2026年7月に東京ビッグサイトで開催された「ものづくりワールド」に出展し、講演では「デジタルスレッド」をテーマにご紹介しました。
近年、製造業では設計・生産技術・製造・品質保証など、部門をまたいだ情報活用の重要性が高まっています。しかし、情報が各部門に分散し、十分に活用できていない企業も少なくありません。こうした課題の解決策として注目されているのが「デジタルスレッド」です。
「デジタルスレッド」と聞くと、大規模なPLMシステムの導入を思い浮かべる方も多いかもしれません。しかし、デジタルスレッドへの第一歩は必ずしもPLM導入ではありません。本稿では、iCAD SXユーザ向け(正式名称:COLMINA 設計支援 iCAD SX(以下、iCAD SX))の全社3D活用プラットフォーム「ViDice(ヴィダイス)」を例に、設計データを起点に情報をつなげ、デジタルスレッドへの第一歩を踏み出すアプローチを紹介します。
DXによる部門ごとの効率化は進んでいますが、実際には、後工程で問題が発見され、設計変更が発生すると、解析・制御・生産準備・製造など、すべての工程でやり直しが発生するケースもあるのではないでしょうか。
その原因はシンプルで、「情報」と「判断」がつながっていないことにあると考えられます。設計・解析・生産準備・製造の各領域は個別に高度化してきましたが、それぞれが別々に情報を管理しているため、後工程では情報の再確認や再入力が必要になります。その結果、設計変更の度に影響調査や修正対応が発生し、「やり直しの連鎖」を招きます。
実際の設計現場では、CADデータだけでなく、BOM、CAE解析結果、仕様書、制御プログラムなど、さまざまな情報が存在しています。これらの情報は異なるシステムやファイルで管理されていることが多く、管理部門もそれぞれ異なります。
そのため、関連する情報を横断的に確認するには、複数のシステムやフォルダを参照しなければならず、情報の転記や確認漏れ、最新版の確認作業が発生し、設計変更時の手戻りや、やり直しの要因となっています。
では、この「やり直しの連鎖」をなくすためには、どうすればよいのでしょうか。
重要なのは、各部門に最適なツールを導入することだけではありません。部門ごとに存在する情報を関連付け、必要な情報をすぐに参照できる状態をつくることです。
こうした考え方が「デジタルスレッド」です。
デジタルスレッドとは、設計・解析・生産準備・製造に分散している情報を、製品や部品を軸につなぎ、必要な人が必要なタイミングで活用できる状態を実現するための考え方です。この仕組みがあれば、設計変更が発生した際にも、各工程で必要な情報や判断根拠をたどりやすくなり、変更対応をよりスムーズに進められるようになります。
このようなデジタルスレッドを実現する仕組みとしてPLMシステムが挙げられますが、導入して全社で活用できるようになるまでには、期間・費用・検討工数が必要です。そのため、PLMの導入を待つのではなく、すぐに着手できる仕組みを活用し、分散している情報やデータを、設計データを軸に関連付けるところから始めてみてはいかがでしょうか。情報連携の範囲を段階的に広げていくことで、将来的なデジタルスレッドやPLM活用に向けた土台を構築することができます。
✔ デジタルスレッドは、必ずしも全工程を一度につなぐことではありません
✔ まずは設計情報と周辺情報をつなげることが、デジタルスレッド定着の第一歩になります
前章で述べたように、デジタルスレッドの第一歩として重要なのは、設計情報と周辺情報をつなぎ、必要な人が必要な情報へアクセスできる環境を整えることです。その具体的な手段の一つが、弊社が提供するiCAD SXユーザ向けの全社3D活用プラットフォーム「ViDice」です。
ViDiceは、iCAD SXデータを起点として、図面、部品表(BOM)、製品情報などを関係部門で共有・活用するための仕組みです。CADを保有していない部門でも、iCAD SXデータを起点に必要な情報へアクセスできる環境を構築できます。また、設計情報と仕様書、CAE解析結果、手順書などの関連データをひも付けることで、設計部門だけでなく生産技術・製造・品質保証などの関係部門を含めた情報活用を支援します。
実現方法はシンプルです。
ViDiceは、新たなデータベース構築は不要で、既存のiCAD SXデータ管理フォルダをそのまま活用できます。フォルダ管理しているiCAD SXデータのパーツ付加情報や拡張プロパティに、仕様書、CAE結果、制御プログラムなどの関連ファイルのパスを登録しておくだけで、ViDiceがその情報を読み込み、ビューイングデータへ変換します。これによって利用者は部品表や3Dモデルから必要な関連情報へ直接アクセスできるようになります。
CADデータ、CAE解析結果、仕様書、手順書などが別々の場所で管理されている場合、担当者は情報を探すだけでも多くの時間を費やしてしまいます。ViDiceはその「情報を探す時間」を削減し、設計変更時の影響確認や情報共有をスムーズにするための仕組みとして活用できます。
大規模なシステム刷新を一度に行うのではなく、まずは設計データを起点に関連情報をつなげ、必要な情報へ素早くアクセスできる環境を整えることが、デジタルスレッド実現への第一歩です。
✔ 設計データを起点に情報連携を始めてみませんか
✔ ViDiceは設計情報と周辺情報をつなぐ仕組みを提供します
ViDiceでiCAD SXデータを起点として関連データをつないでおくことで、関連情報をすぐに確認できるようになります。その結果、設計変更時の影響確認や情報共有がスムーズになり、変更対応を効率的に進められます。
✔ 設計部門やCADを持たない部門でも、必要な情報を迅速に参照できる
✔ 関連情報の確認作業を効率化できる
✔ 設計変更時の影響確認を行いやすくなる
✔ 関係部門との情報共有を行いやすくなる
デジタルスレッド化において重要なのは、情報を各部門内で閉じて管理することではなく、必要な人が必要な情報へアクセスできる環境を整えることです。
まずは、設計データを起点として必要な関連情報を参照できる状態をつくること、その情報連携の積み重ねが、現場に価値を生み出す最初の一歩になります。設計データ、解析報告書、生産情報、品質レポート、要求仕様書などを製品や部品を軸に関連付けていくことで、個別に管理されていた情報を組織全体で活用できる知見へと変えていくことができます。
DX施策を各部署が単独で進めるのではなく、「つなぐ」「ためる」「使う」という視点で情報を連携することで、手戻りや再入力を削減し、ものづくりの効率化を実現します。
まずは1つのiCAD SXデータ管理フォルダ、1つの後工程ユースケースから始めてみてはいかがでしょうか。ViDiceは、その第一歩を支援するための仕組みです。
✔ 作成したiCAD SXデータが各部署で共有できていない
✔ 必要なデータや設計情報を探すのに時間がかかる
✔ 情報の確認漏れによる手戻りが発生している
なお、本製品の導入効果やデモ動画、製品資料は右記の会員制情報サイト「DIPRO Product & Solution Gallery」でご覧いただけます。ぜひご覧ください。
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