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DIPROニュース

2018

3月号

2018.03.12

自動車用電子制御システムの機能安全規格
ISO26262への適用支援の事例紹介

機能安全国際規格ISO26262とは

IEC61508をベースに自動車分野に特化した電子制御システムの機能安全の国際規格です。この中で機能安全とは「電気電子システムの機能不全のふるまいにより引き起こされるハザードが原因となる不合理なリスクの不在」と定義され、自動車用電気電子システムの開発においては、ISO26262への適合が事実上必須とされています。

今回は弊社でここ数年来支援させていただいていた事例を紹介いたします。

A社様の場合(ASIL-D対応)

A社様は自動車用セキュリティ部品分野を事業領域にされていますが、新たに電子制御を導入したことによりその機能が不適切なタイミングで作動した場合、運転操作が困難になるハザードが存在することが分かりました。

ISO26262に適合した開発を行うことを納入先からも要求されたため、弊社に適合性アセスメントと非適合部分への改善提案をご用命いただきました。
弊社では、まず開発生産関係者の方から経営層の方も含めた基礎教育を実施し安全文化の醸成から始めました。その後ISO26262の要求事項をまとめたチェックリストによるアセスメントと改善提案及びその後のフォローアップにより、生産立ち上げまで支援させていただくことが出来ました。

また今回の活動を通じて、社内にISO26262適合の開発を行う体制を整備構築されました。

B社様の場合(ASIL-D対応)

B社様は自動車の艤装部品分野を事業領域にされていますが、A社様と同じく電子制御の導入によりその機能が不適切なタイミングで作動した場合、運転者の動作を制約するハザードが存在することが分かりました。

A社様と同様、納入先からISO26262への適合を要求されましたが、電子制御の機能安全信頼性に関するご経験が少なかったため、弊社に開発支援をご用命いただきました。

弊社では、上記のチェックリストによるアセスメントと改善提案を行い、生産立ち上げまで支援させていただきました。

また今回の活動を通じて、社内マニュアルの作成を行われたとのことです。

C社様の場合(基礎教育及び現状Fit/Gap分析)

C社様は艤装部品分野のTier 2サプライヤで多くのTier 1サプライヤに納品され間接的に自動車業界と深く関わっておられます。

今後、納入先がISO26262対応するケースが増えることが予想されるため、今後のビジネス拡大には社員へのISO26262基礎教育と現在の社内体制や工程とISO26262の要求とのギャップ分析を今のうちに行っておくべきとお考えになり、弊社へご用命いただきました。

C社様の場合は、具体的な開発案件が未定のため、ISO26262全般の基礎教育 、Part 2(機能安全の管理) 、Part 8(支援プロセス)の専門教育 、Part 2と8のFit/Gap分析とISO26262適合に必要な改善提案を行いました。

まとめ

2018年にはISO26262の第一回改訂が行われ、商用車、二輪車、特殊車両にまで適用対象が拡大します。製品レベルでも、電子制御システムの種類や搭載数も増加の一途と考えられます。

特にメカ系主体の事業を行われているサプライヤ様やこれから自動車分野への進出を検討されているサプライヤ様にとって機能安全の確保は重大な関心事と思います。

弊社には、自動車の電動電子制御分野で豊富な開発経験と、TÜVのISO26262アセッサ資格を有するエンジニアが在籍しており、お客様のご事情に合わせた実践的な開発支援をさせていただけるものと考えています。また更に進めて社内プロセス改善やデータベースシステムの構築や運用支援までさせていただくことが可能です。

ISO26262のことでお困り事ご不明なことがございましたら、弊社にお気軽にお問い合わせください。

ISO26262と電子製品情報一元化ソリューションの詳細はこちら

(AEビジネス部 課長SE 大上)

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