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DIPROニュース

2023

9月号

2023.09.11

Space Vertex 新バージョンV3.7のご紹介
~ 3D類似形状検索機能の強化 ~

Space Vertexとは

Space Vertexの起源は、自動車会社で長年鍛え上げられた内製エンジニアリングツールです。そのため、業務フロー / ユースケースに合わせた各種機能を装備し、細かい使い勝手まで考慮したインターフェースや機能間の連携にも配慮されています。現在も自動車会社をはじめ、さまざまな製造業のお客様と共に進化し続けています。

Space VertexはCAD・Viewerでは困難な設計技術検討・生産技術検討を効率よく行うことを狙いとしています。

CAD:〇豊富な機能。△データ読み込みが遅い。大規模データの読込不可。計算時間がかかる。価格が高価。 Space Vertex:〇CAD削減による運用コスト削減。特化した機能により作業効率アップ。CADに戻せるため業務の継続性が維持できる。 Viewer:〇データが軽く高速。安価な価格。△形状編集ができない。CADに戻せない。業務に即した機能がない。

V3.7新機能

Space Vertex の最新バージョンV3.7はV3.6リリースから1年、さまざまなユーザ様のご意見ご要望をお伺いし、徹底的に業務成立性を狙い機能連携を含めた改善を行いました。今回は多数ある改善項目、追加機能の中から、特に類似形状検索まわりの改善内容について、お客様のユースケース、課題なども含めてご紹介します。

ノウハウ活用の実現を追求した、Space Vertexの3D類似形状検索機能

製造業界では顧客要求は多様化しており、それに合わせる形で製品も多様化、複雑化しています。

Space Vertexのユーザ様から「流用設計のため過去の3D部品から類似部品を探すが探しきれずに、結局新規で似た部品を再度作成してしまう」、また見積もり検討はスピードと精度が求められていますが「材料費以外の加工費などの算出がベテランのノウハウに依存してしまい可視化できていないという課題がある。工程設計書をデジタル化し、過去の類似した部品を製造する際の作業等の効率化、精緻化を図りたい」とのご要望をいただいていました。ご要望の背景には「経験豊富なベテランに業務が集中してしまう、いわゆる属人化」、「検討精度が人によりばらつく」、「過去事例を参照しきれないことによる課題の発生」などの課題がありました。

このような課題を解決するためには社内にある過去のノウハウを活用することが重要です。多くの企業では、モノづくりに関するノウハウは様々なドキュメントに残されています。しかし、経験の浅い人にとって、大量にあるドキュメントから、有益な情報を入手することは難しく、社内にある膨大なノウハウを有効活用できていません。

このような課題を解決するためにSpace Vertexでは、3D形状が似ている製品は工程や不具合発生個所などの課題も似るという観点から、3D類似形状検索機能により流用設計のための過去の3D部品から類似部品を探す、また見積検討のため、過去の類似形状の情報を参照しその部品と紐づいた各種情報のドキュメントを抽出する、といった3Dとノウハウを結び付けて有効活用する機能として開発し、改善を重ねています。

3D類似形状検索機能強化

Space Vertexの類似形状検索機能では、検索したい3D形状を指定することで、最も近似した形状をデータベース内から高速かつ高精度に検出し、形状がより近いと判断されたものから順に検索結果が表示されます。検索速度も6万部品からの検索で3秒と非常に高速です。検索結果をさらにSpace Vertex内で検索元の形状と重ね合わせて比較を行ない、形状の差異を詳細に確認し、対象部品を絞り込むことも可能です。

今回、類似形状検索機能に関し、検索精度向上や見積もり検討業務全体の効率化を目指した改善を行いました。V3.7ではより早く、かつ高精度に過去の類似形状を検索できるようにするため、「軸合わせ」、「属性による絞り込み」、「ベストフィッティング」などの3D形状検索の精度向上・効率化に関する改善、また、ノウハウにあたるドキュメントも簡単に検索できるように「属性のハイパーリンク登録」、「全文検索機能」といった検索された形状から必要な情報を効率的に取得するための機能強化を行いました。

軸合わせ機能

今回、類似形状検索の際に部品の主軸方向を考慮して、全ての軸合わせをして比較するようにしました。これにより、類似形状の検索精度をさらに上げることができました。

属性による絞り込み

形状比較だけでなく、属性による絞り込みも可能とし、検出された複数の類似形状から最も欲しい情報に近い形状をより効率よく探せるようになりました。

属性による絞り込みで形状に紐づいた属性情報で検索結果絞り込みが可能です
※クリックすると拡大します

ベストフィッティング機能

複数検出される検索結果のうち、どの形状が最も類似しているかを最終的に絞り込む際に形状比較を使う、というユーザ様のご要望にお応えし、元の形状と検索結果の形状をSpace Vertexの同一画面に読み込み(データベースに保存した時の位置に読み込まれます)、ベストフィッティングの機能で簡単に位置合わせを行うことができるように改善しました。位置合わせしたものを形状比較することで、微妙な差異も見落としなく確認できます。

類似形状検索の操作例

類似形状検索の操作例 ①	類似形状検索結果形状が近いと判定されたものから順にリストアップされます→②類似形状検索結果の検出された複数の結果から、参照したい形状を選んでSV画面に取り込みます→③ベストフィッティング機能で2つの形状を自動で重ね合わせます→④形状比較機能で形状に差異のある部分を視覚的にわかりやすく確認可能です

属性にハイパーリンクの登録対応

各形状の属性に、ハイパーリンクを登録できるようにし、部品の不具合管理表など関連ドキュメントにも迅速にアクセスできるようにしました。

属性にハイパーリンクの登録で
形状に紐づいた属性情報で関連ドキュメントにもダイレクトにアクセスできます
※クリックすると拡大します

全文検索機能

指定したフォルダ内にあるファイルの一覧内から、ファイル内に書かれているテキスト情報の検索が行える機能を新機能「全文検索機能」としてリリースしました。関連ドキュメントが多すぎて必要な情報をもれなく検索しきれない、というノウハウ活用での課題に対応するための機能です。Space Vertexのネイティブファイル内にある寸法値やユーザ属性の情報からも検索できます。先にご紹介した類似形状検索と合わせて利用することで、検出された既存の類似形状に関連した工程設計書などのドキュメントから関連情報を抜け漏れなく引き出すことが可能になります。

SpaceVertexのネイティブファイル内の注記や寸法値、属性などの文字列も検索対象です
※クリックすると拡大します

NXインポート

NX2206のダイレクトインポートに対応しました。

ライセンスはオプションとなっており、Space Vertex[Import_NXDirect]が必要です。

形状のみ対応、PMIは変換対象としておりません。

その他のV3.7改善機能

他にもお客様の業務効率化にお役立ていただける機能強化を行っています。

  • デジタルモックアップ業務関連機能の強化
    (干渉チェック履歴ファイル出力項目追加、結果の部品単位化等)
  • 板厚作成機能のSolid化対応
  • 内突チェック(頭)機能のNG結果箇所のリスト表示対応
  • 内突チェック(膝)機能のチェック結果リストの改善
  • 荷姿設計機能Undo / Redo対応
  • JT Assembly Color読み込み対応

最後に

各改善内容の詳細は製品ホームページをご覧ください。Space Vertexはこれからも3Dデータでの設計業務を支援していきます。今後もエンジニアリング支援ツール「Space Vertex」にご期待ください。

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Space Vertexは、デジタルプロセスの登録商標です。その他、記載されている商品名は各社の商標、または登録商標です。
(3D技術ビジネス部 課長SE 菅井)

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