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DIPROニュース

2005

11月号

2005.11.10

EZ電極モデリングのご紹介

放電電極作成

放電加工条件、位置

製品開発においては、デジタル化の急激な進展により、これまで以上に3次元CADデータを活用した開発プロセスの効率化、短縮化が求められるようになりました。

一方、金型製作は開発期間全体に占める割合も大きく、その中でもリードタイムの長い放電加工は、金型製作期間短縮における大きな課題となっています。

弊社では放電加工効率化実現のツールとして、昨年10月より「EZ電極モデリング」を提供させていただいています。また本年8月には、機能を大幅に向上させたバージョン2.0の提供を開始いたしましたので、本機能の概要についてご紹介いたします。

「EZ電極モデリング」は、NX(Unigraphics)上で稼動し、3次元放電加工用電極設計(電極ソリッド自動作成)、加工情報(条件、位置)の出力、という2つの大きな機能を有しています。

3次元放電加工用電極設計

3次元放電加工用電極設計

放電加工では、まず型に相当する電極を作成し、その電極を利用して反転加工を行います。電極は製品を単純に反転するだけでなく、揺動の形態にあわせて隙間分だけソリッドの縮小を行う必要があります。

3D放電加工用電極設計機能では、放電加工領域を画面上で指示するだけで、放電加工用電極の先端部分のソリッドが自動で作成されます。また、作成したソリッドに、揺動(球、四角、円、半筒)を考慮した減寸変形を自動で適用します。テンプレート登録された土台部分を追加することで、ひとつの放電電極が完成します。

放電加工情報(EPX)出力

放電加工情報(EPX)出力

従来放電加工情報は、CADの持っている情報を加工指示書や図面といった形で放電加工機へ伝達されていました。そのため、作業効率も悪く、放電加工機への入力ミスなども発生していました。

これらの問題を解決するために、日本金型工業会主催のWGにて加工情報の標準フォーマット「EPX」が設定されました。弊社もWGの中心メンバーとして貢献いたしました。

放電加工情報(EPX)出力機能では、3D放電加工用電極設計機能で作成された電極ソリッドを元に、放電加工情報および加工位置を、簡単に「EPX」として出力することが出来ます。また、弊社独自の拡張機能により電極加工作業者が電極形状を視覚的に確認することも可能です。

「EZ電極モデリング」は直感的で簡単なソリッド作成と「EXP」出力、図面レスの推進により、放電加工用電極設計・加工の作業効率化と加工情報伝達ミスの削減を実現いたします。

今後も継続的な機能強化により、お客様の業務効率化推進のお役に立てるよう努力してまいりますので、是非「EZ電極モデリング」をご利用いただき、金型製作の効率化へ結び付けていただければ思います。

(第一開発部 次長SE 半沢 克成)

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