1990年代半ばより、ソリッドCADによる設計の3次元化が進んだ航空機や自動車業界では、製品一台分の部品データを結集したデジタルモックアップ(DMU)を用いて、アセンブリ検討、レイアウト検討、干渉チェックなどを行うDMDRが行われるようになりました。
DMDRで扱われるソリッドCADのデータは、高精度の幾何と位相(プリサイス表現)を基に、パラメトリック変形のための拘束条件や形状生成履歴を持つため、フルアセンブリのデータサイズは数GBtye~十数GByteまで膨らみます。そこで、航空機、自動車各社は、CADデータをファセットと呼ばれる三角形ポリゴンデータに変換、軽量化した検討用データを別途準備し、DMU専用のツールを用いた干渉検討を行っていました。
こうした市場の課題を解決するために開発されたのが、DIPRO VridgeR(以下、VridgeR)です。
VridgeRは、フルアセンブリDMDRを実現するDMU専用Viewerで、特許※2のDVXテクノロジーにより製品一台分のデータを高速(例えば、8,000部品の総当たり干渉チェックが30秒)、かつ高精度に扱うことができます。航空機や自動車業界のお客様にご好評いただき、フルアセンブリDMDR業務を実現しています。
航空機、自動車業界の3Dデータ活用の流れは、電気精密、医療機器業界などにも広がって来ており、DMDRへの取り組みも始まっています。
電気精密業界の製品は、航空機、自動車に比べ、新製品の市場投入サイクルが短いという特徴があります。このため、DMDRは設計作業と平行して行い、DRの結果を即、設計に反映する必要がありました。
そこで、電気精密業界向けに、短期間での設計品質向上を目的に、検証プロセスを自動化したDMDRシステムをお客様と共同で開発いたしました。
DMDRの自動化に当たっては、単なる手順の自動化だけでなく、お客様と既存の業務プロセスの課題を整理し、その中で、設計品質の向上、期間短縮につながる以下の要件を実装しました。
こうした自動化DMDRシステムの導入の取り組みにより、以下のような高い評価を頂いています。
今回、ご紹介いたしました「ねじ部分を干渉チェックから除外」する機能は、設計ノウハウを自動的にシステムが認識、処理する「インテリジェンスDMDR」機能として、VridgeRに標準搭載することを計画しております。
今後もVridgeRは、3Dデータを見せるだけのViewerではなく、モノづくりに携わる全ての方が求める情報を可視化するViewerとして進化してまいります。
VridgeRは、6/24(水)~26(金)に東京ビッグサイトで開催されます、「第26回設計・製造ソリューション展」に今年も出展いたします。メインステージでは、本稿でご紹介しました「フルアセンブリDMDRを実現する超高性能・高機能ビューワ」に加え、「ものづくり情報を読み解き、可視化するデータ衝ビューワ」の2講演を予定しております。
また、製品ブースでは、最新のVridgeR V4.2の他、3D立体視システムと連携したVridgeRの展示も予定しております。
お誘い合わせの上、ご来場いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
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