに対応し検証適用範囲が広がりました。またコンベアなどで次々とワークが投入されるようなモデルを実現するワーク供給・排出機能が追加されました。
IOCではモータやセンサなどのIOC要素を設定しますが、この設定パラメータを抽出して他のモデルで手軽に適用できるIOC要素ライブラリ機能を追加しました。従来、同じモデル内では作成済みのIOC要素の設定を参照して新しいIOC要素を作成できましたが、異なるモデルでは流用できませんでした。IOC要素ライブラリはIOC要素のパラメータをフォルダに分類して管理できるため、メーカ毎の製品をライブラリ化して管理などすることで、新規モデルへの流用性を向上し設定工数を削減できます。
関節のみの構成を表示/編集するTree Viewを新たに追加しました。大規模モデルでは機構構成の把握が困難でしたが、関節の親子関係が一目でわかるなど、構成把握が容易になりました。IOCには、モータなどのアクチュエータやカムの機構など、関節を対象に設定する要素が多数あります。従来、設定に必要な関節を探す手間がかかっていましたが、効率的に関節を選択できるようになりました。また、従来のTree Viewとの間でドラッグによる構成変更が可能で、関節で動かす部品の構成変更、関節自体の構成変更などが簡単に行えます。
ワークモデルを任意のタイミングで供給・排出する機能を追加しました。従来、ワークモデルは最初に配置されたものだけしか動かすことができず、次々にワークが投入されるようなモデルではその数だけワークを配置する必要がありました。今回、手動操作や一定間隔、信号入力などでワークを供給・排出できるため、次々とワークモデルが流れてくるラインなどのシミュレーションも半永久的に行えるようになりました。
ワークモデルの干渉に対応しました。従来、部品間の干渉には対応していましたが、ワークモデルは干渉対象にできませんでした。今回、ワークモデルの干渉に対応したため、ワークモデルを手動で動かしたときの干渉や、シミュレーション実行中にアームなどで動かされたときの干渉を確認できます。これにより、ワークモデル搬送中に発生する干渉を事前に確認できます。
IOCの機能について詳細をお知りになりたい方、ご興味おありの方はぜひ弊社 までお問い合わせください。
(VPSビジネス部 原 弦太郎)
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