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DIPROニュース

2004

3月号

2004.03.10

DIPRO VridgeR V3.0 の主な開発内容

主な改善点としては、

  1. メモリ消費量の半減(ファイルサイズの半減)
  2. フル・インスタンス対応
  3. 描画速度の高速化
  4. 頑健な板厚機能(オフセット機能の高速化および信頼性向上)
  5. 干渉チェック処理の高速化

などがあります。

1. 頑健な板厚機能

従来ご提供させていただいているVridgeR V2.2に比べて、同一のCADデータを読み込んだ場合、平均で約半分のメモリ消費量に抑える改善を行いました。これにより同じメモリサイズのPCでは、約2倍のCADデータの読み込みが可能となります。さらにVridgeR V2.2で保存したデータは、再度CADから変換することなく、読み込み操作だけでメモリ消費量を半減させることができます。

また、メモリ消費量を抑える副次効果として、各アプリケーションでのメモリ利用効率が向上し、システム全体の性能向上にも貢献します。当然、メモリ使用量半減に伴い保存ファイルサイズも半減されるというVridgeR独自の利点はそのまま継承しています。これにより、従来に比べさらに大容量のデータ(航空機1機分のデータ)の読み込みを可能としています。また、メモリ消費量を抑えることにより各アプリケーションでのメモリ利用効率が向上、システム全体の性能向上が期待できます。

さらに、メモリ使用量低減に伴い保存時のファイルサイズも低減されています。

2. フル・インスタンス対応

大規模アセンブリには、同じ形状の部品(例えばボルトやナット)が複数存在することがあります。それらを共通部品として扱えるインスタンス表現を実装しました。これにより、共通部品を一度に扱うことができるだけでなく、無駄なメモリ消費を抑制することができます。もちろんCAD上でインスタンスとして定義されている共通部品については、VridgeR V3上でもインスタンスとして取り込まれます。さらに、VridgeR V3は部品形状のインスタンス表現のみではなく、全てのアセンブリ階層でのフル・インスタンス表現へも対応しています。これにより、エンジン・アセンブリを北米と国内の仕向地(左右ハンドル違い)違いで、複数配置するヴァリエーション検討をデータ容量の増加なしに行えます。

頂点部分の精度向上
図. 頂点部分の精度向上

※ インスタンスについて
インスタンスとは、1つの形状を複数の形状として表現する機能です。例えば、同一規格のボルトであれば、内部では1つの形状データを保持し、複数の配置情報と組み合わせることで複数のボルトとして表示することができます。VridgeRでのインスタンスは形状のみでなくアセンブリにも対応しています。

3. 描画速度の高速化

扱える3Dデータ容量の倍増に伴い、回転や拡大操作の軽快さを保つために、従来よりおよそ30%表示速度を高速化しました。

4. 描画速度の高速化

自動車のドアインナーに代表される内板部品等の複雑な板物形状に、板厚分のオフセット面を作成することは高価なソリッドCADを用いても満足な信頼性が得られませんでした。VridgeR V3では、DVXの立体形状表現を活かした板厚専用機能を新開発し、失敗のない高信頼性のオフセット機能を、一瞬で作成できる高速性を加えてご提供します。

5. 干渉チェック処理の高速化

干渉チェック結果
図. 干渉チェック結果

干渉チェック処理の結果として、接触・干渉・内包の判定を区別するように改善しています。(干渉チェック結果表示画面の引き出し線の色を替え、接触・干渉・内包を区別して表示することで視認性を向上させています。)

さらに、従来から高速と定評のある干渉クリアランスチェック時間を、さらに20%の高速化を実現しています。

以上、ご紹介いたしました他にも、ユーザーの皆さまのご要望に沿いますよう、さまざまな改善を織り込みまして、4月リリースを予定しております。

また、今後の予定として読み込み可能なCADシステムの追加も計画しております。保守サービスにつきましても、今まで以上にお客さまのお役に立つよう努力して参りますので、今後ともDIPRO VridgeRをご活用頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。

(第一開発部 課長 荒井 宏之)

※掲載されている車両(または、その一部)の画像は、日産自動車株式会社様のご提供によります。

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