弊社より近日中にリリースを予定していますSimcenterについてご紹介いたします。
Simcenterは、これまでNX CAE/NX Nastranとしてご提供していた製品を核に、今後追加を予定している解析製品群を含めた、シーメンスPLMソフトウェアの新たな製品ブランド名です。
今回は、このSimcenterへの名称変更の背景等も含めた、以下の内容をご紹介いたします。
製品開発スピードや開発技術の変化に伴い、開発手法も時代とともに進化し続けています。過去においては、設計・製造現場では、図面を介して設計や製造の情報を伝達し、製品性能の検証は試作・実験が主流でした。
現在では、図面に代わって、設計や製造の情報はデジタルモデルが主流となり、製品性能の検証にはCAEが主流となりつつあります。しかし現時点では、デジタルモデルやCAEで得られた情報は、個々の開発・製造現場で共有されるに留まり、それぞれの情報が製品開発全体で共有されることは少ないのが現実です。
このような状況の中、製品開発のシステム化が進んできており、今後は、Industry4.0で提唱されているように、製品情報は、“システムモデル” ※1として製品全体の情報が結びつくようになり、製品性能の評価も、“Digital Twin” ※2と呼ばれる形態で、システムモデルと一体となり開発が進むことが予想されます。
これらの製品開発のトレンドに対応すべく、シーメンスPLMソフトウェアでは、今後の開発環境として従来のNX CAE/NX Nastranを基盤としたSimcenterをリリースします。
システムモデルおよびDigital Twinによる製品開発では、多くの情報量を活かした、予測型エンジニアリングが可能となります。たとえば、開発の各段階で、以下のような情報の統合や検討を随所で実施することが可能になり、そのためのツールとしてSimcenterが活躍します。
Simcenterにはいくつかの製品領域がありますが、近日中にリリースを予定しているのはSimcenter 3Dと呼ばれる製品領域です。
これらは、従来NX CAEおよびNX Nastranとしてご提供していた製品領域です。リリース時には、NX CAEおよびNX Nastranの従来機能に、新機能を加えてのご提供となりますが、各製品名称および一部コマンド名称が変更になります。ただし、ユーザーインターフェースおよび操作感は従来のNX CAEおよびNX Nastranと変わらないため安心してご利用いただけます。
また、製品構成は、従来通りNX CADに追加いただいて使用する形式と、Simceter単独で使用していただく形式に分かれています。お客様の運用環境にあわせて、選択いただくことが可能です
最後に、今回のリリースにあわせて追加された新機能・新製品「位相最適化」についてご紹介いたします。位相最適化解析は、以下の設計検討に有効なツールです。
また、上図のように開発ステージの上流段階での活用が、より効果的なツールでもあります。例えば、簡易なモデルの事例ではありますが、下図のようなマウントや鉄塔での適用例で、どのような効果が期待できるかはご理解いただけるのではないでしょうか。
ぜひ、今後のSimcenterのリリースにご期待ください。
なお、Simcenterに関する不明点やご質問などがございましたら、弊社まで気軽にお問い合わせください。
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