解析を実行するには、プリポストなどの専門的な解析知識を有する必要があり、一般的な設計者が解析までを兼務で行うことは難しいとされています。
今回は解析作業をテンプレート化することで、設計者に向けた有限要素技術の利用環境を実現しました。CAEに関する専門的な知識不要で、ある程度の目途をつける解析が設計者自身でできるようなりました。
お客様内では設計者がある開発フェーズで形状がFIXしてくると、CAE専任者が評価をするという流れが通常でした。しかしながら、専任者が評価すると性能を満足していないことが多く、設計者への手戻りや評価の繰り返しが発生してました。
性能目標達成に向けて、設計者自身がCAEを用いて、ある程度の検討ができればよいですが、専門知識やソフトウェアのオペレーションを覚えたり、覚えても実施する時間がないことが課題でした。
まず、専任者が実施している解析を、設計者でもできるような解析へ落とし込みます。その解析をテンプレート化することにより、設計者が専門知識や複雑なオペレーションなしで、性能を評価できるような環境を用意する提案をさせて頂きました。
専任者CAEはフルカーで評価をするため、設計者が実施するには解析規模が大きく扱いづらいモデルでした。これをフロアーASSYなどの単位で評価しても、フルカーと同等に評価できる解析技術に落とし込みました。
解析テンプレートは設計者がウィザード形式で作業を進められる様に設計されています。解析テンプレートのシステムを立ち上げると、操作する内容が画面に表示されるので、設計者は表示された内容に沿って作業を進めるだけで解析結果を得ることができます。
以下、作成したテンプレートを使用する例をご紹介いたします。
解析テンプレートを設計者に導入したことにより、解析専任者が評価する前に、ある程度の設計者自身で問題をつぶせるようになりました。
結果、専任者が評価する際の初期NG率を大幅に減らすこととなり、開発工数の削減をすることができました。