MENU

DIPROニュース

2004

6月号

2004.06.10

E‐Methodology ~DIPROの「エンジニアリングワーク効率化手法」~

この10年間の3次元CADの普及は目覚しいものがあります。お客様の3次元CAD適用による期待値は以下の3つが代表的なアイテムといえます。

  1. DMU(デジタルモックアップ)の実現でアセンブリの干渉不具合はなくなる。
  2. 構造解析による予測設計も実現。
  3. 3D(3次元)データがあれば型作り(CAM)の品質・コストが向上。

数多くの事例が上記アイテムについて3次元CADの成果を実証しています。しかしながら同時に、3次元CADを使いこなすための「設計者の工数増加」や「専任CAD/CAMデザイナの設置」などの対応策が必要となり、成果を生み出すためとは言え、CADモデリングを初めとした「3次元CAD使いこなし工数増加」が大きな問題として顕在化してきました。

私たちがE‐Methodologyで効率化をご支援します。

「3次元CAD使いこなし工数増加」への対応策は以下の3つの方策があります。

  1. 専任のエキスパートを育成する。
  2. 操作手順を標準化し、システムのカスタマイズで半自動化する。
  3. 操作手順を標準化し、マニュアル化・雛型化する。

エキスパートの育成はとにかく繰り返し習熟することが効率的であり、確実な方策である。しかしながら、無尽蔵に専任要員をアサインすることは組織運営上、難しいことが多い。数多くの設計者や生産技術者に効率よく3次元CADを使いこなして成果を上げるためには、(2)(3)の標準化手法を活用することが重要です。(「雛型」とは、繰り返して活用する操作手順をあらかじめデータベースとして登録しておいた、半自動化手法のことです)

適用効果

もっと、3次元CADの特長を生かして使うことで、製品開発の質と量を向上させることができるはずです!!

弊社は、過去5年間に部品メーカー殿の業務を手伝わせていただきながら蓄積したノウハウを基盤に、世の中で「ナレッジCAD」「How To Modeling」等と呼ばれている「実務技術者のノウハウ」をDIPRO流に「標準化」する手法を開発し「E‐Methodology」と名づけてお客様にご提供できるよう工夫しました。

進め方

上図に記述したように「3次元CADを用いる前の業務手順(プロセス)」や「現状の3次元CAD活用手順」等を、詳細に分析し、弊社が培った「経験ノウハウ」を織り込み、新たな「効率化プロセス」を生み出します。

生み出した「効率化プロセス」を、3次元CADの使いこなし基点とするための「雛型」や、画面上での「操作ガイダンス」に落とし込むと同時に、マニュアル化(操作手順書)します。さらに、現場の技術者が新たな「効率化手法」を使いこなせるようになるまで、徹底した教育や使いこなしサポートを実施させていただきます。弊社のモットーである「使いこなしで成果の出るまでの」結果責任を全うします。

ベテラン設計者・生産技術者のノウハウを織り込むことにより、どの製品にも共通する「当たり前設計仕様」に関しては、1年生設計者でもベテラン設計者と同様の「確実なアウトプット(設計結果)」を出せるようにすることも、目標のひとつです。

事例

上記の事例は、自動車のドアのガラスまわりをシーリングする「グラスラン」と呼ばれる車体部品での「E‐Methodology」適用事例です。「グラスラン」は車両のドアのフレームとガラスなどの可動部品の間の隙間を埋めるシール部品です。部品の特性から、内外両方の部品の設計形状に合わせて設計する必要があり、車体設計内容の変更により、「グラスラン」の設計が大きく左右される厄介な部品です。さらに、成形用の型の設計にも多くのノウハウがあり、生産要件を製品設計に織り込む必要があります。今回の「E‐Methodology」で実現した「効率化プロセス」のポイントは以下の2点です。

1. 頻繁に発生する「車体側の設計変更」に柔軟に追随できること

単なる自動化でなく、「手作業で柔軟に対応できる」部分と、必ず繰り返す「半自動化部分」をうまく組み合わせることにより、柔軟性と効率化を両立させた。

2. コーナーR部の難しい形状モデリング手順にDIPROのノウハウを織り込みやり直しなしの一発モデリングを実現したこと

コーナーRやフィレット部など3次元ソリッドモデル作成に苦労することが多いが、この一番難しいソリッドモデリング手順に弊社の長年の実務経験を生かした。また、押し出し成形型とコーナー部のインジェクション成形型の生産要件から来る製品設計への織り込み要件についても今回実装することが出来、実務に活用し大きな成果を上げることが出来ました。

ぜひ皆様の3D業務効率化のお手伝いを

今後の商品開発業務増加に対応するため、「リソースの強化」ももちろん不可欠ですが、特に増加が見込まれる「3次元CAD業務」の効率化も重要な課題となってきます。皆様の業務効率化を少しでもご支援できれば弊社として幸せに感じます。ぜひ、弊社営業担当に一言声を掛けていただければ幸いです。

(デジタルコンテンツサービス部 課長SE 平木 文夫)

TOP