これまでのDIPROニュースでは、モノづくりの現場におけるデータ活用について、その考え方や将来像を取り上げてきました。今回は、2026年4月号で取り上げたデータマネジメントの4ステップ循環構造と、7月号で取り上げた設計現場のノウハウ活用を踏まえ、その「具体化」として、業務データを「使える知見」へと変え、AI活用につなげるプロセスをご紹介します。
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企業には、これまでの業務で作られた資料やデータが数多く蓄積され、検索や再利用のための環境も整ってきました。ただ、「この情報はここのファイルを見れば分かるだろう」とデータを開いてみても、改めてファイルを眺めると、「欲しい情報ではないな・・・」、あるいは「もうちょっと何か参考になるものはないだろうか」と呟く場面は多いのではないでしょうか。実は、この「もうちょっと何か欲しい」という要求が、これまでのデータマネジメントでは欠けていた、整理すべき情報なのです。
従来のデータマネジメントでは、データを保存する環境を整えることに集中していました。ただ「データ量」と「情報量」は必ずしも一致するものではありません。データを集めればデータ量は増えますが、それだけで情報量も増えているとは限りません。従って、データが一元管理された環境下での問題は、「欲しい情報をどのようにデータと紐づけ、保存すればよいか」だと考えます。
では、「情報をデータと紐づける」とはどういうことでしょうか。図で示している通り、これまで一元管理されてきたデータも、ある意味では孤立した節点であり、ファイルとファイル、あるいは情報と情報の間に文字の類似性はあっても、業務上の関係は、意図的に定義しない限り自然に生まれるものではありません。そこで、図のようにデータ同士を意図的に紐づけることで、これまでデータ単体では表現できなかった業務上の意味を構築し、個々のデータを「使える知見」へと変えていきます。

本稿では、このように、データそのものに加えて、その背景やデータ同士の関係を結び付け、業務上の意味を構築することを「意味層の構築」と呼びます。DIPROの支援の特徴は、お客様の要望に沿ったデータの紐づけ方を、お客様と一緒に設計・定義することですが、そこで問われるのは、お客様の業務プロセスをどこまで理解し、実際に使える仕組みとして具現化できるかです。
ここからは、意味層の構築方法、複数の意味層から形成する業務ナレッジの活用効果・イメージをご紹介していきます。
(ア)データの紐づけ
データを紐づける考え方は、扱うデータの種類が変わっても同じように適用できます。ここでは一例として、設計・解析業務のCAD・CAEデータを取り上げ、データのつながりをどのように表現するのかを見ていきます。…
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