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DIPROニュース

2017

4月号

2017.04.10

Simcenterのご案内

弊社より近日中にリリースを予定していますSimcenterについてご紹介いたします。

Simcenterは、これまでNX CAE/NX Nastranとしてご提供していた製品を核に、今後追加を予定している解析製品群を含めた、シーメンスPLMソフトウェアの新たな製品ブランド名です。

今回は、このSimcenterへの名称変更の背景等も含めた、以下の内容をご紹介いたします。

  1. 製品開発手法の進化
  2. Simcenter = 予測型エンジニアリングツール
  3. NX CAE → Simcenter 3D
  4. Simcenter 3Dトピックス

1.製品開発手法の進化

製品開発スピードや開発技術の変化に伴い、開発手法も時代とともに進化し続けています。過去においては、設計・製造現場では、図面を介して設計や製造の情報を伝達し、製品性能の検証は試作・実験が主流でした。

現在では、図面に代わって、設計や製造の情報はデジタルモデルが主流となり、製品性能の検証にはCAEが主流となりつつあります。しかし現時点では、デジタルモデルやCAEで得られた情報は、個々の開発・製造現場で共有されるに留まり、それぞれの情報が製品開発全体で共有されることは少ないのが現実です。

このような状況の中、製品開発のシステム化が進んできており、今後は、Industry4.0で提唱されているように、製品情報は、“システムモデル” ※1として製品全体の情報が結びつくようになり、製品性能の評価も、“Digital Twin” ※2と呼ばれる形態で、システムモデルと一体となり開発が進むことが予想されます。

これらの製品開発のトレンドに対応すべく、シーメンスPLMソフトウェアでは、今後の開発環境として従来のNX CAE/NX Nastranを基盤としたSimcenterをリリースします。

イメージ図
※1)
システムモデル=デジタルモデル(DMU)と制御系や、その他の開発情報を統合した製品表現を示します。
※2)
Digital Twin=CAE、実験、その他の性能諸言を一体として扱う考え方。実機をコンピュータ上に再現するという意味で、デジタルの双子という呼び方をしています。

2.Simcenter = 予測型エンジニアリングツール

システムモデルおよびDigital Twinによる製品開発では、多くの情報量を活かした、予測型エンジニアリングが可能となります。たとえば、開発の各段階で、以下のような情報の統合や検討を随所で実施することが可能になり、そのためのツールとしてSimcenterが活躍します。

  • Digital Twinの提供(CAEおよび実験による情報を統合し、開発の各段階において可能な限り実際に近いモデルを提供)。
  • CAEと物理現象(実験)を統合することで、全ての重要なシステム性能特性に統合。
  • 製品とそのシステムモデルを同期させながら時間と共にモデルを進化させる。
  • より良い設計案を見出すために、性能分析と設計探索が容易にできる。
イメージ図

3.NX CAE → Simcenter 3D

Simcenterにはいくつかの製品領域がありますが、近日中にリリースを予定しているのはSimcenter 3Dと呼ばれる製品領域です。

イメージ図

これらは、従来NX CAEおよびNX Nastranとしてご提供していた製品領域です。リリース時には、NX CAEおよびNX Nastranの従来機能に、新機能を加えてのご提供となりますが、各製品名称および一部コマンド名称が変更になります。ただし、ユーザーインターフェースおよび操作感は従来のNX CAEおよびNX Nastranと変わらないため安心してご利用いただけます。

また、製品構成は、従来通りNX CADに追加いただいて使用する形式と、Simceter単独で使用していただく形式に分かれています。お客様の運用環境にあわせて、選択いただくことが可能です

  • NX CADに追加いただいて使用する形式
    イメージ図
  • Simceter単独で使用していただく形式
    イメージ図

4.Simcenter 3Dトピックス

最後に、今回のリリースにあわせて追加された新機能・新製品「位相最適化」についてご紹介いたします。位相最適化解析は、以下の設計検討に有効なツールです。

  • 部材(材料)を配置可能な設計空間領域を決めます。また、この領域に対し、重量を最小化し設計要件に合う最適な材料配置を求めることが可能です。
  • 早期の構想設計検証において有効なツールです。構造部材配置を最小化する最良設計候補を抽出し、形状外形を決める最良な設計可能候補を抽出することが可能です。
  • 現設計においても、さらなる軽量化検討に有効なツールです.(不要部材の抽出)
イメージ図

また、上図のように開発ステージの上流段階での活用が、より効果的なツールでもあります。例えば、簡易なモデルの事例ではありますが、下図のようなマウントや鉄塔での適用例で、どのような効果が期待できるかはご理解いただけるのではないでしょうか。

イメージ図
位相最適化解析例 : マウント
イメージ図
イメージ図
位相最適化解析例 : 鉄塔

ぜひ、今後のSimcenterのリリースにご期待ください。

なお、Simcenterに関する不明点やご質問などがございましたら、弊社まで気軽にお問い合わせください。

(デジタルコンテンツサービス部 次長SE 辻村)

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