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DIPROニュース

2015

3月号

2015.03.10

大型産業機械の設計工数を約40%削減
~iCAD SX V7L4リリース~

機械装置設計向け3次元CAD「FUJITSU Manufacturing Industry Solution iCAD SX(フジツウ マニュファクチュアリング インダストリーソリューション アイキャド エスエックス)」の最新版を 2月6日にリリースしました。iCAD SX最新版の概要と特徴をご紹介します。

大型産業機械は、数万点におよぶ機械部品、鋼材、配管が複雑に配置されるため、データ量が膨大となり、処理性能の制約から1つのCAD上で3次元データを全て扱うことが難しい状況です。そのため、装置全体での干渉確認はビューアで行い、設計検討や不具合の修正はそれぞれの専用ツールで行う必要がありました。設計者は別々のツールで作業を繰り返し行う必要があり、設計期間の延伸を招くことが課題となっていました。

こうした課題を解決するため、本製品では大規模データの処理性能の大幅改善と、鋼材・配管の設計情報を一括出力する機能強化、さらに図面作成工数を大幅に削減する図面化新機能を開発しました。これらの技術開発により、機械・鋼材・配管の並行検討が同一システムで可能(図1)となり、大型産業機械の開発リードタイムを従来比約40%短縮することができます。

図1. 1つのツールで構想検討から図面作成まで実現

帳票作成
帳票作成

接続表記
接続表記

図1. 1つのツールで構想検討から図面作成まで実現

1.大規模データの処理性能の大幅改善により装置全体の並行設計を実現

本製品では、同一パーツとなるソリッドデータのメモリ領域を共有化することにより従来比約1.3倍のデータ容量の超軽量化と、ファイル読み込み速度を従来比約10倍の超高速化を実現しました。ファイル参照や保存、編集性能が格段に向上したことで、数万点にもおよぶ大型産業機械全体を「iCAD SX」上で設計でき、機械・鋼材・配管の干渉確認なども素早く行えるようになります。

2.鋼材と配管の設計情報の一括出力による付帯作業工数を大幅に削減

数千点にもおよぶ非常に多くの鋼材や配管について、3次元CAD上で構想検討した形状から、各鋼材の長さや重量、配管の接続情報を図面や帳票に自動で一括出力できます。これにより、従来、3次元モデルから抽出できなかった調達・加工・組立に必要な情報について、組図や部品図から確認し手作業で行っていた部品集計や追記作業といった設計付帯作業の効率化を図り、従来比約50%の工数削減を実現します。

3.図面作成工数を大幅に削減する図面化新機能

3次元モデルからの図面化処理速度を大幅に向上させることで、数万点にもおよぶ組立図を高速に作成できます。また、直感的な操作により、組立図、部品図、アイソメ図、断面図、詳細図などあらゆる図面を手間なく作成でき、設計変更における図面反映も一括で行えます。これにより、図面作成や設計変更の反映にかかる工数を従来比約80%削減(図2)し、設計部門から製造部門に短期間で設計情報を伝達することができます。

この他にも多数の新機能開発や機能強化を図り、今まで以上に設計者を支援する道具を実現しております。iCAD SX V7L4に関するご質問などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。

(iCAD株式会社 三枝 峻)

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