DIPROの電子情報管理システム構築サービスは、21世紀に通用する電子制御システム開発を実現するために、ソフトウエアなどの開発成果物や各種データ類の管理システムの整備、情報管理関連のプロセスやしくみ作りを通して、製品開発の業務効率化や品質向上のご支援をさせていただくものです。
今年の6月に、国連の自動車基準調和世界フォーラムで、ソフトウエアアップデートに関する国際基準が成立しました。車両の型式認証にあたっては、この国際基準を満たす体制とプロセスがあることが求められると共に、ソフトウエアの適切な管理が、自動車メーカーや部品サプライヤに求められることになりました。
具体的には、認証機能に関連する電子制御ユニットについて、以下のような対応が必要となります。
上記のような対応を行うためには、そのベースとなる各電子制御ユニットのソフトウエアのバージョン管理が確実に実施できていることが必要となります。またソフトウエアのアップデートにあたっては、各電子制御ユニットのソフトウエア変更の影響分析を行うことが必須となり、さらには改ざん防止や不正アクセス、情報漏洩を防止するためのサイバーセキュリティに関する対策も必要となってきます。
こうした対応を行うためには、各ソフトウエアと関連情報をセットで管理していく必要がありますが、実態は、サーバー上でフォルダに分けて「管理しているつもり」になっているケースが多いと言われています。実際、フォルダ管理は、バージョンやバリアント毎のソフトウエアの仕様違いや、各ソフトウエア間の互換性や派生関係がわかりにくくなり、変更影響分析の際に抜け漏れが発生するリスクが大きくなります。
システムによるソフトウエア管理は、情報管理を目的としたシステムとなりがちです。情報管理視点でシステムを導入すると、設計者のメリットが少なく利用の手間が増えることにより、活用がなかなか進まない、ということがあります。
DIPROの強みは、「モノづくりの知識・経験」と「情報技術=IT」の融合です。ユーザーごとに違うプロセスや開発データ類の構成や運用実態を考慮した、ユーザーオリエンテッドな使い勝手の良いソリューション提案を通して、開発業務の効率化や品質向上を目指した、“使える“システムの構築のご支援をさせていただきます。
私達は、最初にお客様の業務分析から始めます。お客様特有の業務プロセスやソフトウエアを始めとする開発成果物の運用状況を把握して、改善すべき課題やご要望をリストアップします。お客様が感じている課題やご要望はもちろん、DIPROの有するモノづくり経験やISOなどのモノづくりに関する基準との比較も含め、広範囲の視点で課題をリストアップしていきます。
次に、リストアップした課題の解決方策案を作り上げていきます。あるべき姿を元にシステムで管理すべき項目を明らかにした上で、実際のお客様の業務プロセスに合わせて、システム開発のための業務要件を作成、更に業務プロセスの改善や仕組みなどの課題解決の具体的方策を提案します。ここであるべき姿としてDIPROの有するモノづくり経験とISO26262(機能安全)やISO21434(サイバーセキュリティ)などの標準 / 規準を考慮した、最適解を作成します。これらを元に、お客様の実態に合わせた実現項目を提案させていただき、現実的な管理システムの要件定義を作成、システム開発へつなげます。
このようにDIPROでは、モノづくり経験者がユーザーの立場で業務要件やプロセス・仕組みなどを検討することを通して、ユーザーの手間が増える管理手続きを抑え、利便性を考慮した、モノづくりの品質向上 / 効率向上のための提案を行います。
今回ご紹介したのは私たちが実施している「電子情報管理システム構築サービス」の一例です。本件を担当しているDIPROエレクトロニクスエンジニアリングサービス部は、自動車OEMの出身者も多く、自動車業界関連のOEMやサプライヤのサポートの経験も豊富です。これらの自動車関連のシステム開発の経験を活かして、業界特有の開発プロセスへ対応した業務改善やシステム提案、お客様の使い方に合わせたカスタマイズを含めた電子情報管理システム構築サービスをご提供します。開発品質向上や、業務効率向上でお悩みの際には、ぜひ一度ご相談ください。
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