DIPROニュース
弊社が開発・販売している製造業向けハイ・レスポンスVRソフト「Xphere(クロスフィア)」は、VRによる新しいものづくりスタイルの実現に向け、お客様のご要望にいち早く対応するため、年2回のリリースアップを行っています。
2022年7月下旬にリリース予定の次期バージョンV1.6では、定評のある表示性能に磨きを掛け、更なるパフォーマンスの向上と操作性の強化を行い、大規模データや部品の密集度の高いデータでも、高速でストレスのない検証を実現します。
本記事では、V1.6の主な新機能についてご紹介いたします。
VRシステムにおいて最も重要なのはレスポンスであると考えます。VRアプリケーションの表示レスポンスが遅い場合、VR酔いをしないように顔や体をゆっくり動かすことに意識が集中するため、本来行うべき作業性などの検証に支障をきたす恐れがあります。
Xphereは、弊社が大規模デジタルモックアップソフトの開発で培った独自の3次元表現技術をコアにしているため、大規模データを高速で扱えるVRシステムとしてご評価いただいています。
V1.6では、部品ツリーを辿る処理の見直しと、NVIDIAのグラフィックカードを活かした描画処理を行い、表示レスポンスを約25%向上しました。この強化により没入感が増し、検証作業の効率化が図れます。
Xphereは、VR空間に再現されたすべての部品を自由に掴んで動かすことができます。設計中の製品を実物大で表現するため、大きな部品も小さな部品も実際の大きさで見えます。また、部品が密集している箇所もそのままで見えます。CADなどでは拡大縮小して、目的の部品を見つけて操作できますが、実物大のデータでは密集したところの小さな部品を掴むことは容易ではありません。
このため、V1.6では部品選択が可能となる領域を図形として表示することで、密集したところであっても意図した部品を確実に選択できるよう操作性を強化しました。
Xphereは、予め登録した工具(ユーザ工具)を用いて、工具をつかんだ手が届くか、工具の可動領域が確保されているかといった組立時やメンテナンス時の作業性検証にご利用いただいています。
締結対象のボルトやナットのサイズに合わせて、スパナやメガネレンチを持ち替えて検証したい、作業姿勢に合わせて持ち手を替えて検証をしたいというご要望に応えて、V1.6では、VR空間で工具を掴む位置や角度を変えられるようになり、実際の作業に近い検証が行えます。
デジタルプロセスが目指すバーチャル工場を実現するために必要なアプリケーション群(COLMINA設計製造支援iCAD SX、COLMINAデジタル生産準備VPSシリーズなど)を取り揃えています。
バーチャル工場の実現領域の更なる拡大に向け、機能強化・各アプリケーションとの連携強化に取り組んでまいります。これからも製造業のためのVirtual Reality「Xphere」の進化にご期待ください。