機械加工のNC作成業務において、工数削減、リードタイムの短縮、加工品質の均一化などは永遠のテーマになっています。
これらの効率化に寄与する機能がFeature Based Machining(FBM)ですが、まだまだNC作成業務への適用が進んでいないのが現状です。
そこで、「NX CAM-FBM構築支援サービス」をご紹介いたします。
NX CAMにはNC作成業務を効率化するための機能が多く備わっています。その中の一つがFeature Based Machining(以下、FBM)機能です。
加工対象となる3Dモデルから加工フィーチャ(加工対象の穴、面、ポケット等)を検索し、お客様の加工ノウハウに従って工具及び切削条件をライブラリから抽出し、加工オペレーションを作成します。
FBMは、加工フィーチャの認識から加工ノウハウとの照合、工具・切削条件のライブラリからの抽出までをシステムが行うため、NC作成業務の効率化や工数削減に有効な機能ですが、実際のNC作成業務に適用するまでには次の課題が存在します。
① 加工ノウハウがまとめられない ⇒ 人によって加工方法や加工順がバラバラ
② 工具・切削条件がまとめられない ⇒ 使用する工具・工具回転数・送り速度が違う
③ FBM関連ツールの操作方法が難しい ⇒ Machining Knowledge Editor(MKE)※1の操作
弊社の「NX CAM-FBM構築支援サービス」では、豊富なNC作成業務経験を基に、これらの課題をお客様と一緒に解決に向けて支援させていただくことで、有益な機能を使って効率よくNC作成業務を進めていただくことができます。
※1:図1に示すFBM加工ルールを登録/編集するためのツール
過去の製品を生産する際に作成したNCプログラムや加工指示書などの帳票はあるけれども、FBMに登録可能な情報としてきれいにまとまっていないというお客様がほとんどではないでしょうか?また、まとまっていたとしても、加工ノウハウを登録するために、何をどこまでの情報が必要で、ある条件の判断項目や閾値(しきいち)がどのようにまとまっていないといけないかは、これからFBM適用を検討しているお客様にとってご不明な点が多いのではないでしょうか?
例えば、ワークに穴を開けるというごく単純な加工も、ドリルで開けるのか、下穴をあけてエンドミルで繰り広げるのか、深い穴であればガンドリルを使用するのか等、いろいろな工法とそれらに対応する様々な工具が考えられます。
“普通の穴”は、ドリルで開ける。
“大きい穴”は、下穴をあけてエンドミルで繰り広げる。
“深い穴”は、ガンドリルで開ける。
では、“普通の穴”とは、どれくらいの径、どれくらいの深さのことまでを言うのでしょうか。“大きい穴”とは、径がいくつ以上のことを言うのでしょうか。“深い穴”とは、穴深さがいくつ以上のことを言うのでしょうか。それともL/Dで考えるのでしょうか。貫通穴では段取り替えして上下から加工するのでしょうか、しないのでしょうか。単純に工具の有無で決める場合は、どの場面でどの工具を優先するのでしょうか。さらにNCプログラムを出力するためには、固定サイクルのどのコードを使用するか、ドウェルや折損検知の要否など、どの条件で必要になるのかを決めなくてはなりません。
これらは一例にすぎませんが、単純な穴加工も紐解けば、さまざまな条件と優先順位が存在します。
ベテランの技術者は、使用する設備の能力や精度、使用工具の在庫と購入価格・工具寿命、サイクルタイムや段取り手順・回数などを考慮して決定していました。条件を明文化し閾値を数値化して加工ノウハウとしてまとめることで、それらを登録したFBMは、ベテラン技術者の判断に近い加工オペレーションを出力することが可能になります。
弊社の支援サービスでは、加工ノウハウとしてまとまっていなくても、 過去のNCプログラムや加工指示書を紐解き、弊社スタッフがお客様と一緒になってFBMに登録する加工ノウハウをまとめ、見える化いたします。
製品を製作するにあたり、多くの工具を使用します。また、それら多くの工具に対応する切削条件を設定する必要があります。これらをライブラリに登録し活用することで加工の均一化が図れ、作業者による効率や精度のばらつきを抑えます。
また、ライブラリに登録した工具の中から工具・切削条件を選択する条件を加工ノウハウとしてFBMへ登録することで、最適な工具及び切削条件での加工が実現します。
加工ノウハウは新しい工作機械導入、新規製品開発、工法開発などが発生したときに追加変更される場合がありますが、日々のNC作成業務で変更されるものではありません。
普段使用されているCAMの操作に加え、FBMの加工ノウハウを登録する操作まで覚えなくてはならないのは、多くのNC作成業務を抱えるご担当者様には大きな負担となってしまいます。
FBMは、テンプレートの延長のような他のシステムの自動化機能と異なり、形状や公差をパラメータ化しそれらの閾値によって加工パスを設定することが可能なため、加工ノウハウを高い次元で実現できるのですが、その分操作の難易度が上がってしまいます。また、これらの加工ノウハウを実現する手段を試行錯誤しながら検証し、ライブラリに登録していく必要があります。
弊社の支援サービスは、最適な実現手段をシステムの運用も含めてご提案し、検証作業を最小限に抑え、お客様の持つ加工ノウハウに即した加工パス作成を最短で実現できるようご支援いたします。
FBMを使いこなすには、機械加工の知識はもちろん、FBMの適用実績による豊富な経験、FBMのシステムの深い理解が成功のカギとなります。これらを備えた弊社スタッフによる「NX CAM-FBM構築支援サービス」では、お客様の業務効率化を短期間かつ確実に進めます。
また、ご自身でFBMを構築したいというお客様に対しては、弊社が開催するFBMの定期講座もご用意しています。
一から構築したいお客様から、メンテナンスのみをご自身で行いたいというお客様まで様々なニーズに対応した講座となっています。
FBMを初めてお使いいただくお客様はもちろん、一度試してはみたけれど効率化されずに使われなくなってしまったお客様、他のシステムをお使いだが問題が多いというお客様も含め、機械加工のNC作成業務の自動化・効率化を検討されているお客様は是非DIPROへご相談ください。
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