去る1月19日(金)にヒルトン名古屋において「新春デジタルプロセスセミナー in Nagoya 2018」を開催いたしました。当日は晴天にも恵まれ、会場を埋め尽くすほど多くのお客様にお越しいただき、真冬の寒さを感じさせない活気に満ちたセミナーとなりました。ご多忙の中、ご来場いただきましたお客様、ご協力いただきました皆様に、厚く御礼申し上げます。
今回はセミナーのテーマを「破壊的イノベーション時代の到来 ~これからのモノづくりに求められる生産と品質~」としており、基調講演では電気通信大学 人工知能 先端研究センター教授として広くご活躍されています坂本 真樹様にご登壇いただきました。事例講演ではシスメックス株式会社 生駒 晴哉様よりシスメックス様の医療機器業界におけるPLMシステム構築への取り組みについてご講演いただきました。また特別講演では株式会社デンソー 杉山 聡 様よりデンソー様のものづくり革新、特にダントツ工場の実現に向けた金型づくりについてご講演いただきました。
国立大学法人電気通信大学大学院 情報理工学研究科情報学専攻/人工知能先端研究センター
教授 坂本 真樹 様
基調講演では、人工知能、認知科学、感性情報学の専門家でいらっしゃる坂本様に人工知能(AI)の現状と今後、人工知能(AI)で行うモノづくり支援の取り組みについてご講演いただきました。人工知能とは何か、自立学習する人工知能/レベル、人工知能の歴史など判りやすく解説いただきました。実例として自動運転を取り上げられ、自動運転におけるAI需要の背景・課題、実現時期などをお話いただきました。特化型人工知能(画像認識など)で海外企業が先行する中、日本が巻き返しを図るにはリアルデータの利活用が重要であると説かれました。坂本様が推進されているAI研究では、人の五感・感性を数値化する新たな手法としてオノマトペに着目され、オノマトペ×AIで実現する技術の活用について、分かり易くご講演いただきました。お客様から「AI技術の現状がよくわかりました」というお言葉を多くいただきました。
シスメックス株式会社 技術戦略本部 技術情報部
生駒 晴哉 様
シスメックス株式会社の生駒様より、医療機器業界におけるPLMシステム構築の取り組みについて法規制・査察への対応とシステム導入の事例をご講演いただきました。
医療(機器)業界では、「薬事申請による販売の許可が必要」「罰則の伴う査察」など他業界とは異なる特徴があることをお話いただきました。
また、紙媒体での情報管理が強く根付いている業界であり、シスメックス様でも同様にこの紙での情報管理及び法規制・査察への対応が大きな課題となっておりました。この課題を解決するために取り組まれた“電子化かつ改ざんされない一貫したシステム”の設計や、システム構成/データフローなど、具体的なシステム導入事例を取り上げてご説明していただきました。
「厳しい審査にビックリ。自動車も近い将来そうなると感じました。」「システムの必要性と苦労がよくわかりました」と医療機器以外の製造業のお客様からも参考になったとお言葉をいただきました 。
株式会社デンソー 部品エンジニアリング部
杉山 聡 様
株式会社デンソーの杉山様より、デンソー様で実践されているダントツ工場の実現に向けた金型づくりの取り組みについて、具体的な事例を交えながらご講演いただきました。
前段では、デンソー様のものづくりの特徴であるコンカレントエンジニアリングと、先進のダントツ工場の取り組みについてオルタネータの開発事例や、設備の小型化の事例とともにご紹介いただきました。
また、後半では、ダントツ工場を支えるデンソー様の高度な金型つくりについて、デジタルエンジニアリングやリバースエンジニアリング技術を活用しながら、いかに人の知恵を最大限に引き出して、実現していくのか、分かりやすくご講演いただきました。
「内容がとても充実しており大変参考になりました」「金型の高機能化について、いろいろな手法を教えて頂き勉強になりました」と多くのお客様にご満足いただくことができました。
今回で6回目となる午前のショートセミナーでは、お客様に、より有益な情報を提供できるよう、弊社エンジニアによる「iCAD SX 機械装置の開発に求められる3次元CADとは」、「AIを活用した技術情報管理ソリューション」、「IATF16949規格から考える品質情報管理」について紹介いたしました。こちらも受付開始と同時に多くのお客様にご来場いただき、限られた時間ではございましたが熱心にお聞きいただきました。
講演後の懇親会にも多数のお客様にご出席いただき、ご講演者の方々だけでなく普段交流のないお客様同士でのご歓談もお楽しみいただき、大変盛況な会となりました。
弊社社員による手作りの余興も毎年ご好評をいただいております。次回も更にお楽しみいただける内容を社員一同企画してまいりますので、是非ともご出席いただければと存じます。
最後に、本セミナーにご来場いただき、またアンケートでは貴重なご感想・ご意見をいただきましたこと、社員一同、心より御礼申し上げます。今後もお客様のご期待・ご要望にお応えできるよう、社員一同、努めてまいります。
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