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お知らせ

Fujitsu デジタル生産準備 VPS
生産準備業務のDX事例
第42回VPS事例セミナー開催報告

2026.09.07 NEW

DIPROニュース

Fujitsu デジタル生産準備 VPS 生産準備業務のDX事例 第43回VPS事例セミナー

生産準備業務のDXに関する最新事例をご紹介する「第43回VPS事例セミナー」を、7月16日(木)に開催しました。今回は基調講演も交え、株式会社日立製作所様、トヨタ車体株式会社様よりVPS活用事例をご紹介いただきました。

基調講演 一般社団法人 インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ 様
「日本の製造業に適したリーンなPLMとは」

一般社団法人 インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ 様
理事長 西岡 靖之 様

生成AIやデータ活用が進む中、製造業では、現場に蓄積された知識やノウハウをデータとして整理・活用し、次の価値創出につなげることが重要なテーマとなっています。

講演では、従来のPLMが設計情報を起点に発展してきたのに対し、日本の製造業では、生産技術や現場改善の強みを生かし、工程を中心に製品側と設備側の情報をデジタルでつなぐ「リーンPLM」の考え方が重要であると説明されました。設計から製造へ一方向に情報を展開するのではなく、上流と下流の双方から情報を集め、現場の知見を設計や生産準備へ生かしていく点に特徴があります。

また、データは企業や工場の歴史そのものであり、競争力を支える重要な資産です。一方で、製造現場のデータには秘匿すべき情報と、共有・連携することで価値を生む情報があります。どこまで守り、どこまでつなぐかを見極めることが、今後のデータ活用を進めるうえで重要になります。

E-BOM、M-BOMをはじめとする製造関連データについては、すべてを一つのモデルに統一することだけが解ではなく、それぞれの情報をデジタルで表現し、相互に連携できる状態をつくることが重要であると述べられました。さらに、生産設備、作業者、材料、方法といった4M情報や、現場で培われた製造資産をデータとして整理し、拠点や部門を越えて活用できる基盤づくりの必要性が示されました。

こうした考え方は、3D-BOPを軸にモノづくりプロセスのデジタル化を進める、VPSの目指す姿とも親和性があります。現場ごとに分散しがちな知識やデータを、共通の用語やルール、データ活用基盤でつなぐことで、部分最適にとどまっていた改善を全体最適へ広げることができます。

情報システムと現場の双方を理解し、部門間を横串でつなぐ「システム化人材」の重要性にも言及されました。リーンPLMは、日本の製造業が持つ現場力をデジタル資産として生かすための考え方として紹介されました。

聴講されたお客様からは「データの種類や分類を意識することで競争力のある方針を立てることができるイメージを持てました」「データ活用に関する先進的なビジョンを共有いただき大変参考になりました」「リーンPLMの考え方や日本の製造業に適したPLMの方向性について理解を深めることができました」といった感想をいただきました。

事例講演1 株式会社日立製作所 鉄道ビジネスユニット 様
「鉄道車両製造におけるVPS活用の実践知 ~MES連携・BOP管理と工数削減方法~」

鉄道車両は、お客様ごと、号車ごとに仕様が異なる受注生産型の製品であり、多数の部品を組み合わせて一両ずつ製作されます。株式会社日立製作所 鉄道ビジネスユニット様は、こうした複雑な製作現場において、安全性・品質・作業性の向上につなげるため、VPSを活用した3D作業指示および生産情報連携の高度化に取り組まれています。

株式会社日立製作所 鉄道ビジネスユニット 様

左:笠戸システム統括本部 車両システム設計本部 生産設計センタ センタ長 中邑 享 様
中:笠戸システム統括本部 車両システム設計本部 生産設計センタ 主任 橋本 龍典 様
右:笠戸システム統括本部 車両システム設計本部 生産設計センタ 後藤 亮 様

同社では2012年からVPSの活用を開始し、スナップショットや断面生成の自動化、BOM情報連携、部品配膳用資料の自動生成などを通じて、作業指示作成工数の削減と品質向上を進めてきました。現在では、VR製品のXphereも含め、VPSファミリー製品が同社のDX活動を支える基盤ソフトウェアの一つとなっています。

海外工場への展開では、手順ごとのキャプチャや組立アニメーションを活用した作業指示支援スキームを構築しました。作業手順を3Dで分かりやすく可視化し、手順や工程を扱いやすい単位に整理することで、拠点や作業者ごとのばらつきを抑え、品質を維持しながら継続的に活用できる作業支援の仕組みを構築しています。

また、製造指示ViewerやCSV入出力機能を活用し、MESと連携したBOP管理基盤を構築。工程情報や4M情報の統合管理に加え、品質・進捗情報を一元管理する仕組みを実現しています。さらに、溶接工程の3D化や設計変更差分の自動抽出・反映、過去データを活用した製造フローの自動生成などにより、転記作業や手戻りを削減し、標準化と業務効率化を推進しています。

製造指示Viewerと外部システムを連携させることで、現場の改善要望や不具合情報を迅速に収集・活用できる環境も整備しています。こうした取り組みを通じて、現場の声を起点に課題を洗い出し、利用部門と連携しながら継続的な改善を重ね、全体最適を見据えたDX活動を推進しています。講演の最後には、API公開や生成AI活用による、さらなる連携拡張への期待も示されました。

聴講されたお客様からは「DX改善でありがちな点の改善ではなく、全体最適を目的においた改善事例で参考になりました」「設計から製造まで、3Dモデルを活用した一気通貫で取組みされている事例はとても参考になりました」「工数のかかる作り込みに対する活動や、カスタマイズを社内で多数開発されている取り組みも素晴らしいと思いました」というお声をいただいています。

事例講演2 トヨタ車体株式会社 様
「VPS IOCを活用したヘミング生産準備のデジタル化」

トヨタ車体株式会社 様

左:プレス生技部 第1プレス技術室 ヘミングGr グループ長 立松 裕規 様
右:プレス生技部 第1プレス技術室 ヘミングGr 川崎 剛史 様

トヨタ車体様は、完成車の企画から開発・生産までを一貫して担う自動車メーカーです。同社では、車体外板の品質を左右するヘミング工程において、現地現物に頼ってきた品質作り込みや設備検証を、デジタル上でどこまで再現できるかをテーマにDXを推進しています。本講演では、VPS IOCとCAE解析ツールを組み合わせ、設備検討と品質評価をつなぐデジタルツイン実現に向けた取り組みが紹介されました。

ヘミング工程では、ロボットの教示点設定や多数のパラメータ調整が品質に直結することから、現地での試行錯誤に多くの工数を要するという課題がありました。こうした背景を踏まえ、設備と品質をデジタルで連携し、生産準備期間の短縮を図っています。

具体的には、VPS IOCを中核に、①制御・動作検証、②CAEによる品質評価、③実機データ取得、④分析・補正の4つのワークフローを構築しています。初期検証で見えた実機との差異に対し、ロボット動作やエアシリンダーの流量といった要因を分析・補正することで、実機とシミュレーションのサイクルタイムを一致させ、デジタルによる一貫検証の実現性が高まったことを確認しています。

さらに、VPS IOCの動作データをCAE解析ツールへ連携し、ローラーの挙動や角度変化を再現。実機計測との比較においても高い一致傾向が見られ、ヘミング品質のデジタル再現に向けた実用性の向上が示されています。

設計初期の検討から設計、実機トライ・評価までをデジタルで一貫して行うことで、実機への依存を最小限に抑えた生産準備プロセスの確立を進めています。あわせて、現場で培った知見をデジタル資産として蓄積し、技術継承や継続的な改善につなげることも、本取り組みの重要な成果と位置付けています。

聴講されたお客様からは「デジタルツインに合わせてCAE解析を連携しているとのことでとても先進的な事例だと感じました」「VPS IOC単体では物理現象、特にワークの曲げ変更等は対応が難しいと考えていたので、CAEツールとの連携による調整での実現は目から鱗でした」「PLMとシミュレーション技術を活用することで、事前に高精度な予測が可能となっている点に技術革新を感じました」というお声をいただいています。

ヘミング工程:外板の端部を折り曲げて接合する工程

最後に

当日は600名を超えるお客様にご参加いただき、チャット機能を通じて多くのご質問やご意見をお寄せいただきました。講演者の皆様にもライブで丁寧にご回答いただき、大変有意義なセミナーとなりました。

ご多忙の中、貴重なご講演をいただいた講演者の皆様に心より御礼申し上げます。また、ご参加いただいたお客様にも厚く御礼申し上げます。

今後も、生産準備業務のDX推進に役立つ事例や最新情報をお届けできるよう、皆様からいただいたご意見・ご要望を活かしながら、セミナーや情報発信の充実に努めてまいります。

司会者

スタジオの様子

配信風景

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デジタルプロセス株式会社 VPSインフォメーションセンター 安藤、吉田、渡辺

E-Mail:plm-vps-info@cs.jp.fujitsu.com

(VPSビジネス部 吉田達代)

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