Teamcenterは、拠点を跨いだグローバルな環境で、CATIA、NXをはじめとするCADデータを一元管理できる、各業界で最も実績のあるPDM/PLMソフトウェアです。
今回は、株式会社エフテック様における、Teamcenter導入事例をご紹介いたします。
: | 株式会社エフテック (F-TECH INC.) | |
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本社 | : | 埼玉県久喜市 |
会社設立 | : | 1947年7月1日 |
代表者 | : | 取締役社長 福田 祐一 |
資本金 | : | 4,790百万円 |
事業内容 | : | 自動車部品及びそれに伴う金型、機械器具などの開発、製造、販売 |
主な製品 | : | ペダル、サブフレーム、サスペンション等足回り部品 |
株式会社エフテックHP |
エフテック様では近年、「グローバルシャーシシステムメーカを目指す」というビジョンのもと、従来までの日本における受注・開発、海外生産という姿から、海外にも開発拠点を置き、グローバルで受注・開発・生産を行う体制を取られております。これまでエフテック様の設計データ(3D、図面、解析、ドキュメント)は、拠点毎に管理されており、拠点を跨いだ設計データの共有には、担当者間でのデータ授受を行う必要がありました。このため、データ授受の手間の他、誤って最新では無いデータをやりとりすることによる型改修や再テスト等のリスクがありました。各拠点の特長や能力を活かした、グローバルでの共同開発業務におけるデータ管理基盤システムが必要と判断されました。
エフテック様は、3D設計ツールとして主にCATIA を利用されております。しかしながらグローバルOEMメーカーへの取引先拡大を考えると、NXも利用、管理する必要があります。それまでのPDMシステムでは、CATIAデータは管理できるものの、NXデータは管理できない課題がありました。
エフテック様では、グローバル開発環境を支える基盤の要件として、24時間365日ノンストップ稼働を実現する高い可用性や、迅速な障害復旧やBCP対策、セキュリティ、システム変更容易性等を設定され、コスト面含め検討された結果、業務の継続性や性能向上の柔軟性を重視しクラウドサービスを活用されることを決定しました。
クラウド内の高帯域ネットワークが利用でき、各拠点からアクセスポイントまでの通信費以外は不要であること、システム構成も仮想環境であることにより拡張や構成変更が容易に行えます。
従来までのオンプレミス構成(サーバ購入して設置)に比べ初期費用が不要で、クラウドサービス利用料金へシフトすることで圧倒的なコストダウンと、トライアル環境構築に1か月、全体で本番環境構築までに半年という短期間の導入を実現出来ました。
エフテック様におけるTeamcenterの構成は、グローバル開発環境の実現を目指し、クラウドサービスの特長を活かした、「シングルDB・マルチボリューム/キャッシュ構成」としました。
Teamcenterのあらゆる情報を管理するデータベースは、グローバルで1つとしクラウド内に配置することで、いつでもどこからでも同じ情報をリアルタイムに共有することが可能です。また、グローバルで最適な配置となるよう、クラウド内のデータセンタを選択されています。
CADデータや解析データ等の容量の大きいファイルについては、各拠点に「ボリューム/キャッシュサーバ」を配置することで、拠点内のファイル読み書きはLAN環境と同等のレスポンスを確保しつつ、バッチ処理でマスターボリュームへ転送することで、グローバルなデータ共有環境を実現しています。
統一されたシステム、データベースに、検討中のCADデータから登録、更新することや、解析データや関連ドキュメント等とセット管理することで、リアルタイムで正確なデータ共有が可能となり、手戻りによる無駄の排除や、工数分散による開発コスト低減を図ることが出来ます。またCADデータ保存時にビューワデータも生成、Teamcenterに登録されることで後工程の担当者が簡単に設計データを参照できるようになりました。
上記の実現による効果として、特に情報伝達のスピードアップや管理精度の向上が図られ、グローバルにボーダーレスのコミュニケーションが行えるようになりました。このことにより、各R&Dの特色を生かした開発へと、更なるステップアップを図ることが出来ます。
エフテック様では、Teamcenterによるグローバル開発環境の業務利用が進む中で、さらにより良い環境とするため、通信環境の改善や、データセンタの移設などに取り組まれております。
グローバル開発環境が整ったことで、エフテック様では今後、拠点主導型からプロジェクト主導型への転換、グローバルなリソースをフル活用した「最適リソースによる開発」によりビジョンに向けて活動されます。
エフテック様のTeamcenterに対する高いご期待に応えるべく、弊社としてもより一層サポートやシステム開発を通じてご支援させていただく所存です。
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