COLMINA デジタル生産準備 VPS IOC(以下 VPS IOC)はFA業界などにおける実機レス制御検証環境を提供するソフトウェアです。近年では、工場の自動化の流れが加速しており、設備の制御プログラムの品質向上が重要な課題となっています。VPS IOCは実機がない段階で制御プログラムのロジック検証を行うことにより、QCD(品質・コスト・納期)の作り込みを支援し、開発リードタイム短縮と手戻り工数の削減を促進します。
2022年11月にリリースしましたVPS IOC V20L21では、位置決め制御機能改善に焦点を当て、これまでのユーザー様のご要望を元にサーボモータや位置決めコントローラの機能改善を行いました。以前の機能で動作させるためには、制御プログラム自体を変更する必要があり、デバッグとしての効果が得られませんでしたが、速度オーバーライドや位置決めデータテーブルの動的変更といった制御方法に対応して検証可能な位置決め制御動作の幅を拡張しました。
サーボモータを「速度制御」モードで動作させる場合、動作中のサーボモータを停止することなく目標速度が変更できるようになりました。従来は速度変更時に一度サーボモータを停止する必要があり、シームレスな速度変更動作を行うことができませんでした。今回、複数のユーザー様からのご要望を受けて現在速度からの速度変更に対応しました。インバータの代用で実現できなかった直動動作での速度制御動作が可能になりました。
位置決めコントローラの「モータ制御対象外」設定を外部入力信号で切り替えられるようになりました。これによって、位置決めコントローラを使ったポジション番号指定の制御方法と絶対位置指定などで直接サーボモータを制御する方法をシミュレーション中に切り替えることができます。
例えば、目標位置を直接指定して動作させ、そこから位置決めコントローラで予め登録しておいた位置を使用して自動運転を開始するといった位置決めデータテーブル運転とサーボモータの直接運転の切り替えを含む動作検証が実現できます。
シミュレーション中に位置決めコントローラの位置決めデータ情報を外部信号で変更できるようになりました。特定の番号の位置決めデータを変更して制御する場合や、連続動作の動作位置を変更したい場合などにお使いいただけます。
例えば、ポジションテーブルはPLCで管理し、それを位置決めコントローラに転送して番号指定で動作させるような場合、IOC上に1つの位置決めデータを作成しておき、その位置決めデータに外部入力信号を割り当て、PLC側のポジションテーブルのパラメータをIOCに渡すことで、動作パターンを切り替えながらの位置決め動作を検証することができます。
弊社を始めとした富士通グループPLM関係各社では皆様のご期待に沿えるよう邁進してまいりますので、今後ともご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。
VPS IOCの詳しいご紹介はDIGITAL PROCESS SHOWROOM VPSよりご覧ください。
DIGITAL PROCESS SHOWROOM VPS(会員登録制)(富士通サイト)
デジタルプロセス株式会社 VPSインフォメーションセンター 手嶋、川人、吉田、内藤
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