IOC Express(以下IOC)はFA業界などにおける実機レス制御検証環境を提供するソフトウェアです。近年では、工場の自動化の流れが加速しており、設備の制御プログラムの品質向上が重要な課題となっています。IOCでは、そのようなニーズに応えるために、上流でのロボット姿勢検討やロボットを含む複雑な設備での制御検証などを効果的に実現するための機能を提供します。
今回は、2018年5月より出荷開始予定のVPS IOC Express L19R14の新機能をご紹介します。
ロボット機能が水平多関節ロボットに対応します。従来の垂直6軸多関節ロボットと同様に、水平多関節ロボットでも周辺装置を考慮した姿勢検討行うことができるようになります。座標指示やマウスドラッグで先端位置を移動させることで、直感的かつ簡単にロボットを操作できます。
ロボット機能でロボットメーカー製の仮想ロボットコントローラ(VRC)と連携できるようになり、検討結果の精度向上や作成したポジションリストの転送など、より効率的な検討を実現できます。VRCと連携すれば、従来のIOC単独のロボット機能では考慮できなかった機器固有のソフトウェアリミットや特異点も正確に再現できるようになります。また、ポジションリストの内容を直接VRCに転送することで、姿勢の検討結果をすぐにロボットプログラムで使用することが可能となり、開発期間の短縮に繋がります。
※1 MotoSim EG-VRCは株式会社安川電機の製品です。
※2 WINCAPSⅢは株式会社デンソーウェーブの製品です。
仮想ロボットコントローラを使用した制御検証では、ロボットとPLC間で通信する入出力信号の数が多くなると、関連付けに時間がかかることがありました。今回実装するIOブリッジ機能では、従来機能での設定に比べて5分の1以下の手順で、数百点の信号でも簡単にロボットとPLCを接続することが可能になります。
IOCの表示性能が向上し、より規模の大きな設備を扱えるようになったことで、使用するアクチュエータやセンサが数百点を超えることも多くなってきました。そのような環境でもIOCの要素管理を効率的に行っていただくために、IOC要素一覧画面を一新します。
新しい要素一覧画面では、「要素グループ」を定義して、ユニット別や機能別など、複数のアクチュエータやセンサをまとめて管理できるようになります。また、「要素グループ」には、グループに属しているIOC要素に対して、ツールチェンジャーなどの動作状態に応じて一時的に通信の接続/切断を切り替えるIO接続条件機能があります。この機能を使えば、ロボットのハンドチェンジなどのシミュレーションを簡単に実現できます。
部品色自動変更機能は、信号状態に応じて部品の色を変更することができます。例えば、「センサがONの時に明るい色に変える」、「電源ON信号がONのときに青色にする」、「エラーコードに応じて色を変える」など、制御状態が視覚的にわかりやすくなります。
デジタルプロセス株式会社 VPSインフォメーションセンター
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(VPSビジネス部 課長 川人)
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