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DIPROニュース

2023

10月号

2023.10.10

最新バージョン DIPRO VridgeR V4.10のご紹介

製品一台分のDMU
製品一台分のDMU
日産自動車株式会社様ご提供

DIPRO VridgeR(以下VridgeR)は、革新的な3D表現の技術により、超高速・高性能な大規模DMU(デジタルモックアップ)ツールとして、航空機や自動車、建機、造船業界など製造業のお客様に先進的な業務スタイルをご提供しています。

この度、VridgeRは、

  1. DMU機能追加・強化
  2. StandardライセンスでのAPI利用
  3. 最新CADバージョンへの対応

をおこない、新バージョンV4.10としてリリースを予定しています。V4.10の概要についてご紹介します。

1.DMU機能強化・改善

3Dデータ活用の視点から、DMUは一つの到達点となります。実製品と同じ状態、条件を再現できるため、実製品が無い段階で製品成立性の検証が仮想空間上で可能となります。実製品の製作前に干渉や接触、隙間(クリアランス)チェックができれば、実機での不具合を防ぎ、設計品質の向上、コスト削減、開発期間短縮につながります。

VridgeRは、DMU業務全体の「期間短縮」、「検討品質の向上」を目指し、DMUの課題解決に取り組んできました(参照:本田技術研究所様での適用事例)。ネジ首下縮小による干渉チェック件数削減、干渉 / クリアランスチェックの前回結果取り込み機能による結果確認作業の効率化により、お客様から高い評価をいただいています。このような課題解決を通し、出図までデイリーなDMU実施を可能にすることで設計 / 開発プロセスでのDMU定着を目指しています。

今回の新バージョンでは、重複結果の自動削除、前回結果取り込み改善などの機能強化により、さらなるDMU業務の効率化を目指しました。

【関連記事】

DIPRO VridgeRによる高速干渉チェック + 重複チェック排除で実機における干渉不具合ゼロを目指す
[DIPROニュース2015年7月号]

断面ビュー機能の強化

クリアランス結果を詳しく確認するための断面作成では、適切な位置で断面が作成できず、クリアランス線が隠れ、確認作業を妨げてしまうという課題がありました。これにより、効率的にクリアランス確認が行えませんでした。

新バージョンでは、クリアランス線を中心とした断面を作成し、その断面を回転させて、確認できるように機能を改善しました。これにより、クリアランス状態の確認を容易にし、結果確認作業の効率化を図りました。

クリアランス線中心の断面により、クリアランス状態を容易に確認可能

重複結果の削除

設計初期は、仮置きデータなどの検討中データが複数あるため、干渉チェックを実施すると、同一結果が複数検出されてしまいます。従来は、この同一結果を人手によって一つ一つ確認しながら削除していましたが、多大な手間がかかり、また、人手によるヒューマンエラーが発生し、確認・削除漏れによる検証品質の低下につながっていました。

そこで、必要な結果のみを確認できるように検討中データによる同一結果を除外する機能を実装しました。これにより、ボタン操作1つで設計初期でも干渉チェックの結果確認が効率的に実施できるようになり、人手による確認・削除の手間を省き、ヒューマンエラーによる検討品質の低下を防ぎます。

セルフチェック設定のインポート / エクスポート

VridgeRでは、ユニット間の干渉チェックを効率的に進めるために、指定した階層をユニットとして扱い、ユニット内の干渉チェックを実施しないセルフチェック機能があります。しかし、設計変更や仕様 / 仕向け違いで3Dモデルが変更され、再度、干渉チェックを実施する場合、セルフチェックについても再度設定をしなければならず、効率化の妨げになっていました。

そこで、設定したセルフチェックの条件を引き継げるようにしました。これにより、セルフチェックの繰り返し設定による手間を省き、結果の確認作業にのみ注力できるようにしました。

前回結果取り込みの改善

繰り返し干渉チェックを実施する場合、VridgeRでは「前回結果取り込み機能」を用いることで、前回の確認済み結果を反映させ、未解決問題のみの結果を確認できるようになっています。この前回結果取り込みに表示状態の設定(シーン透過、結果の全面表示、引き出し線表示)も反映できるようにしました。

これにより、前回の確認内容を反映させるだけでなく、前回設定した見やすい構図やコメントも同時に取り込むことで、確認作業を効率化しました。

シーン透過 結果の前面表示 コメント
※クリックすると拡大します

不具合内容の履歴設定

VridgeRでは、干渉 / クリアランスチェック後に、各結果に対して不具合内容を入力できます。その際に、前回入力した内容を履歴として持つことで、同一内容の繰り返し入力を簡単にできるようになっています。しかし、誤った入力内容も履歴として残り、履歴から選択してしまうことが発生していました。

そこで、特定の登録した内容のみを履歴から選択できるようにし、入力ミスを防止することで、入力作業の効率化を可能にします。

2.StandardライセンスでのAPI利用

3Dデータ活用による検討・検証業務の効率化には、既存の業務システムとのデータ連携がカギとなります。システムを跨いだデータ連携、自動処理は、3Dデータ活用にかかせません。そのためVridgeRでは、特定の操作をAPIにより自動化することが可能となっています。これまでは、Pro版でのみご利用可能だった、API機能についてV4.10からStandardライセンスでもご利用いただけるようになります。

これにより、例えば、帳票転記の自動化や検査表Excelと3Dデータの連携を可能にし、Standardライセンスご利用のお客様においてもAPIを活用した業務の自動化・効率化を進められるようになります。

Excelマクロボタンから対象部品をAPIで選択、表示切替 属性情報をAPIでVridgeRに追加 VridgeRから3Dデータ情報をAPIを用い自動抽出
APIによる他アプリからのVridgeR操作、情報抽出
※クリックすると拡大します
人手を介さず、大量データの自動処理を実施するためのAPI機能については、従来通りProライセンスでのご利用となります。

3.最新CADバージョンへの対応

以下のCADバージョンに対応しました。お取引先様や部門間で授受される最新のファイル形式をVridgeRで読込めます。

  1. NX 2212 series(Continuous Release)/ 2306 series(Continuous Release)
  2. CATIA V5-6R2023(R33)
  3. iCAD SX(V7L7以降のバージョン)
iCADデータを読み込む場合は、iCAD SXがインストールされている必要があります。

最後に

今回ご紹介した機能の他にも、DMU関連機能を中心にお客様からの声を元に機能を追加・強化しました。新機能の詳細やご不明な点などございましたら弊社までお問い合わせください。

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(3D技術ビジネス部 橘川)

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