4月下旬より、シーメンスが開発するミッドレンジCAD、Solid Edgeの最新バージョン2022のリリースを予定しています。新バージョンのSolid Edge 2022には、保守締結されたお客様の特典として2.5軸CAMが使えるようになるなど多くの機能追加・改善があります。
今回はその中から、(1)保守契約のお客様特典の2.5軸CAM機能の搭載、(2) Design Configurator機能の搭載、(3)工場系配管流体解析システムとの統合に関してご紹介します。
Solid Edge保守契約の特典として2.5軸CAMが無償で使えるようになります。これにより、Solid Edgeで作成したデータを製造工程までより効率的に活用できるようになります。
CAMとSolid Edgeの間ではデータが連携しているので、Solid Edgeでの設計作業に変更が発生してもCAM側に変更を渡せるため、Solid EdgeとCAMの作業を同時並行で進められます。またSolid EdgeからCAMの連携は起動ボタンを押すだけで、簡単にSolid Edgeのデータを渡すことができます。利用できるCAMは実績あるNX-CAMの機能です。その優れた機能・操作性を用いてCAMの作業を進めることができます。
CAMの検証機能も備わっているので、パスなどの事前チェックを行えます。検証でOKになったら、ポストハブのデータベースから加工に使うマシンを検索して必要な出力を行うことができます。今回追加された無償CAM機能により、Solid Edgeで作成した設計データを製造工程でもさらに効率的に活用できるようになります。
Solid EdgeとCAMの間では、部品だけでなく、さらにアセンブリをそのまま渡すことができます。加工対象の部品と治具のアセンブリをSolid Edgeで作成してからCAMに渡すことにより、部品単体ではなく治具なども含めた状態での加工検証が行えるので、製造検討をより効率的に行うことができます。
受注生産などで、お客様の仕様に合わせて製品設計を行うプロセスでは、要求仕様に合わせて標準的な製品の構成や部品を変更して対応することが多くあります。この場合、要求仕様に対して所定のルールで構成や部品の変更を行いますが、その作業には多くの工数がかかり間違いなども発生していました。
今回提供されるDesign Configuratorは、これらの構成の変更や部品の変更をルールとして管理し、要求仕様を入力すると自動的に所定の変更を行うものです。これにより、仕様を指定するだけで受注設計の製品を完成させることができるため、工数や間違いの削減を期待できます。
図のように積載する対象物の重さやサイズ、足のタイプなどをダイアログから選択すると、それに応じた条件を内部で自動計算して、所定の装置を自動生成することができるようになります。
Design Configuratorは使用条件入力のダイアログボックスを図なども含めて作成できるので、実際の設計者の方も直感的に仕様を入力できます。ルールに応じて変更する必要がある製品の設計変更の作業時間の削減効果を期待できるオプション製品です。
配管の流れ解析システムFloMASTERとSolid Edgeを連携させ、3DCADのデータを効率的に活用して、配管の流れ解析を行う機能を提供しています。FloMASTERは非常に優れた配管解析システムですが、解析の要素情報の作成に多くの時間がかかっていました。Solid Edgeの中の配管形状から、抽象化度合いを設定して、解析用の配管経路情報を簡単に取り出すことができるようになりました。
Solid Edgeから渡された経路情報を使い、さらに流路に関する情報を定義していきます。配管の要素や属性情報などの条件設定をするだけで、静的な解析や動的な過渡応答の解析を行うことができます。流路やタンクの圧力などの挙動を簡単に確認できるので、配管設計を効率的に進められます。
Solid Edge 2022はオプション製品を中心に新たな機能をご提供します。ぜひ、新バージョン2022をご活用ください。
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